劇場公開日 2009年6月13日

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「かなりメッセージ性のあるターミネーターです。」ターミネーター4 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0かなりメッセージ性のあるターミネーターです。

2009年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ターミネーター・シリーズで、やっと、時代が現代から未来に。『ターミネーター3』で“審判の日”が来てしまい、未来がなくなったかと思ったのですが、間違いでした。ジョン・コナーが生きている限り、人類に希望はあるんですね。

ジョン・コナー役は、クリスチャン・ベイル。『ターミネーター3』の時の線の細い青年から成長して、すっかりタフガイになっています。これまでの3作のターミネーター・シリーズは、(『ターミネーター2』以降は)有る意味ターミネーターが主役で有ったりするわけですが、この作品は全く違います。成長し、たくましくなったジョン・コナーが主役です。

物語上非常に重要な役回りなのが、サム・ワーシントンが演じているマーカス・ライト。“彼”は、敵なのか味方なのか。この頃の主要なターミネーターはT- 600の様で、マーカスはその後のモデルT-800のプロトタイプとも言えなくも無いと思うのですが、彼の作られた目的は少し語られるのですが、T- 800との関係性の辺りのことはあまり詳しくは語られません。そもそも、ターミネーターと“動力源”が違うとも言うんですが。

最初の『ターミネーター』に出てきたカイル・リースの若かりし頃を演じるのは、アントン・イェルチン。最初の『ターミネーター』でカイル・リースを演じたのはマイケル・ビーンなんですが、アントン・イェルチンは何となくマイケル・ビーンに似ているような感じもしますね。まぁ、雰囲気がうまく作れていると言うことですかね。

『3』までのターミネーターでは、あまりメッセージ性は感じなかったのですが、この『4』で初めて、物語にメッセージ性の有るテーマが設定されたような気がします。「機械と人間の違い」と言うか、もっと言うと「人間とは」と言うことでしょうか。マーカスの存在が、そのメッセージに重要な関係が有ります。全身のその殆どが機械であったとしても、マーカス・ライトには「人間の心」が有ると言って良いのではないでしょうか。って言うか、“彼”は機械ではなく、“ 人間”であると言うことなんでしょうね。そう言うメッセージが明らかであるという意味では、ターミネーター・シリーズではかなり異色だと思います。

ターミネーター・シリーズでは、『ターミネーター』と『2』はジェームス・キャメロンが監督ですが、『3』はジョナサン・モストウ、そして今回の『4』はマックGと、監督が替わっているので、物語の一貫性を保持するのが困難なのではないかと思うのですが、比較的良く保たれている方なのではないでしょうか。

物語の後半に、T-800のシュワちゃんが出ているのは見もの。って言うか、どうやって合成したのか? あ、それと、ターミネーター・シリーズでお約束のセリフ「I'll be Back.」は、本作品でもジョン・コナーの言葉として受け継がれています。

ドンドン・パチパチばっかりだったこれまでのターミネーター・シリーズとは一線を画します。きちんと物語になっている作品です。少し重いかもしれませんが。

勝手な評論家