イントゥ・ザ・ワイルドのレビュー・感想・評価
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不可解なシーンが1箇所あり
配信が全く無いので、英語字幕でパソコンで観ました。大昔観た時は片手間に観ていたので、最近になってそれを後悔して観たいと思っていました。
ジョージア州のアトランタで育った青年、クリスは家族や社会に不満を持ち、根なし草の様に生きる事を決意します。沢山の善意の人の手を借りてアラスカへ行き、単身大自然に挑み、最期は毒草を誤って口にして、24年の短い生涯を終えるという実話を基にしたフィクションです。
映画自体は色々なロケ地を見る事ができ、ストーリーそのものも面白いですが、尺が約150分と長過ぎます。カットできるシーンは、かなりあると思います。
あと、映画序盤過ぎ辺りに主人公がカメラ目線になるシーンがあり、状況が把握できずに「???」になりました。『ブレアウイッチプロジェクト』の様な作風なら、初めからハンディカムで撮影すべきなので、あの1カットは観ている人に疑問しか与えません。
白人特権を一身に浴びながらもそれに不満を抱き、クリスの様にサバイバルに挑戦し、命を落とす人は今も居るそうです。本作を観て学んで欲しいものです。自給自足のサバイバル生活は、一朝一夕で出来るものではありませんし、悪戯に動植物を侵害します。命が一番大切です。人は人の支えが無いと生きていかれません。本作で再確認しました。
なかなか難しいですが、機会があれば是非観てください。価値ある作品です。
生涯で最も印象に残った映画の一つ
劇場で2回観てパンフレットも購入し、その後ブルーレイも買って5回以上観ています。封切りからもう15年になりますが、私にとっては生涯ベスト3に入る映画です。
ネタバレにならないように言葉を選んで書きましょう。
個性派俳優として名高いショーン・ペンは、前作『プレッジ』でも監督としての類い希な才能を見せてくれましたが、この作品では実在した一人の青年クリス・マッキャンドレスの人生を丁寧に描いています。何より台詞の一つ一つが宝石のように貴い。
君たちはどう生きるかではなく、彼はどう生きたか……ですが、短かった彼の人生を通して人としての尊厳や人生の中で大切なものを語ってくれたと、私はショーン・ペン監督からの重いメッセージとして受け止めました。
今まで多くの人に推薦してきましたが、そのリアクションは7対3くらいで、「素晴らしかった!」か「人生最悪の映画だった……」のどちらかでした。
さて、あなたはどう感じる(感じた)でしょうか?
バックパッカーになって旅に出たくなる映画
映像と脚本の優れた映画、そしてこの物語が実話を基に書かれていると思うと、主人公に感情移入してしまう。
仕事に忙殺されがちな毎日のなかで、ふと、ザックにシュラフを詰め込んで旅に出たくなる。そんな映画です。
複層的青春佳作
アラスカのサバイバル一辺倒と思いきや、アラスカまでのロードムービーと妹のナレーションが交錯した飽きない構成が特徴的な、なかなか味わい深い秀作です。
特に妹のナレーションは無軌道な兄の行動をタイミングよく弁護し、且つ切ない演出が冴えています。最後に出てくるおじいちゃん、どっかで見たと思ったらキャラハン刑事の宿敵でした。
独りになりたい気持ちはわかります・・
家族にも何も言わず突然姿を消し大自然へというのは、僕だったら無理ですね・・天涯孤独になったとしてもある程度は「物」が溢れた生活でないと。 僕はご近所付き合いとか面倒くさい人間なので、人間関係を切り捨てていくならある程度は大丈夫かも(笑) 静かな場所がいいですが、人がいなさ過ぎるのも怖いかな(笑)
最初観た時は、とても感動しました
家族、お金、全てを捨てて荒野へ向かう主人公。
旅の途中で出会いと別れを繰り返し、ラストまで成長してゆく姿に
本当にこの世で大切なものは何なのか?を考えさせられ、泣きました。
しかし2回目に観た時は
あれ?何で荒野に行くの?と全然共感できなくなってしまいました。
観る人を選ぶ作品だと思います。
今持ってる面倒なものを全て捨てて
どこか遠くに行きたくなっている方には、是非観賞をオススメします。
"アレグザンダー・スーパートランプ"
ショーン・ペンが"俺より先に有名だった"と憧れた連中、波乗りから始まり、コンクリートや水を抜いた楕円形のプールで暴れまくるステイシー・ペラルタ監督作「Dogtown &Z-Boys」のナレーションを務め、そんな"Z-Boys"のメンバーの中でも最高にイカした不良スケーター、ジェイ・アダムスを「ロード・オブ・ドッグタウン」で演じた若かりしエミール・ハーシュと、監督ショーン・ペン、主演エミール・ハーシュの劇的な共通点が個人的には堪らない本作。
音楽的にグランジは通らなかったが、エディ・ヴェダーの音楽と歌声も素晴らしい。
実話でありジョン・クラカワーの原作も読んで面白かったけれど、前三作品の監督作を思い返してもショーン・ペンって、こんなに巧かったっけ!?
なんとも終盤のロン爺には泣かされる物語があり、続いて父親のW・ハートの姿で号泣してしまう。
オムニバス映画「11'09"01/セプテンバー11」でのアーネスト・ボーグナインの渋い雰囲気からの哀愁漂う爺さんも良かったショーン・ペンの手腕。
あんなに賢い筈なのに小さなミスが致命的に、旅で出会った人々皆が窮地を知っていたら誰もが駆け付けたであろうに、そんな状況が歯痒くて虚しい。
でも主人公には腹が立ってしまうし、悔しい気持ちになってしまう。
両親だけではなく旅先で出会った皆が帰りを待ちわびていたのに、彼自身も孤独の旅から帰還しようとしていたのに、あんな最期は観ていて辛い、酷過ぎるヨ、神様!!
