Dr.パルナサスの鏡のレビュー・感想・評価
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監督vs.観客の奇妙なギャンブル
【監督vs.観客の奇妙なギャンブル】 考えてみればおかしなこと。 作り物の映画を観に来て「なんか作り物っぽくてつまんない」と不満げに帰っていき、しかも、懲りずにまた劇場に来る人種なのだから。私たち映画ファンは(^^;)。 さらにときどき、ニセモノの人生に本物の涙を流したり、本物の笑い声をあげたりする。「やられた/負けた」とつぶやいて。 Dr.パルナサスは、想像で作り上げたファンタジーワールドに人々を招き入れ、想像力こそがあなたの人生をより良きものにすると説く。自分のイマジネイションでたくさんの人を救おうとする彼は映画監督の化身。 パルナサスにつきまとう黒い影。 想像力など必要悪=贅沢品に過ぎず、所詮は一時しのぎの清涼剤とうそぶき、現実の生々しいインパクトの前には吹き飛んでしまうよとせせら嗤う悪魔は、私たち観客そのもの。 パルナサスは素晴らしいイマジネイション世界=映画で、悪魔を感服させようとやっきになる。自分の健康や、愛する家族の生活を担保にして賭博にのめりこむ。でも、持ち前の癇癪やワガママをついついぶちまけてしまい、いつも映画を壊してしまう。 パルナサスはいつまでも悪魔を降参させることができない。 一方、悪魔の目的は、勝敗をつけることではなく、賭けをなるべく長引かせること。ときどき勝たせてやったり、1000年の寿命を与えて「さらに俺様を悦しませろ」と仕向ける。 不躾で浅慮。監督の気苦労などおかまいなしに、新作映画をせびり続ける"たかりや"なのだ。 この蜜月なギャンブルに、私利私欲で頭がいっぱいのプロモータが絡んできて「もっと大衆にアピールできるようモダンに!」とテコ入れを提案し、パルナサスの娘に媚薬を嗅がせ・・・・・この攻防も秀逸。嘘つきは嘘をつかれるのに弱い。 ラストシーンで彼らが浮かべる表情、もう最高だわ。みんなにみてほしい(笑)。 ひどいなぁギリアム、私ら、悪魔ですか(^^;)。 いいでしょう、そっちがその気なら、生涯付きまとってやりますよ。 あなたの周りをね。 ほれほれ、ドンキホーテ早よw 「このお話はハッピーエンド?」 「まったくお約束できませんな、マダム」
大風呂敷広げて、これから面白くなりそうというところで失速。意外に教訓的。
諸星氏の『暗黒神話』に匹敵する世界観を期待したけど、教訓映画?になっちゃった。グリム童話だってもっと多義的で生活に根付いた寓話なんだけどな。 しょせんは一神教の世界の方が作られた映画。 悪魔との賭けにまつわる物語。そして鏡の向こうは、鏡に入った人の欲望が展開し、欲望に負けるか、欲望に翻弄されずに”正しい”選択ができるか、善か悪かというニ者選択の二面性しかない寓話。 世界はもっと多義的なんだと思うんだけどな。残念。 心の内面を映し出すと言うので楽しみに観たが、結局、欲望に負けるか、勝つかだけの選択。 心ってそんな単純なものではなく、重層的。フロイトやユングの夢分析だって、ニ重三重の多義的な意味がいろんな顔して現れる。意味を掴んだと思えば、たちどころに姿を変えて別の顔・層・面を含んで表れる、というように。 確かにね、日々の”選択”が人生を形作っていくのではあるが、物語的には単純な展開になってしまってつまらない。あの時の選択が数年後意味を持って再び目の前に現れるなんて良くある事だのに。選択しないでおく”間”というのは西洋文化にはないのかな? 拝火教+仏教の導師と悪魔を出してきて、壮大な世界観を展開するのかと思ったら、アレレ? トリックスター(他のサイトの、あるレビューではタロットカードの「吊るされる人」を重ねていた)のトニーを絡ませて、どんなふうに話を膨らませていくのだろうかとワクワクさせておいて、アレレ?ヒース氏が亡くなったからかしら? そして特に後半、突然のなにそれの展開…悪魔の提案(ネタばれになるので詳しく書きません)。このあたりから物語が精彩を欠く。たんなる教訓物語になってしまって面白くなくなった。 ドタバタ人間があがいてみても、しょせんは全て悪魔の手の内の中ということなのかな?(孫悟空がお釈迦様の手の中で暴れたようなもの?) 現実世界はセピア系の、欲望の世界はポップな色調でまとめられている映像は見応え抜群。三月兎の世界かくやという感じで面白い。 リリー・コールさんはある場面では人魚?セイレーン?という怪しさ満載だし、悪魔役のトム・ウェイツ氏もいかにもという悪魔を醸し出している。婦人の心の中の世界は、ゴージャスそうでいてのチープ感やコブラの悪魔の顔とか秀逸。 反面、拝火教と仏教の説話を混ぜている?という場面はあまりにも陳腐。後半の崖崩れや砂漠もやっつけ仕事?いろいろとファンを楽しませるネタは出してきているけど、前半はもっと凝っていたような…。 トム・ウェイツ氏とか役者を揃えているのだから、もう少し役者で見せてほしかった。ヴァーン・トロイヤ―氏も何気にいいアクセントでした。 それでも、繰り返しますが、映像の美しさは観る価値あります。サーカスのような馬鹿馬鹿しさに魅かれる方ならハマると思います。
夢の世界
人の頭の中を可視化したら、こんな感じなのかな。その人の好きなもので占められ、悪いものは排除される。だけど、最後の方は夢だか現実だか、よくわからなかった。何を描きたかったか、ピンと来なかった。残念。
悪魔は招かれぬ所へは出向かぬ紳士である っていうリンカーンの名言が...
