第9地区のレビュー・感想・評価
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前代未聞な傑作SFの影にあの名匠の支えあり
始まりは6分の短編だった。それもピーター・ジャクソン指揮下で企画されていた「Halo」映画化が頓挫した末、せっかくだからこのメンバーで何か撮ろうという流れで俎上に上ったのがこの短編の長編化だったというから驚きだ。ビジネスも映画も失敗をバネにして這い上がるところでこそ大きなチャンスが得られるのかもしれない。
特殊造形やVFXにおいてもジャクソン率いるWETAワークショップやWETAデジタルの技術力を取り入れて作り出された、この全く新しいドキュメンタリー・タッチのSFアクション。冒頭で様々な記録(風の)映像を駆使しながら宇宙船の到来や難民の受け入れ、スラムの形成、住民との軋轢などをスピーディーに織り成していくクレバーな構成も、ジャクソンによる指南を柔軟に取り入れた結果なのだとか。本作に関して彼の名が取りざたされることは稀だが、超大作を手がけた名匠と新進気鋭の若者による師弟コラボレーションこそが真の推進力となりこの傑作が生み落とされたのだ。
エイリアンの隔離
過去の出来事に関わっている人にインタビューをしたような話の補助のされ方がされていて面白い。
『僕にそのエビ爪を向けるな』『(あのエビなんかと)同じでたまるか』の言葉の中に含まれてる人種の違いで生じる格差を感じた。
そして1番面白いし部分はビィカスが感染したときに乱暴に袋に入れられ連れて行かれたり、写真を撮られたりいろんな実験台に使われたりし、最初とは違い『あのエビだけは打ちたくない』とこんなにも豹変するんだなと分かりビィカスの醜さよりもよりも地位が上の人達の他人事のように思っている現実に問題意識を感じた。
また『追われる立場』になったビィカス がエイリアンに図々しく助けてもらうストーリーで見てて面白い。また、現実世界でエイリアンが侵入した場合に社会がどんな動きを取るのかが映し出されているようなもので主人公がエイリアンサイドから見た社会で展開されているストーリーだからより問題意識を持ちやすいし、それは新しい視点の映画だった。
腑に落ちない
やかましいけど、納得できない事が多々あって個人的には消化不良な作品だった。
あの黒い液体は結局何なの? 出来てるならとっとと帰れば良いのに。
なぜクリス殴って司令船に乗ろうと思えるの? 何がなんだかわからないはず。
あのロボットを操れてしまうとこ等々
都合の良い映画は好きじゃない。
評価:3.0
予測不能な物語に惹き込まれる傑作SF映画
主人公ヴィカスが感染した辺りから、物語が急速に動きだして、すごく惹き込まれていきました。
人間を一撃で粉々にしてしまう程の銃や、ヴィカスがラストに使ったロボットもカッコ良かです。
あとはヴィカスとクリストファーの奇妙な関係。途中ヴィカスは裏切ったけど、最後には無事宇宙船に乗せて送り届けたのが、クールでシビれました。
人間と宇宙人という相反するコンビだからこそ感動した部分もありました。
ドキュメンタリー形式で、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とか『パラノーマル・アクティビティ』などのホラーとは違った怖さがあったのが良かったです。
難民エイリアンの居住区について・・・
久しぶりに見たけど、やっぱり面白い。確か、アカデミー作品賞の10本にノミネートされたと思うんだけど・・・
まず、このフェイクドキュメンタリーとでも言うんでしょうか?
インタビューや、レポートみたいな場面を切り貼りして、奇抜さを狙ったB級作品だと思ってたら、とんでもない!
エイリアンの難民というSFチックな面白い題材を実にうまく消化して、人種差別を織り交ぜた実に重い内容を描いているように感じました。
何処かの国で、実際に同じような扱いを受けている人達がいるんじゃないかと、考えさせられるような。
それから、エイリアンとの戦闘シーンが、またスゴい!
