「想像力と女性の関係」NINE xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
想像力と女性の関係
チャールズ・チャップリンは共演した女優が好きになって、すぐ結婚してしまったと言います。
そうなんですよね。
天才的な才能は時として、普通には(一般常識では)考えられない行動をするってこともある。
それだけ、自分を追い詰めて作品を創っていく。だから、その方向で共鳴した同士として、そして、自分にない異性に安らぎを求めてしまう。
これはそんな過酷な世界を経験したものしかわからないと思います。
そんな意味でこの映画はスタイリッシュではなるけれど、人間の本質に迫った映画でもあると思うのです。
母親やスタッフ、妻と女優。グイド監督を巡る女性はいるけれど、彼は一人として軽く扱っていない。そのときの全身全霊をかけて、愛しまくる。
そこには手抜きがないのです。そのあと、罪悪感は強く残るのですが。
だから、僕はグイドを許したいと思う。
特に、二コール・キッドマンとのシーン。
撮影現場においては、監督ー女優の関係は、時としてそれを超越した関係になってしまう。そんなふたりの心根が、二コール・キッドマンのアルトで歌われるバラードに表現されていたように思うのです。
この映画に賛否両論はあるでしょうが、クリエーティブの最前線を描いた作品として僕は評価したいと思います。
コメントする