子猫の涙のレビュー・感想・評価
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そうだよ、武田真治って良い役者なんだよ。
明るく破天荒でヅボラでスケベでいい加減。
だが、天才立だったボクサーを上手く演じている。
大阪を舞台に人情溢れるストーリー。
一人のオリンピック銅メダリストのその後。
娘を演じる七海ちゃんの愛くるしさが
じわじわと溢れていきます。
他の共演者も地味だけど実直な演技を見せてくれる。
よくある大阪の人情ドラマとは一線を画した作品です。
武田真治良いなあ。
ボクサーの引き締まった体と女にだらしない主人公。
ぴったりじゃないか。
改めて彼は役者立ったんだなあ。
最近コミカルな部分しかみてないからわからなかった。
もっと活躍して欲しいです。
最後にやさぐれた広末涼子も可愛い。
● 森岡栄治を知っているか。
エンドロールでようやく実話であると気付く。ただのフィクションにしか見えないのが惜しい。ロンドンで清水や村田がメダルを取るまで、実に44年もの長きにわたり、日本人最後のメダリストでボクサーだったその人。そうしてノンフィクションと知って観ると、重みが違ってくるから不思議だ。娘役の藤本七海の好演も光る。
「人生の勝ち負けは、他人が決めるのではない。自分が決めるのだ」ステキなセリフだ。
エンドロールで流れるRie fuの “Home”が心地よい。
見所:名演の藤本七海さんと、イメチェン開始時期の広末涼子さん
私の勝手な、
今年の映画鑑賞の1つのテーマ
【心に残ったセリフを書き記そう】。
《人生の勝ち負けは他人が
決めるのではない。自分が決めるのだ》
終盤、お爺ちゃんが「負け犬」と父を
非難する娘に対して残した言葉。。。
さて、展開が
かなり強引ですが、作品の感想へ(苦笑)
映画でも、ドラマでも、言えることですが、
キャスティングって重要だなぁ、って改めて
感じました。藤本七海を娘役に据えた時点で
この作品の成功は決まったと言えるのでは、ないかと。
詳しくは、人物レビューに記しますが、
それほどに、素晴らしかった!!
武田真治がイマイチだっただけに、
彼女がいなければ、せっかくの良い
ストーリーが台無しになってしまっていた。
繰り返しになりますが、
ストーリーも、とても良かった。
メキシコオリンピック銅メダリストの
生涯を描いた実話。この作品を観るまで、
ボクシングでメダルを獲った人が3人しか
いないことや、この人の存在すら知らなかった。
「地味な英雄(ヒーロー)」の言葉がピッタリあう。
網膜剥離から挫折は始まる。
そこから、人生墜落フルコーススタート!
職を失いバーを遊び歩く。
当然、子供には馬鹿にされる。
妻には逃げられる。
暴力団組長の用心棒になる。
兄にお金をせびられる。
新しい女と、同居する。
当然、多感な娘には拒否される。
女に、騙され多額の借金を抱える。
偽造株券をつかまされ、ブタ箱に入れられる。
書いていると気が滅入る程ジメジメと暗い。
でも、なぜだか作品は、とっても明るい。
本当、眩しくなるくらい。
それは、この主役のメダリストが
前向きで、楽観主義で、暗さを微塵にも感じさせないから。
後向きになるのは、たったの一度だけ
「ボクシングなんか嫌いや」と娘にこぼしてしまう、
その時だけ。娘も根っから父を嫌うのは、この時だけだ。
後半、なにもかも嫌になりかける娘は救われる。
拒否し続けた、父の新しい女(新しい母)と大喧嘩。
母「苦しいのは、あんただけやないんや。
みんな、なにがしかの苦しみをかかえてるんや。
甘えんとき!!」
この後、急に舞台は平成へと移るのだが、
ラスト、また舞台は昭和へ、幼少期へと戻る。
警察から出所してきた父へ「おかえり」
父に寄添う喧嘩直後の母へ「これまでいけずしてゴメンな」と。
泣きあとを残した笑い顔で。。。
恥ずかしながら、落涙しちゃいました。
終始一貫して
「人の愛」が描かれていました。
親子愛、男女愛、師弟愛、兄弟愛。
バランスよく、テンポよく。
きっとそれを可能にさせたのは、
関西弁の柔らかいイントネーションだったのかな、と。
単館上映で終わらせるのはもったいない、と
痛切に感じた作品でした。いやぁ、良い映画でした(笑顔)