アーマースーツみたいなのまで登場して、ド派手な場面の連続です。そのうえ、エイリアンの超破壊的な武器が、また良いですね。人体粉砕、飛び散る血肉のグロいシーンのオンパレード!ホラー好きの自分ですから、このスプラッター描写も思いっきり楽しめました。
主人公のヴィカスがはめられていくところなんかも、思いっきりサスペンスしてました。
嘘の報道によって、人々から迫害されていく恐怖感。マスコミって本当に怖い。人々の洗脳なんて簡単にできちゃうんじゃないかなんて考えさせられます。
そんな中でも信じあう夫婦愛って言いたいんだけど、結局、奥さんとの会話から、居場所がバレたんで、もしかしたら裏切られてた?異型(姿かたちは変わっても)となっても、心の奥底でつながっている、真実の愛を信じたい気持ちはあるんだけど・・・う~ん。
その先には、さらに悲劇的な結末が待っているのに。
そしてエイリアンとの友情?信頼?往年のバディムービーの、切っても切れないキズナとでも言うんでしょうか。男同士の熱いつながりも良かったです。
それから、あのエイリアンの子供。こまっしゃくれた可愛らしさも、また魅力です。
思いつくままこの映画の素晴らしさを書きなぐってきましたが、本当に良かったです!大好きです! ただ、好みは分かれる映画だとは思いますが・・・
パワードスーツを来て戦い果てる
封切り時に見て依頼。ヨハネスブルグにエイリアンが来るということ以外忘れていたが、モキュメンタリーだったか。映像が、生々しさとメカメカしさの中間で良い。ガンダムとかエヴァの情けない版みたいな最後が、人間のしょうもなさと美しさがあってよかった。
現実だと錯覚するほど面白い。知的で胸をえぐられる。
今作はニールブロムカンプが監督、脚本を担当した初めての長編映画である。
初めてにして素晴らしい出来になった。
今作にはポイントや面白いところがたくさん隠されていたりする。
それを個別に自分なりにも解説していく。
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・驚愕のVFX
今作は視覚効果賞にノミネートされている。主にエイリアンと飛行物体を、VFXで作っている。だが、今作はドキュメンタリー風に始まるため、手持ちカメラのくすんだ色味の映像にする必要があった。くすんだ映像に視覚効果を加えるのはとても大変だったことだろう。だが、そのおかげでとてつもないリアリティを演出できているのだ。
・南アフリカでの「外国人嫌悪」
実際の南アフリカでは、スラム住宅地も多く、良い暮らしを求める人がたくさんいる。そこで、情勢が不安定なジンバブエから難民が良い暮らしを求めて南アフリカへと来たのだ。だが、南アフリカの人々も同じく良い暮らしを求めている。だから乱入してきたジンバブエ人に「外国人嫌悪」を抱いた。
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今作でも南アフリカの人々は同じ状況にあり、良い暮らしを求めていたところ、突如、飛行物体が現れ、エイリアンたちが住み着くようになった。
だから南アフリカの人々はエイリアンに外国人嫌悪を抱いたのだ。
つまり、今作のエイリアンが象徴するのは、ジンバブエやソウェトから来た難民なのだ。
・ヴィカスの見た目の心情の変化
今作の主人公であるヴィカスは、真面目で規則にこだわる役人気質である。だが、エイリアンに対しては受動的な差別主義者でもある。そんなふうに見ていたエイリアンだったが、ヴィカスの見た目がエイリアンへと変貌していく過程で、心情も大きく変化する。だから、ヴィカスの見た目の変化は心情の変化を反映していると言ってもいい。
・歴史的観点からも描く「隔離」
あるシーンで、MNUの装甲車が第9地区に入っていくシーンがあるが、そこはガザ地区を思わせる壁で囲まれた地帯だ。明らかに人間とエイリアンが区別されているのがわかる。歴史的には、人種の違いなどで「人種隔離(アパルトヘイト)」という政策が行われてきた。だがアフリカでは若干まだ残っているのだという。このように明らかに区別して描くことで、「隔離」という印象を強くさせるのだ。
それと共に、第9地区にあるエイリアンが住んでいる住居は、とてもボロボロで不衛生な様子が伝わって来るが、これも「隔離」の印象を強くさせるためである。
何より撮影で使われたボロボロの住居は、実際に人が住んでいた住居であるため、とてもリアリティを演出できている。
・エイリアンの見た目が意味するもの
監督が言っていたが、今作のエイリアンの見た目をどのように描こうか悩んだのだという。
その理由は、今作のエイリアンにも感情移入させる必要があったのだ。ただ怖がらせたりするだけなら、もっと終わっている見た目にできたはずだ。だが、感情移入させるため、人間的な表情も必要だと考えたそうだ。
そこで結局、見た目を昆虫なにさることにしたそうだ。
その理由は、今作でエイリアンが置かれている状況と、アリやハチの環境と共通しているところがあるからだ。
アリやハチは女王に指示されるまで誰も働こうとしない。
今作のエイリアンも同じで、武器や宇宙船はあるのに、誰も行動を起こさず、南アフリカで途方に暮れているエイリアンと共通しているからだ。
・ヴィカスの扱われ方
ヴィカスの左腕がエイリアンになったとき、身柄を抑えられ、ヴィカスの話に耳を傾けようともせず、エイリアンの武器を使えるか坦々と実験してエイリアンを殺させたり、無理やり人体実験させたりしていた。これは歴史的観点から考えると、人種の違いなどで奴隷扱いし、たくさんのひどい扱いをしてきた。当時はその人々を人間としてみていなかった。これも同じで、ヴィカスの左腕がエイリアンになったら突如ヴィカスをひどい扱いをしたように、そういう意味の風刺もあるのだ。
・ヴィカスの立場
前に説明したように、人体実験をされそうになった時、ヴィカスが抵抗してなんとか逃げ出すが、そこからヴィカスの立場危うくなる。
いつもなら家に帰れば家族も妻もいるのに、今は追われている立場だからそうはいかない。
何より、自分が今まで尽くしてきた会社が、会社の利益のために自分の体を切り刻もうとしている。
だから、逃亡中は誰にも頼る人がいない状況だ。まるで脱獄した逃亡犯のように。
・クリストファーの構成意識
作中にヴィカスを手助けする、クリストファーというエイリアンがいる。
クリストファーが暮らしている小屋には、電子機器がいっぱいあって、それは全て宇宙船に乗って帰るために準備しているものだった。
先ほどエイリアンに置かれた状況と、虫の環境が似ていると話したが、クリストファーだけ宇宙船を使って帰る目的がある。それはなぜか?
