「メタボな中年にはちょっと刺激強すぎ?」クローバーフィールド HAKAISHA dobubobaさんの映画レビュー(感想・評価)
メタボな中年にはちょっと刺激強すぎ?
この映画、昨年夏から極めて露出の低い予告編をスポット的に流してきたのですが、物凄い印象に残る予告編だったのです。ホームビデオで撮ったような映像で、群集が叫んでいるという・・・。タイトルもよくわからない予告編で、妻とも「何コレ、こわー」と話していました。(自由の女神の頭が目の前に飛んでくるアレです)そんな効果的な予告編のためもあったのでしょう。2週目の劇場も満員に近い混み様でした。
昔、ブレアウィッチ・プロジェクトという低予算、アイデア一発映画がありましたが、まさにその路線を狙ったパニック映画です。設定は「日本に赴任する予定の男の送別会パーティ。一人で寂しくなるだろうからと、ホームビデオカメラでパーティの準備段階から撮影開始。その後、謎の地震が起こり・・・」という流れです。
ホームビデオという一人称で撮影される映像は、正直、ちょっと酔いますが、通常の映画の俯瞰映像がないため視界が限局され、極めて恐怖心があおられます。襲ってくるモンスターが巨大なのでなおさらです。ブレア・ウィッチと違うのは、登場人物の設定が浅いながらも掘り込まれているというところでしょう。ブレアウィッチではほとんどそれがありませんでしたから。その演出方法がすばらしかったです。主人公の思い出ビデオに間違えて重ね撮りしてしまったことで、切れ目切れ目で主人公の過去の映像が挿入されることにより、主人公に感情移入できるようにしています。
いやー、おもしろいです。この映画。日本のゴジラにインスパイアされて作られたそうで、主人公の赴任先も日本ですし、スタッフロールで流れる音楽も日本のゴジラのテーマのパロディです。モンスターはどちらかというとハリウッドゴジラですが・・・。
ちなみに、モンスターが大暴れしますが、なぜ?とか、どこから?とか状況の説明は 一切なし!!観客はただただ逃げまどう無力な一般市民にさせられます。いやー、こわいっすよ。絶叫系のアトラクションにまだまだ乗れる若さの残っている方に!