「エイリアンを通して描かれる差別と暴力。」第9地区 moon-yokoさんの映画レビュー(感想・評価)
エイリアンを通して描かれる差別と暴力。
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予告を見てから鑑賞。
なんとなく、昔見た V の印象が強かったが、全然違う話だった。
見た目に反して (優れた武器を持っていても) 相手を攻撃することなく、
異なる星の生物であることをわきまえ、なるべく、平和に接しようとする姿勢。
どんな粗末な扱いを受けても、バランスを重んじて、生きていく生物。
その一方で、見た目に反して、自分達だけが優れた生物だと思い込み、
非武装な相手に武器を向け、暴言を吐き、感情のまま、相手を殺す。
抵抗しない相手を「下」と考え「モノ」として扱い、実験材料とすることもある。
徹頭徹尾、上から目線の生物。
物語の中では、終始、この違いについて、感じさせる描写がある。
本当の意味で「汚い」のは、どちらのだろう。と考えてしまう。
「心理的な優位性」がもたらす「差別」が存在することを改めて感じざるを得ない。
主人公が自分のために助けてくれた相手を裏切るところがあり、
「人」の強欲さというか、追い込まれたときの人は試される。ということも感じさせる。
ラストのあのワンカット。あえて、何も触れられなかったが、
彼は己の運命を受け入れ、できることを精一杯やっているのだと思いたい。
そして、明日から何か1つでも良いので、善いことをしよう。
少しでも、良い生物でいられるよう行動しよう。と思ってしまう。
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