悪魔は招かれぬ所へは出向かぬ紳士である っていうリンカーンの名言がありますが、 まさにそれやな!と頷ける映画 何より魅力的で偉大な俳優ヒースレジャーの遺作 撮影中に急死したヒースの代役として起用されたのは、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人 監督は代役にヒースの友人だった俳優しか起用する気はなく、身内だけでやりたかったと言い、 トムクルーズからの代役オファーもあったらしいけど彼はヒースと親交がなかったとの理由に断っている。 私的には申し訳ないけど、 映画の内容よりこのバックボーンの方が色濃く気になってジーンと来てしまう…
ゼロの未来も意味不明だったけどあの世界観はすごく好きだった。 けど...
ゼロの未来も意味不明だったけどあの世界観はすごく好きだった。 けど今作はなんだこれ。 なんだこれ映画なのにキャストが豪華。 理想や欲望を写す鏡だということは理解できるし内容も理解できる。 それでもなんだこれって感じの映画。 ゼロは鬼才、これは奇才
ヒースレジャーの遺作として有名ですよね。公開当時劇場で観たけど、そ...
ヒースレジャーの遺作として有名ですよね。公開当時劇場で観たけど、その頃の私には難解すぎて理解できなかった。ただ、目の前で演じている俳優さんがもうこの世に居ないってことが不思議だったなー。再鑑賞してみて、ようやくお話が頭に入ってきたけど、トニー役をヒースレジャー亡き後3人の俳優さんで演じていて、なんとか作品を完成させたんだなーとその当時の苦労やら、悲しみやらをあらためて感じながら鑑賞。
悪魔は想像より残酷じゃなかった、と思う。
何か、悪魔は酷くないような気がしました。それとも、永遠の命を保証し続けることが残酷ってことなのかな。娘は助かって、悪魔との掛けも無しになったし。ヒースレジャーが亡くなったから、他の俳優が演じてるのか、色々と分かりづらかったです。
美的感覚が刺激される
ストーリーはどこまでもファンタジックで不可解な部分もあるけど、何かにとりつかれた男を執拗なまでに突き詰めて描いている。その点はいつものテリーギリアム。 いつもながら美術が素晴らしく、安っぽく見えるとこも、幻想の儚さを思わせる。 役者もそれぞれキャラが立っていてそれぞれに感情移入できる。 楽しんで見られる一本。
奇妙な物語
たっぷりの豪華キャスト。だが、そこは主旨ではない。 個人的には中盤以降の怒涛のファンタジーに頭がついていかなかったが、後半面白かった。 気合入れてみないとなかなかすぐに別展開になるが、ファウストみたいな内容で小難しいが観る価値あり。
豪華キャストで上質なファンタジー作品
Amazonプライムで鑑賞。 特に期待せずにみたら意外に面白かった。 主役級の豪華俳優による一役三人という面白くも贅沢な使い方。 独自の世界観と映像のファンタジー。 ファンタジーと言えば、思い切りおとぎの世界の子供向けか、あるいはダークファンタジー系のどちらかに触れることが多いが、これはどちらでも無い。 人間の欲求、生き様を現すパルナサスの鏡(パルナサス博士の想像力の世界)は奥深く、大人が見ても充分に楽しめる作品に仕上がっていると思う。 こういう上質なファンタジー作品がもっと出てきて欲しい。
何月観ても飽きない!好きな作品!
この作品もダークナイトのジョーカーも そもそもヒースレジャーを知らなかった頃に観たから期待もなにも前情報もないまま観たから 素直に素敵な作品だなって感じました パラレルワールド調で観ていても次から次へと展開されていくのでワクワクしました アンドリューガーフィールドが弱い役だったからスパイダーマンに抜擢されたときは 受け入れれなかったなぁ(;・ω・) とにかくこの作品だいすき
よくあるファンタジーは現実世界ありそうでない、あったらいいなと思う世界
この映画は本物の想像空想の世界
人の心理が試されるような
人間は自分勝手な生き物
失敗したと思った時にはもう遅い
取り返しのつかないところまで来てしまっている
トニーが鏡に入った時3度顔がかわるのは自分で自分を騙しているから?
自分の欲を一番理解していて制御してるから?
話の内容があっちこっち動くから趣旨が分からなくなってしまう
キャストが豪華
退屈なの…
テリー・ギリアムの映画は絵は綺麗だし、雰囲気あるし 面白い映画もあるので、一応期待してみるのだけれど… やっぱり大前提は娯楽として見るわけだから、 最低限最後まで退屈しないで見れる工夫が欲しいわけです。 そういう意味で…本作はかなりきびしい。
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