「8 1/2のグイドより苦しんでた」NINE talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
8 1/2のグイドより苦しんでた
8 1/2(1963)のグイドは40才、NINE(2009)のグイドは50才。ダニエル演じる50才グイドの方がずっと苦しんで辛そうだった。それでも女好きの男をやらせたらピカイチなのがダニエル・デイ=ルイス(私にとっては)。猫背気味(上手い!)、細いネクタイ、小型車運転していつでもサングラスのグイドが、山ほどのスーツケースを運ばせてやってきた真っ赤なスーツの愛人ペネロペを(びっくりして)二度見するあの表情は最高だった。
豪華絢爛な女優陣の中で、マリオン・コティヤールが歌うシーンは2回ある。彼女の苦しみと寂しさが強烈に伝わる歌が素晴らしく胸うたれた。瞳の美しさと可愛らしさはジュリエッタ・マシーナだった。
8 1/2と同じで、大人になっても中身は子どものおっさん。妄想の中でマンマに問いかけ、現実では衣装デザイナーのリリー(ジュディ・デンチ)にいい子いい子してもらう。大人ぶらず潔く正直でいい。これをきちんとフェリーニから踏襲しているからNINE、OK!
曲は"Cinema Italiano"も好きだけれど、"Be Italian"がステレオタイプでありつつグイドそのものをちゃかして挑発している感じでとてもよかった!頭から離れない!
おまけ
グイドが記者会見から逃げて向かったベラヴィスタ・ホテルのフロントマン、多分今、活躍しているイタリアの俳優さんだと思う!
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