ダークナイトのレビュー・感想・評価
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ひさしぶりに観たいと思った映画
予告編で聞いたジョーカーの笑い声で、ヒース・レジャーの演技が観たくなり、久しぶりに映画館へ行った。
ヒースの演技も見応えがあったが、私はゲイリーオールドマンの演技にやられた。
レオンからは、キレた役ばかりが印象に残っていたのだが、普通人の演技(特にデントに会う最初のシーンでの演技(しぐさ))が見事だった。
この映画は、(タイトル通りダークな)ストーリーも良いが、名脇役の演技を見るのも楽しい映画だと思う。
楽しかった!!!
ダークな魅力を放つ傑作
今回は前評判とレビューを見渡して作品の形をある程度想定して見に行ったつもりでしたが、完全にその想定を越えた広さと深さを持った作品でした。
正義も悪もダークな色に沈み込み、判然としない世界にわたし達は放り込まれてしまう。登場人物それぞれが思い悩み、そしてその想い故に嘘をつく。
嘘は明かされない限り、その人にとって真実となる。
悲しいくらいに。
故ヒース・レジャー(以後ヒースと書きます)の名演技が評価されていますが、私はその中でもヒースの嫌らしいくらいの舌の動きに隅々まで行き渡った彼に演技の真骨頂を感じます。
むろん、目に色の深さも。
純色の悪は、その際だった純粋な色のためにむしろ魅力さえ感じます。
ヒースはそれを体現して見せた。
本当に惜しい人です。
ヒースに隠れていますが、アーロン・エッカートの演技も見放せません。
真の正義と己の信念のために自己犠牲をいとわない正義漢が、最愛の人を失って全てを見失って復讐の鬼と化す。
誰もが持ちうる素養であるために、彼の180度切り替わってしまう方向性にむしろ共感さえしてしまいます。
ダークナイトは正義と悪の狭間で苦悩するヒーローを描いています。
むしろ今回は悪を描いていると言って差し支えありません。
グレーゾーンの悪を。
我らがヒーロー、バットマンでさえその領域に踏み込んでしまっているのですから…。
それでも、この作品には光明があります。
真実を知り、暖かい目でバットマンの背中を見てくれている人の存在と、ダークに染まらない誠実さを真逆の位置づけの人々を通して描き出したのですから。
これは理想型です。
でも、いいんです。
朝日が差し始める夜明け前の一番暗い時、それが暗黒、「ダーク」なのですから。
why so serious?
長いし残酷。
今まで見たヒーロー映画の中では最高の悪役だ!!
キレとコク!
助演?主演?
あっという間の2時間半
2時間半の作品ということで、長さを覚悟して観始めましたが、
ヒース・レジャーのジョーカーに圧倒され、ぐいぐいと引き込まれ、
気が付いたらエンドクレジットでした。
タイトルに「バットマン」の文字が無いのは、これはジョーカーが
主役のスピンオフ作品だからかと錯覚するほどの、主役である
はずのクリスチャン・ベールもオスカー俳優のモーガン・フリー
マンも、彼の圧倒的な存在感の前にはかすんだ脇役にすら
見えてしまうほどの、鬼気迫る最凶の宿敵を演じたヒース・
レジャーの急逝が、かえすがえすも惜しまれてなりません。
ただし、ジュリア・ロバーツの兄とジェイク・ギレンホールの姉は、
本当にかすんでいましたね。エンドクレジットに見つけた小さな
小~さな「エディソン・チャン」の文字の方が、よっぽどインパクト
ありだったりして・・・(^ ^;
理屈っぽくって、しつこく長い戦いだった・・・
ダークでありながらも神々しい。
ティム・バートン版の「バットマン」も僕は好きだ。
ゴッサム・シティーの雰囲気は、どちらかというとティム・バートン版のほうがより、雑多な犯罪都市感が出ていた。
また、バットマンの造形もよく、バットモービルは素敵だったし、サントラもプリンスだったし。
しかし、ティム・バートン後の「バットマン」は完全に迷走。
キャラは続々と登場するも、実の無い話に終始、ドタバタコメディ、と化しており、「バットマン」ってこういうものなんだなと悪い意味で認知されてしまった。
それが残念でならない。
しかし、「ビギンズ」からは、全く姿を変える。
人物とストーリーを魅せる作品に大きく変貌。
新たな方向性を打ち出し、僕はこの方向転換を好意的に受け止めている。
これは、クリストファー・ノーラン監督に深く感謝せねばなるまい。
「善と悪」、もうこれはずいぶん前から幾多の映画で語られたテーマである。
「スターウォーズ」だって壮大な親子ゲンカでありながらも、ダークサイドに堕ちる人間を描いた物語だった。
しかし、本作では、この2つを今までに無い形で多角的に見せる、そして問いかける。
悪は悪でも法で裁けぬ悪を強大な力で制するバットマン。
しかし、法でコントロールされた社会における、その行為は、いわば悪でもある。そしてその強大な力は、それに挑むかのようにさらに凶悪な連中の出現を誘発する。今回はジョーカーがまさにそれ。
彼らはコインの表裏一体、呼び合うように生まれ、相対する。
バットマンは、そのジレンマに当然の如く悩み、ジョーカーはそこに「カオス」を注入する(本作のジョーカーは、この「混乱」への煽動が非常に巧みで、映画史に残るであろう熱演)。
この、スパイラルから抜け出すにはどうしたらいい!?
