「娯楽性と作家性を両立させた稀有なハリウッド映画」ダークナイト ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)
娯楽性と作家性を両立させた稀有なハリウッド映画
まず、この映画の凄さをしっかりと言語化できない自分の文才のなさに嫌気がさすが、敢えて陳腐な言い方をすると、「ダークナイト」は、娯楽性と作家性を両立させた稀有なハリウッド映画だった。これはイギリス出身のクリストファー・ノーランの資質によるところが大きいだろう。
映画を観る前は、2時間32分という上映時間は長すぎるのではないかと思っていたが、なんのなんの。次から次へと繰り広げられる怒涛の展開に、観客は息を呑むしかないし、まるで自分がゴッサムシティの市民になったような気分になるだろう。不慮の死を遂げたジョーカー役のヒース・レジャーの話題ばかりが先行(実際凄いのだけど)しているが、最大の功労者は妥協することなく、自分が思う「バットマン」の世界観を実現化させたノーランだろう。これだけ素晴らしいクオリティの作品を見せられたら、次回作に期待するなって方が無理だ。
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