「悪いセックスは怒れや」人のセックスを笑うな Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
悪いセックスは怒れや
『人のセックスを笑うな』(2008)
<悪いセックスは怒れや>
タバコを吸うのは女の健康にとっても悪いだろう。男も同様ではあるが、主人公はどちらもタバコを吸う。演じているのは、松山ケンイチと永作博美。女子大生は嫌煙家である。蒼井優。そして、まず、たしか自転車の二人乗りは法律上禁止だと思う。芸術大学の女教師と学生の設定みたいだが、女のほうが20歳くらい上の設定はまだしも、作品のモデルになれと男子学生とアトリエに行き、
男子学生を全裸にさせる。男子学生は笑って抵抗をみせるが、モデルというので脱いでしまう。芸術作品のモデルだからと言って、そうしている人達というのも、変態の言い訳かも知れない。多くは、男性カメラマンにヌードモデルの女だろうか。そういった連中も二人きりのスタジオの後でどうなっているかはわからない。そしてそうしたアトリエで性行為を繰り返す二人である。婚外性行為である。性倫理はここを見直さないといつまでも揺らいだままだと思う。そして、こっそり住所を事務室で探して、女の家にいくと、出てきた男がいて、女も後から出てくるが、女は旦那だと青年に言う。男子学生に言わずに不倫を仕掛けた女だった。ひどい内容である。ところが、男は学校の教室でも女を引っ張って女を押し倒すが、女が不倫だと知った時点で、男は怒り狂うくらいでないと変だし、変な話になっているのは、貞操観を無視した内容だからである。極悪の展開である。
女子大生が女に不倫はダメでしょうと注意するのだが、まともである。男子学生のほうはだんだんショックが現れてきたのか、調子が狂った様子である。年上女のほうの感覚が変なのだから、男子学生はまだまともな面を残していたのか。男子学生は携帯電話を開けないほど細工して、女と会わないようにしていた。まともに教える側であるはずの年上女が乱れていたら、若者もおかしくなってしまうだろう。しかし男はまた女に会いに行ってしまい、性行為を繰り返してしまう。女にはまったく後ろめたさはない様子。帰宅した女の夫婦仲はこじれてないシーンが続く。そして女は音信普通になる。女子学生が凄いというか、学校は辞めてしまい、看板屋を継いだような様子もあるが、正月に男子学生の家に来て、会いたければ女に会いにいけばいいといって、二人でバイクで一緒に女を探しに行く。夜に男は酔っぱらって、元女子学生はホテルまで連れ込むが、キスしようとすると、男子学生が寝言で女の名前を言うと、キスしないまま、元女子学生は怒って、ベッドをトランポリン代わりにして何度も強く飛び跳ねた。これだって女が眠っていて、相手が年配とかなんだとかだったら、レ〇ぷ事件のようなものであるのだが。ここら辺の背景の音楽も軽めのピアノ曲にしているのが、へんてこりんなのだが、なぜか翌朝、元女子学生をホテルなのかどこかに残したまま、バイクで男が女の実家に行くと留守で、そこで携帯電話がかかり、女から夫婦でインドにいるのだとかいう。携帯電話が途切れ、そして男子学生のバイクがガス欠かなんかになる。もう一人仲間の
男子学生を演ずるのは忍成修吾だが、元女子学生と歩いているときに、突然キスをする。これも性的暴行にも見えるが、元女子学生が喜んでしまったため、恋人にようやくなってしまうのだろう。
元女子学生は年上女に惹かれた男子学生のほうをずっと好きだったのに。そして、その年上女に振り回されたような男子学生は一人、どこかの屋上に座ってライターをカチリと鳴らして無為に終わってしまう。倫理観も無い、徒労感が残る、時間が過ぎてしまったというような悪品だった。