あえてイバラの道を進むバットマンは、まるで十字架を背負ったキリストのようであり、正義のため、理想の社会を作るために敢えて泥をかぶる。
悪を制するはずの力が、結果的により強大な悪を生み出すという善悪の発生原理。
禅問答のように、答えが見えるようで見えない、十字架を背負ったバットマン。
これを152分、延々と見せる。
そして観るものに考えさせる。
監督なりに禅問答の答えは一応提示はしたが、まだまだ続くと思われるラストに今後もメガホンをとってくれ、と願う。
そして、サマームービー、アクション大作を期待したお客さんは大きな肩透かしを食らうだろう。
もちろん、大きなハズレは無いのだが、本作はアクションで楽しむ映画ではなく、ストーリーの浮遊感、ジョーカーにより巻き起こされる「混乱」に身をゆだねる作品だから。
最凶で最高の悪役☆
噂通り
バットマンシリーズは前作の「バットマン・リターンズ」しか見てなくて、「ダークナイト」もあまり期待はしてなかったのですが、今回は凄く面白かった(惹きつけられた)です。
アメコミでのジョーカーがどのように描かれているとか、ジャック・ニコルソンのジョーカーがどのようだったのかとかは全く知りませんが、本作でのジョーカーは冷静でありながら狂気じみてるという感じと無邪気な残忍さという印象を受けました。
小さい子どもが時折見せる残忍さがそのままジョーカーにあるような感じがしたのです。だからこそ怖いという感覚でしょうか。
ストーリーも勧善懲悪でないあたりが見ごたえがあると思います。
演出も派手なところもありますから是非劇場で見るべき作品だと思います。
正義のヒーローは?
ナースでも怖いヒース。
多分この続編を観るときに一番目を引くのは、彼、
つい先頃亡くなったH・レジャー演じるジョーカーだと
思うんだけど、これが見事にハマっていた!!
J・ニコルソンが演じた頃の笑えるキャラクターではなく、
そのメイクと風貌は、不条理な恐ろしさを湛えていた。
ここまでの役作りを完璧にこなした彼は素晴らしいし、
記憶に残る名演技だったけれど、ふと思ってしまったのは
この役作りで精神的なダメージはなかっただろうか、と
余計な心配をしてしまった。それほど見事だったからだ。
迎え撃つ二人の騎士、黒C・ベールと白A・エッカートも
それぞれの役どころを完璧に演じ、かなり観応えがあった。
だけどこの三人が上手ければ上手いほど、捉えようのない
ジレンマと究極の選択が心臓をグイグイと締め付けてきて、
長い長~い(延ばした?)上映時間の間、力が入りっぱなし。
実に観応えがあるうえ、実に疲れる作品でもあった。。。
ほとんどがロケにこだわった撮影、ゴッサムの陰鬱な街並、
さすがにダークな場面が多く、たま~に洋上のシーンなんか
出てくると、ちょっと目が休まったり…(爆)
また、執事M・ケインの的確なサポートやアドバイスに感心、
フォックス役M・フリーマンの夫唱婦随的な動きも素晴らしく
楽しめるシーンもあるにはあるんだけど…やはりダークだ(=_=)
レイチェルの選択には「?」が残るものの、でも彼女は…。
原作もあのままなんだろうか。何かやるせなさが残るなぁ。
M・ギレンホールも好きな女優なんで良かったけれど、
一作目のK・ホームズと比べると、かなり落ち着いた感じ?
嬉しいチョイ役(!)K・マーフィとW・フィクトナーは
すぐに分かったけれど、E・ロバーツぜんぜん分からず…^^;
あ、でもいちばん驚いたのはエディソン・チャンだな(爆)
豪華なキャストと長~い構成をリアルに纏めあげた監督の
今作品に対するカラーはだいたい決まった感じ。
でもやはり、ヒースの演技がいちばん闇夜に映えてます。
(デントで番外編が作れそう。B・モービルがもっと見たい!)
