「既に3度観たが、未だ繰り返し見たい決して見飽きない作品だ」イントゥ・ザ・ワイルド Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
既に3度観たが、未だ繰り返し見たい決して見飽きない作品だ
この映画が実話だなんて到底信じたくは無かった!
それではあまりにも残酷だ!何故、こんなにも恵まれた何不自由無い青年の人生の歯車が狂いだすのだろうか?しかもこの若さで、こともあろうに、餓死するなんて!しかも、僅か2週間後に発見されるのだ!もし2週間早くに誰かが彼の存在に気付いていたなら、彼は死なずに済んでいたのだ。
神も仏もあったものでは無い!衝撃と怒りで、打ちのめされた!
彼の人生・彼の家族の人生とは一体何の為に存在していたのだろうか?
妹・母・そして父・・・その後のこの家族はどう生きて行くのだろう?
大学生の若い命と引き換えに、彼が生命を賭けて得た人生訓とは一体何だったのか?
これがフクションなら、へぇ~と一言で終わる、しかし実話なのだ。
アメリカで、経済的には恵まれた家庭に生れ育ち、しかし年頃の影響もあるが父親との仲違いあり、家を飛び出し放浪の旅へと向かう。
その中で、彼は様々な人々と出会い、それぞれの人間の持つ生活歴に触れていく。
生真面目で、感受性が強く曲がった事が嫌いで、勤勉でもある。
そんなGoodBoyな性格が裏目に出てしまうのが人生の皮肉な現実なのかも知れない。
彼がことさら廻りの人間を受け入れられない偏屈野郎というのでもなく、
むしろどちらかと言えば、人が良くて付き合い易いタイプ
これは神さまに気に入られ、この薄汚れた社会で生かすには勿体無いとその命が天に
召されたとしか考えられないような話だった。
自然は厳しく美しい そして変わる事の無い一定の秩序を保ちながら存在し続けている。
その自然の営みの中で、人も生かされている。
人間は多くの人との繋がり、関わり合いの中で活かされて生きるのだ。
自分で生きているようでも有り、
只、自然と活かされているようでもある。
どちらが本当の姿で、どちらが幻なのかは分からない。
しかし、生きている間には、人や、自然と繋がり、自然を司る神との関わり合いも存在しているのだ。
人が生きると言う事、人の生命が育まれて存在し続けると言う事、
都市型生活を送っていると中々、自然から切り離されてしまい、
基本的な人間も動物の一種で、この惑星地球の中で活かされて生きる種の一つに過ぎない事にぶち当たる。
それゆえに、人にとり愛する事、人生の総てに愛と感謝を持って暮す素晴らしさが身に沁みた感動の映画だった。