劇場公開日 2008年10月18日

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「ヒラリー・スワンクはイメージを変えたかったのか?」P.S.アイラヴユー いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ヒラリー・スワンクはイメージを変えたかったのか?

2008年9月29日

笑える

幸せ



 死んでしまった最愛の夫から、消印のない手紙が届き始め、
 その手紙の謎を追って、驚愕の結末が!!なんて話ではないです。
 ヒラリー・スワンク が主演でもそんな話ではない。
 ヒラリー・スワンク がロマコメの主演という方が驚愕?だったりして。

 ホリー(ヒラリー・スワンク)は
 最愛の夫ジェリー(ジェラルド・バトラー)を脳腫瘍で亡くし、
 絶望に打ちひしがれ、失意の中で電話にすら出られずヒッキー状態。
 そんな彼女の30歳の誕生日にホリーの元に届いた贈り物の箱の中から
 テープレコーダーに入ったジェリーからのメッセージが。
 そのプレゼントに驚き、喜び、翌日、
 メッセージの通りにジェリーから手紙が届く。
 次々と消印のない手紙がホリーの元に届くようになり、
 ホリーは手紙に助けられ、
 徐々に前向きに生きていく力を取り戻していく。

 元アイルランド首相を父に持つ女性作家セシリア・アハーンが、
 21歳で書き上げた
 ベストセラーになっているというデビュー作を映画化。
 2度のアカデミー賞を受賞しているヒラリー・スワンクと、
 ジェラルド・バトラーが共演し、突然愛する者を失った悲しみと、
 新しい人生を生きていこうと悲しみを乗り越え、
 葛藤しスタートを切るまでを、
 周囲の人々はどのように接したらいいのかを、
 ニューヨークとアイルランドを舞台に描く。
 アイルランドの広大な風景は美しい。

 監督の リチャード・ラグラヴェネーズ と ヒラリー・スワンク は
 フリーダム・ライターズに続いての組み合わせなわけですが、
 フリーダム・ライターズ はよかったのに、好きなのにと思ってしまう。

 ヒラリー・スワンク はロマコメでも
 オスカー女優としての力を要所で魅せてくれる。
 悲しんでいる姿も、ビックリも戸惑いも、
 冒頭の口喧嘩のシーンもそれなりに、
 女友達3人でのボート上でのなんとも言えない表情も、
 作品には合わないと思っていてもいい演技をする。
 でも、最近の フリーダム・ライターズ や リーピング や
 ミリオンダラー・ベイビー の印象の強い作品に比べると、やっぱり、
 ちょっとの違和感を感じ、
 怪我をして病院のベッドに居る姿がシックリきてしまう。
 なんだかなぁ。

 ジェラルド・バトラー はいいです。
 女性がメロメロになりそうな
 大きく包み込んでくれそうな男を好演してるんだけど、
 気なるのは、アメリカでの公開はこの作品は昨年の12月で、
 幸せの1ページ は今年の4月です。
 撮影は他の作品を間に挟んだのか分からないけど、
 同じ様に存在しないのに寄り添う演技が多くて、
 どうして俺は同じ様なことをやってるんだろうと、
 思ってたのではないか、などと考えてしまう。

 友人のデニース(リサ・クドロー)とシャロン(ジーナ・ガーション)と
 ワー、キャーと騒いでる場面は3人組だけど、
 デニースの男に対する貪欲な姿勢といい、
 独身?ゲイ?仕事は?そして、キスの相性を、
 というのは面白かったけど、
 テレ東でこの前まで放送されてたのを何度か見たぐらいで、
 おもしれぇ~と思ってただけで、詳しくは知らないけど、
 セックス・アンド・ザ・シティ を強く意識してるようでもあります。

 あと、アイルランドで出会う男性のウィリアムを演じた
 ジェフリー・ディーン・モーガン が
 ハビエル・バルデムに見えてしょうがなかった。

 どうしてこんな感想ばかりなのかは察してください。
 僕としてはイマイチな感じで、
 手紙が届くことで
 余計にジェリーを思い出させて苦しませているのではないか、
 ジェリーの予知能力もすごいけど、
 その手紙から導かれたであろう出来事も、
 ちょっと理解できない展開もあったり、
 それに締め括り方が散漫な印象を受けてしまったのが大きいでしょうか。
 原作どおりかもしれないけど、友情か、愛情か、
 映画的にはどちらかに絞っても良かったのではないでしょうか。
 母親の キャシー・ベイツ で、
 もう一笑い取りたかったのはよく分かるけどさ。

 それなりに笑えるところは笑えたけど、面白かったけど、
 ヒラリー・スワンクが主演で、死んでしまった最愛の夫から手紙が届き、
 その謎を追って驚愕の結末が、というストーリーでも、
 急にテイストが変わって、怒涛の展開になってもよかったかも。
 そしたら、絶賛してたのに、
 もしくは、もっと酷い評価をして楽しめたのに。

いきいき