「【”絶対的悪”が、”正義・規則”の柵に悩まされる”善”を凌駕していく・・。 ”幾つかの死の二者択一” エンターテインメント作品でありながら、形而上学的レベルにまで昇華した超弩級三部作の最高傑作。】」ダークナイト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”絶対的悪”が、”正義・規則”の柵に悩まされる”善”を凌駕していく・・。 ”幾つかの死の二者択一” エンターテインメント作品でありながら、形而上学的レベルにまで昇華した超弩級三部作の最高傑作。】
■近年の映画で、”絶対的悪”としての強烈なインパクトで人気を誇るキャラクターといえば・・・
1.「羊たちの沈黙」の”レクター博士”
2.「スター・ウォーズ」の”ダース・ベイダー”
・番外編 「シャイニング」のジャック・ニコルソン・・じゃなかった、ジャック・トランス
そして、今作の”ジョーカー”(故、ヒース・レジャー)であると、私は思う。
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■ダークナイトとホワイトナイトとジョーカーの関係性
・今作の主役は”暗黒の騎士、ダークナイト”でも、”光の騎士、ホワイトナイト:ハービー・デント”でもなく、”ジョーカー”であることは、明白である。
そして、彼の存在が”ダーク&ホワイトナイト”の苦悩や存在意義を見事に浮かび上がらせている。
・ジョーカーが、幾つかの場面で”究極の選択”をバットマンや市民に突きつける場面。そして、ジョーカーの狡猾な企みにより、恋人レイチェルを失った後、狂気の側に落ち、トゥー・フェイスとしてコイン・トスを繰り返しながら、報復を重ねていく光の騎士、ホワイトナイト:ハービー・デントの姿。
”人間の良心なんて重力と同じ。バランスが崩れれば、落ちるだけ・・”というジョーカーのセリフが響く・・。
■ジョーカーを演じた、故ヒースレジャーの魅力
・ジョーカーの常軌を逸した言動、行動、そしてあの風貌。だが、冷静で狡猾な頭脳。”絶対的悪”として、申し分のないキャラクターである。
そのキャラクターを演じた故ヒースレジャーの、金切り声から、凄みを帯びた低音までの声域の極端な使い分け方。そして、操り人形のようなギクシャクした動きと、落ち着きのない身振り手振りが、底知れぬ恐ろしさを見事に表現している。
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■クリストファーノーラン監督がCGを極力使わないことは有名。今作でも、
1.ダークナイトを庇うために、自らがバットマンだと記者会見で言い放ち、護送されるハービー・デントが乗せられた護送車を執拗に追う、ジョーカーが運転するタンク・ローリーが前転するシーン。
ーこの前に、ジョーカーの動きを阻止するために、ダークナイトがバットモービルを運転し、クラッシュしたバットモービルからバットポッドというオートバイタイプの乗り物に乗って再びジョーカーを追走するシーンも楽しい。-
2.ジョーカーがゴッサムシティ病院を爆破するシーン。起動ボタンを押し、途中で爆破が止まり”アレ?”という表情で起動装置をカチカチいじるジョーカーの姿。そして、建物が全崩落する風景を後にヒョコヒョコ歩き去るジョーカーの姿。
・クリストファー・ノーランに言わせると、”CGより安い”のだそうだ・・。本当か!。
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<追い詰められたゴッサムシティの人々が乗り込んだフェリーと囚人達が乗り込まされたフェリーに送り届けられた相手の船の爆破装置。究極の選択を迫られた乗客たちの選択。
序盤からラストまでの152分を一瞬の緩みもなく、常に高いテンションを保ち、二転三転するストーリーテリングとカメラワークで一気呵成に見せ切るクリストファーノーラン監督の手腕には、脱帽するのみである。>
<2008年8月 劇場にて鑑賞>
<2012年8月 他媒体にて再鑑賞>
<2020年7月 劇場にて4DX/2D版鑑賞>
NOBUさん、これは4DXで観ようと思っていたのに、バットマンシリーズを順番に観ていざっ!て思っていたら、、、上映終わってしまった💦なんて愚かなんだ。
NOBUさんへ
俺の中では「レクター」と「トリロジーのジョーカー」が双璧ですが、彼らの「恐怖と絶望を食べて生きてる」と言う唯一無二の狂気を、上手く言い表す言葉を思いつきません!絶対的な悪より、更に深い悪なんですよねぇ。まさに悪魔なんですが、それもちょっと違う様な…
4DXとIMAXを見たんですが、これはIMAXの方が迫力ありました。個人的には、TENETもIMAXで決まりです!