「彼は崇高か我儘か」イントゥ・ザ・ワイルド heavenstarさんの映画レビュー(感想・評価)
彼は崇高か我儘か
原作は読んだ事ないが、エミールハーシュという役者が好きなため。
この主人公については賛否両論上げられているが、彼の行動を論理的な尺度で見てはいけない。
ロードムービー好きならこういった、自分の思考や精神を第一にする主人公は好きな人が多いだろう。
その為に、彼が犠牲にした事も多々ある訳で、犠牲にされた人間は当然「なんで!?」と思う。
ただ、この作品はその犠牲にされた側にもスポットを当てることで彼のしていることは自己満足かもしれないという可能性を観ている者に訴えている。
「内なる自分」に正直で、自分で実行できる精一杯の反抗をして犠牲にするものと訣別しようとする。
彼の中でもそれが正しい事なのか迷いはあるが、何もせず終わるより実行するしかない!という思いに駆られたのかもしれない。
この思考プロセスは全く論理的でなく、自己陶酔とも思えるが、僕は大いに共感できた。
正しいかどうかでなく、その未熟さが先走る感じが人間臭くて好きだ。
映画自体はとても丁寧に作られているし、答えの無い葛藤をよく描けていると思う。
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