「濃い味スルメ映画」第9地区 えらさんの映画レビュー(感想・評価)
濃い味スルメ映画
劇場で2回、金ローで1回、昨日DVDで2回目を鑑賞しました。
やはり、独特の雰囲気を持った作品ですね。だから好きなのですが。普段見ない土地に普段見ない宇宙船が浮いてるので、絵面だけでもう楽しい。これぞSF、これぞ映画という感じです。朝昼夕晩と色々な時間に宇宙船を映してくれるのも嬉しい。この宇宙船の描写もほんとリアル(?)というか、実際に遠くから巨大な円盤を見たらこんな感じなんだろうなと思わされました。
内容については、まず掴みがスマートだなあと思います。ドキュメンタリータッチやニュースの映像にインタビューを交えつつ現在の人間と宇宙人、対応するMNUの状況説明を行い、同時にその後に起こる何かについてそれぞれの意見を言わせ我々の興味を持続させるという。
僕初見の時は前情報一切無し(メインビジュアルが面白そうだっただけ)で見に行ったので病院のシーンは
「!( ゚д゚)?」みたいな
見たことないけどザ・フライみたいだなーとか思ってました。こういう映画かよ?!って。確か触れ込みでもこの肉体変異の件は一切触れられてなかったです。知らずに見たグロ耐性ない人はキツかったろう。僕もある方じゃないので今でも若干キツいですが。
でドンパチやり始めた時はまたこういう映画かよ?!って思ってしまいました。ぶっちゃけ大分混乱してましたね。楽しみ方がわからないというか。だから1回見た後は茫然自失でした笑
でも、何かすごい!こんな映画見たことねえ!っていうエネルギーのようなものを感じて2回目見に行って、やっぱり痛そうなシーンにはハラハラしつつ楽しめました。楽しむポイントがわかってきたというか。
この映画、某U丸さんの言うような差別云々の仕組みも言われれば見事だと思うけど、やっぱり単純に熱い。ただの小役人型会社員がひょんなことから事件に巻き込まれ、自分も虐げられる立場に周り、最初は自分の利のため足掻くけど最終的に他者(他エビ)のために戦ってギリ勝つ!ほら熱い!
ヴィカスとクリストファー見てるとどっちが人間でどっちが宇宙人なんだかわからなくなってくるんですよね。精神的には明らかにヴィカスのが下劣という皮肉。
メカニックの描写もたまらんですね。ヴィカスがエビの銃をギャングのアジトで握った時の銃のアクションとか、何と言ってもパワードスーツなんかもう最高じゃないですか。あと司令船のUIも近未来的でクール。この監督はエリジウムでもその方向で好き勝手やってくれてるっぽくて嬉しいです。
やっぱりラストシーンは美しい!僕も初めはこれで終わり?と思ったりもしましたが、見れば見るほど、考えれば考えるほど良いラストだと思います。切ない。続編はやって欲しいような欲しくないような…
評価は別れるかもしれないけど見る人には前情報なしで見て欲しい!そして好きになる人にはどんどん好きになって行って欲しい個人的濃い味スルメ映画です!触手を向けるな!