「I'll be Back!」ターミネーター4 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
I'll be Back!
自ブログより抜粋で。
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前半のストイックな近未来戦争ぶりは超大作の名に恥じない出来栄えで、なかなかの見応え。
めくるめくビジュアルは言うに及ばず、普段はそれほど気にすることのない音響効果もかなり凄くて、しょっぱなから度肝抜かれた。
スカイネットがなんでカイルのことを知ってるのよっていう突っ込みどころもありはしたが、まあその程度なら脳内補完でしのぐさ。
そんなこんなで、予告編でネタバレしちゃってるマーカスの正体が明かされる中盤までは良かったのよ。
「I'll be Back(戻ってくる)」や「Come with Me If You Want to Live(もし、生きたいのなら俺と一緒に来い)」といった超有名なセリフがやっぱり出てきたのも嬉しかったし。
ただ、終盤に至るにつれ、なんだかご都合主義な展開が増えてグダグダになっていったのが残念でならない。
ネタバレしない程度に申しますと、あんた(=某キャラ)、マーカスの正体を知った上でそんな安易に信用するって、とても抵抗軍のすることじゃないよ、とか、ここでこんな派手なドンパチやってたらあっという間にスカイネットに所在を突き止められるとか心配しないのかよ、とか、マーカスさん、どうして自分がそんなことできるの知ってんのよ、とか、スカイネットってなんでそんなに饒舌なのよ、とか、そんなくっちゃっべってる暇があったらマーカスの行動を止められたでしょ、とか、そんな間近で核爆発を引き起こすって正気の沙汰じゃないよ、とか、もうね、気になりだしたら次から次へとアラが目についちゃって、緊迫のクライマックスが滑稽に見えてしょうがなかった。
どうにもシナリオの煮詰め不足の感が否めないのよ。
ご都合主義以外にも、『ターミネーター』シリーズ旧作品へのオマージュはいいとしても、マッドマックスな核戦争後の世界観とか、エイリアンな潜水型ターミネーターとか、マトリックスなスカイネットとか、どこかで観たようなシーンがやけに多いのもアイデア不足の露呈と感じた。
これまで殺人マシーンや殺人対象を守る者たちが“未来から来た”のに対し、今作ではマーカスを“過去から来た謎の男”として登場させたのは面白いかなと思っていたけど、それもまったく活かされない思いつきだけの設定。別に過去から来る必要まったくなかったんだもの。
まあ、あれこれ不満はありつつも、ド派手なCG映像やアクションシーンは最新の大作らしい文句なしに素晴らしいものでした。
新シリーズの幕開けとして、これから誕生するであろうジョンの子供や、今後活躍しそうな口のきけない少女スター(ジェイダグレイス・ベリー)、これで終わったとは思えないセレーナ・コーガン医師の思惑など、伏線になりそうな点はいくつもあって、きっと作られるはずの続編もまたまた楽しみ。
そういうわけで、締めは当然、I'll be Back!