アメリカの広大さ、素敵な出会い、旅をする目的、自然の厳しさ、人間の本質と、どれも経験し思い悩むことも許されない?現代社会の忙しなさ!?
困った奴だ
純粋で自身の信じる思考に基づいて、荒れ地を目指す世捨て人とも言える主人公。
現代社会の欺瞞に対する不満など彼の視点で語られていく。
ヒッピー文化に詳しくないが「生きたい所で生きる」と言う社会的な束縛からの離脱した生き方は少し羨ましいとも思ったが、人は何処にいてどんな暮らしをしても悩みは尽きないものだ。
彼が何をしたかったのか?自己の望むままに、自然で困難な生き方をしたかったとしか言いようがない。
彼の生き方は長生き出来ないのは当たり前であるが、彼と反対側に生きている自分としては言い訳も文句も言いたくなる。
彼と出会う優しい大人たちが彼に自身の経験を踏まえた教えを伝えていくのだが、彼は他人に新しい生き方を選択しろと言いつつ、頑なにアラスカを目指して行き、当初の目的を変えない。
家族を悲しませ、出会ってきた人を悲しませてまで、彼がしたかった事がこれか?と思うとやるせない。
作品として若い人に観てほしいとは思わない。
自然に生きる事、社会の束縛から抜け出したい人が行動に移して得られた事を断面的に見る事が出来るので、出来ない生き方に憧れる人にどうぞ。
1人になりたがるのはなんでだろう
アラスカだったり知床だったり、圧倒される自然に焦がれているんだなぁ。
風景を観ているだけでも癒された。
1人旅に出て、すごくいい景色を見ることができたり、気持ちいい風を感じることができたり、旅に出ないと出会えない人に出会えたり、そんな素晴らしいことが起こったとする。
それらを1人で感じるのは、四則演算なく、イコール。そのままを受け取る。
(「恐怖」は増幅するか)
誰かと一緒にいると、四則演算が起こる。
+ー*/全部。
旅だとそれが印象的で心に残りやすい。でもそれは日常でも同じことだ。
1人でいる、ということはそのままあるがままで、どこにも1ミリも動かない。
幸せは、分かち合うこと。
なのかもしれない。
もちろんそうやって生きていきたいんだけど、1人にわざとなりたい時はある。
1人になるには、イントゥザワイルドするのがいちばん。
街には他者が溢れかえっている。
そういう意味では気持ちがわかる。
Sean Penn
人生を描く映画は多いが、3層で描く作品は初めて見た。
ショーンペンの監督・脚本としての才能を痛感した。主人公が普段の生活に嫌気がさして、これまでの全てを捨てて、旅に出るという、いたって映画的なストーリーなのだが、そのストーリーの進め方が魔法のようだった。
この映画は3つの層になって物語が進んでいく。
・主人公クリス(アレックス)が一人で旅をしていくストーリー
・妹カリーンのナレーションで息子が出ていった後の両親を過去のエピソードを交えながら語っていくストーリー。
・主人公が旅の終盤見つけた、マジックバスト呼ぶバスでの数ヶ月のストーリー。
その3つの色合いは大きく違いながらも、相互に関係し合いながら、視聴者を引っ張っていく、勢いが凄まじかった。3つの話の中に出てくる人物の数が大きく違う。最初のメインストーリーは、クリスとクリスが旅で出会う様々な人々。2つ目のナレーションのストーリーはクリスの家族4人。最後のマジックバスでのストーリーはクリス1人。この人物の違いがストーリーを進める大きな真となっており、人とのつながりというものと、1人の人生というもののコントラストとハーモニーを描いている。ハーモニーをえがいているときは、とてもオープンで色々なことが起き、出会いや別れが連続し、一歩ずつ歩みを進めていく主人公。一方コントラストで、孤独や生きるということ、自然を描くときには、一歩立ち止まって自分を見つめ直すこと、一歩立ち止められて、後戻りをすることなど、リズムが落ち着く。この2つがとてもバランスよく構成されている気がして、全く単調ではなく、次にどのような人が出会うのか、どのような場所に行くのかというワクワクが止まらなかった。
さらにはそこに音楽が飾り付けをする。劇中実際に歌われる音楽から、バックグラウンドミュージックまで映画に占める音の割合というのは、本当に大きいんだなと実感させられた。音楽は0から1を作るというよりも、5や6を9や10にまで持っていくような役割。
主人公があまり途中で大きなものを失ったり、出会う人々から大きなものを学ぶというよりも、出会う人々に何かを残していくというストーリーが多かっただけに、主人公のキャラクターに感情移入するという部分では少し薄かったのかもしれない。むしろ、ドキュメンタリーのような彼の人生を描くことによって、我々の人生に枝を1本増やしてくれるような、バイオグラフィー的なドラマでした。
ジェイ・キャシディの編集の力を突きつけられた。とても自然なのにパワフルな編集、映画一本の中で、一周するような、スタートを思い起こさせ、エンディングにつなげるようなリズムの取り方と、ショットの選び方。リズムの帝王なのか。。。。
自然と共に生きたい人に見てほしい
暫定人生ベスト。ノンフィクション。
テーマをつけるとしたら「奮い立て自分!命のやりとりで生きてる実感!」でしょう。
現代人にとって、衣食住はお金がないと始まらない。そこでみんな思考停止で就職活動します。
作物を育てたり、編んだり、食べたり、建てたり、本来の人間の営みを仕事にして過ごしたいけど…。
出来ない自分からしたら眩しい!(踏みだす勇気がない)
でも自然は厳しいぞ〜。という感じの映画です。
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