生きると言う事
この作品、一昨年観たいと思いながら、見逃してしまった。
そんな作品が、もうCSで放送。
TVで観る時は、どうしてもごろごろ観てしまうので、
最後まで観る事が出来ない作品が多い中、
この作品は、テンポ良く、最後まで観させてくれた。
この作品の主人公、森岡栄治(武田真治)さんは
オリンピックで銅メダルを取り、
プロに転向し華々しいスタートを切ったというのに
網膜剥離で引退を余儀なくされ
その後の人生は、全然思い通りにならなくなってしまう。
歯がゆい人生を、更に後押しするように兄役の山崎邦正が
悪さしてくる。
その後の人生に山など無く、谷の連続である。
普通の人なら、心が折れてしまう、そんな連続である。
でも、この主人公には明るさが有る。
底抜けの、明るさだ。
この生命力は一体どこからくるのだろうか。
彼を支える、ふてぶてしい女を広末が演じる。
森岡の生命力と、
彼女の生に対する迫力がスイングする、
そして明日がひらけていく。
劇場で観れば良かった、そう感じさせるだけの力の有る
子猫の涙だった。
べっぴんやなぁ
映画「子猫の涙」(森岡利行監督)から。
ミュンヘンオリンピック、ボクシング銅メダル獲得、
これが、今回の主人公の肩書き。
逆に、この過去の栄光から抜けきれず、
波乱万丈の人生を歩んだ、森岡栄治さんの実話に基づいている。
内容は、関西弁満載のテンポある展開で、飽きなかった。
(関西人に言わせると、そんな方言はない。
大阪は大阪弁、京都は京都弁、その他河内弁等・・
と区別しているらしいのであるが・・・)
そこで、選んだ一言は「べっぴんやなぁ」。
まったく便利な言葉である。
漢字で書くと「別嬪」。
意味は、とりわけ美しい女。美人。
「キレイ」でも「可愛い」でもなく「べっぴん」。
気軽に口に出来、セクハラにもならない誉め言葉。
主人公が、女性を見るたびに使うわけだ。
「あんた、べっぴんやなぁ」
負け犬とは?
いつまでも栄光の時は続く事はない。
しかし、決して娘の前では弱さを見せるような事はなく真っ直ぐに生きる。
多くの人に愛されていたであろう、
メキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクサーである、
森岡栄治の波乱万丈の生涯を娘の治子からの視点で描いた作品。
監督は栄治の甥である森岡利行。
オリンピックで銅メダルを獲得後プロに転向した栄治(武田真治)は、
網膜はく離によって、たいして活躍できずに引退、プータローへ。
しかも女癖も悪い栄治に、娘の治子(藤本七海)は軽蔑と反発を募らせる。
家計を支えていた母の和江(紺野まひる)も愛想を尽かし家を出て行く。
その後、愛人の裕子(広末涼子)を栄治は家に連れてくる。
昭和の再現度は映像を温かくしていることもあり、
丁寧な仕事をしているなという細かい部分も好感が持ててよかったが、
晩年の武田真治と広末涼子の老けメイクが中途半端だったのは残念。
上手いとは言えない大阪弁はしょうがないかとは思うものの、
武田真治の鍛え上げられた肉体と めちゃいけ での経験が活きている
なと思える演技は栄治の破天荒で、ツキのない人生でも、
悲壮感を感じさせない役にあっている。
広末涼子 も 紺野まひる も 山崎邦正 さえも悪くはなかったけども、
この物語の視点となる治子を演じた藤本七海の演技には
笑わされ、泣かされた。
武田真治や弟とのテンポのいい会話や間の取り方は素晴らしいと思う。
それに比べて、治子が成長した後を演じた宝生舞はなんなんだ。
声をあててもらった方がよかったんじゃないか。
酒に溺れ、借金を背負っても、全く暗さを見せずに、父親の意地として、
娘には自分の弱い部分を見せようとはせずに、
娘にはスケベオヤジと思われてようと、死ねと言われようと、
決して本心は見せようとしない。
弱さを少し見せた涙に、いい時もあったが、いつまでも付きまとう栄光に、
ボクシングに対する思いが、栄治の複雑な思いが見える。
祖父の言葉によって娘は父との関係を見つめ直し、
栄治もボクシングへの思いを改めて考え立ち直る。
負け犬とは何か、栄治の生き様に考える。
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