ヒースの遺作に相応しい作品。
映画撮影直後にジョーカーを演じたヒース・レジャーが急死した事で、話題性が増したクリスチャン・ベールのバットマン第二段。ゴッサムシティーに、平和は来るんでしょうか?
確かにヒース・レジャーの死によって本作品に対する注目が増した事は否定しませんが、そうでなくても、彼ヒース・レジャーのジョーカーは、鬼気迫る演技です。嘗て、ジャック・ニコルソンもジョーカーを演じた事があり、彼のジョーカーも秀逸と言われましたが、ヒースのジョーカーもキテます。撮影直後の死と言う悲劇性ともあいまって、非常に怖いジョーカーに仕上がっています。凄いです。エンドロールに、ヒース・レンジャーと、こちらは撮影中に無くなった特殊効果技師のコンウェイ・ウィックリフに捧ぐと言うメッセージが流れます。
他方、主役のクリスチャン・ベールも、日本へのプロモーション直前に、家族への暴行事件で警察に逮捕されると言うプライベートの件で話題になりました。日本でのプロモーションツアーは、ピリピリムードだったらしい。もっと、映画の本質的ところで話題になって欲しいですね。
それにしても、とにかく人が死にます。「えっ?!」と思っているうちに、結構、重要なポストを占める登場人物が死んでしまいます。これにはビックリ。アメコミなんで、甘く見ていました。これは、アメコミの領域は超えていますね。きちんと脚本が描きこまれている印象を受けました。ただ、152分という非常に長い物語なので、本質的に何が言いたいのかがちょっと分かりにくかったです。特に前半。残り60分くらいになってから、漸く話が判ってきました。って言うか、動き始めました。そこまでは、単にゴッサムしティーの混乱を描いていたような気がします。もう少し、コンパクトにならなかったんですかね?
何れにしても、中々見応えがあります。アメコミ映画と侮ってはいけません。深いです。そして、(ちょっと)暗いかな。次回も期待ですね。
コレは、凄いわ!
クリストファー・ノーラン監督による、“バットマン・シリーズ第2弾”。『アメリカでの興行成績が、トンでもないことになっている』とか、『ヒース・レジャーの遺作になっちゃった』とか、日本公開前から随分ニュースが飛び交っておりましたが、果たして映画そのものの出来は?期待と不安を抱え、先行に行ってまいりました。
何とも凄まじい映画です。『重い、暗い、救いがない!』映像とストーリーが、スクリーンで延々と繰り広げられます。『正義は勝つ!』等という、生易しいモンではございません。上映時間2時間32分!然るに吾輩、全く『長い!』とも『苦痛だ!』とも感じませんでした。それよりも、もお最初から最後までスクリーンに釘付け!話が進めば進むほど、どんどん惹きこまれていってしまいました。まあ何よりヒース・レジャーが素晴らしい!白塗りメークで殆んど『あんた、誰?』状態のとんでもない悪役を、全身全霊込めて怪演しております。ジョーカーと言えば、これまでジャック・ニコルソンでしたが、そのイメージは本作でモノの見事にふっ飛びます。繰り返しになりますが、素晴らしい!『オスカー候補に!』という声が上がるのも、納得です。それだけに、若くしての急逝が、本当に惜しまれます。残念です(合掌)…。
今回、ジョーカーが凄すぎますので、バットマンも含めた他のキャラは、非常に影が薄~いです。特に前作(「バットマン・ビギンズ」)のケイティ・ホームズからレイチェル役を引き継いだ、マギー・ギレンホールは、非常に損していると思われます。恐らく前作と役者が替わってることに気付く人は少ないんじゃないかと思われますし、事実それだけのインパクトは残りません。しかもヒロインが、あんな形(驚!)で映画から退場してしまうなんて…、吾輩、想像だにしませんでした。ムゴい!何ともムゴい!かつてシリーズ映画で、ここまで残酷なストーリーが存在したでしょうか?あ~あ、ムゴ過ぎる!!
この映画、単なる“アメコミ・ヒーロー物のシリーズ作品”という気軽な気持ちで観に行くと、ちょっとエラいことになると思います。少し心の準備をしてから観に行かれることを、お薦めします。決してダメな映画だと言ってるわけではございません。むしろその逆で素晴らしい仕上がりの1本です。この夏の洋画大作群の中で、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」が“陽の大作”とすると、この「ダークナイト」は“陰の大作”だと言えると思います。しかも“陰”の方が、パワーがありそうな気がします。
全418件中、381~400件目を表示









