「エビを見る度クリストファーが。」第9地区 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
エビを見る度クリストファーが。
これ元々何の映画だろう、と思っていたのだった。
エイリアンが出てくるからSF?でも金がかかってない?
え、なんでそんな作品がアカデミー賞にノミネート?と、
?だらけの作品。いや、これは、観てみませんと!ね!
間違いなく、エビに温かい眼差しを向けたくなります。
新人監督N・ブロンカンプ。いい味出してますねぇ。
独創的な物語、展開が早く、畳みかけるような語り口、
下らないかと思えば実に真面目な話でお笑いでもない、
SFを筆頭に、多ジャンルに属せそうなオリジナリティー
溢れる作品で、確かにデートムービーに向いてるか?
といえば言葉に詰まるが^^;逆にコレ観て何も感じない
カップルなら別れた方がいいんじゃないの?(爆)
さて、私観はおいといて。
差別、難民、国連の実態、アパルトヘイトを思わせる
その演出は、監督の実体験によるものなんだろう。
移民対策として第9地区に住まわせたものの、やがて
そこがスラム化。情勢の悪さから第10地区への移動を
強制?するためのエビお宅訪問。。確かにこの主人公、
ヴィカスはヨネスケばりに^^;終始快活な動きを見せる。
でも…とあるエビ宅で謎の液体を顔面に浴びてしまい…
ドラマの真骨頂はここから本領発揮!
そのエビ(通称クリストファー・ジョンソン)親子の造詣と
表情の切なさという涙ツボにハマり、半エビ化していく
ヴィカスとの熱い(?)連携プレーがかくして幕を開ける。
彼らの地味な願いは唯一つ。宇宙船を直して彼らの星へ
帰り、仲間の救出とヴィカスの人間復帰治療が狙いだ。
この期に及んでまだ自己中なヴィカスではあるが^^;
そこがまた、小さい人間の実態を正確に描いて見せる。
彼もクリストファーも妻や家族が第一、なのである(涙!)
いや、もっといえば、
ヴィカスを実験材料にして切り刻もうとする政府の
そのやり口にも呆然とする。彼もう人間じゃないんだし!
とばかりに彼を執拗に追いかける残酷さ。(義父め!)
監督の友人で頼まれたからって(爆)よくぞこんな難しい
役をほぼ独壇場で演じることができたS・コプリーには
クリストファーと並んで^^;惜しみない拍手を贈りたい。
アカデミー、誰か個人賞をあげようと思わなかったの?
というわけで。。
ラストはもっとすごいのが出るぞー(爆)R・スーツ万歳!
長々と続いた戦闘シーンのあと、フワッと微風のように
今作は幕を閉じる。ここがお見事。泣けてしまった~!!
もちろん私はヴィカスとクリストファーの約束を信じている。
(3年後に続編ができたり!?しない方がいいけれど^^;)