女王などの絶対的な指導者が消滅し、全員が目的を失った意識を持つようになると、指導者をもう一度生み出すために社会を構成し直そうという本能が働く。
・人体実験
ヴィカスとクリストファーが一緒に大切な液体を奪いに建物に入って戦った後、クラウドファーは仲間の死体を見つける。先ほどヴィカスが人体実験されそうになったとあったが、このシーンではもっと細かな意図があるのだろう。
それはおそらくナチスの人体実験だ。日本軍も第2時世界大戦中にやったと言われる。
ウーター・バッソンらによる医療実験や研究などの数々のひどいことがアパルトヘイト政権下であったとも言われている。
つまり、エイリアンの整体実験というのは、史実に基づいたアイデアなのである。
実際に南アフリカでも行われていた。
これらを行った理由としては、細菌や毒などの開発だった。最初に話した通り、南アフリカの人々は乱入してきた難民に「外国人嫌悪」を抱いて、邪魔な存在だとすら思っていた。
それらの人々を使って人体実験をし、黒人だけに効く毒などを開発しようとしたのだ。
これらの生体実験は、どこの国でも起こり得るだろう。
だから、これはそういう意味をこめた風刺だと思う。
・見た目による人間の心理
飛行物体が去った後、また序盤のようにドキュメンタリー風に戻るが、そのインタビューの途中、ヴィカスの父親の話では、「ヴィカスはもう死んだ」と言っているが、それはただ変身した息子を彼は認められないだけなのだ。見た目が変わっただけで見捨てる心理はとても笑える。これも人間の見た目ではなくなったからといって人種が違うと考えているのだ。つまり、人は見かけによらないということと、人種差別は絶対に不必要だということも示している。
・感情移入による人種差別の「体験」
今作は序盤、エイリアンに対してはキモいなーとかしか思わないだろうけど、展開が進むにつれて、エイリアンに感情移入していく。だから、エイリアンは立派な生き物なんだと感じさせる。特にクリストファーは子供もいるしクリストファーが息子を片手で抱きしめるシーンは感激を受けた。
これは観る人に、序盤はエイリアンに対して「気持ち悪い」としか感じさせないことで、見た目で判断させ、ヴィカスと同じような間接的な差別主義者になってもらう。だが、ストーリーが進むにつれ、エイリアンに対しても愛着が湧く。つまり、この映画の構成は下記のようになっている。
序盤でエイリアンに対して嫌悪感を抱かせる
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話が進むにつれエイリアンに対して感情移入する
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エイリアンも自分達と同じく生きていて、人間と同じように平等に生きる権利があるということを体感させている
この構成を知ったとき、めっちゃ衝撃を受けて、めっちゃ天才的だと思った。体感することで観る人に監督が伝えたいことを深く考えてもらうという手法は凄まじい。
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[個人的な感想]
今作はリアリティが終始感じられて現実だと錯覚してしまう。それによってより映画の世界へ入り込むことができた。
また、今作の新しさといえばキリがないが、全体的にハリウッド映画らしくない生々しい演出や描写なのに、ハリウッドらしいVFXが混在していることだ。それによって今までにないような作品になっている。
今作でのヴィカスとクリストファーの妙な関係も個人的にめちゃくちゃ好きで、最初はヴィカスもクリストファーを含めたエイリアンたちを間接的に差別していたのに、ラストにはクリストファーに心を開きかけているのもとてもいい。
それに加えて、今作のどこかミステリアスな雰囲気が漂っているところが好きだ。ずっと浮いている飛行物体もそうだし、クリストファーの小屋の下にあった飛行機も、最後にヴィカスが操縦するロボットも、なんだかミステリアスな雰囲気を感じさせるのがうっとりしてしまう。まあこの映画はうっとりするような映画ではないのだが。
また、主人公が危機的になっていくにつれて、多くのアクションが展開される。ラストのヴィカスがロボットに乗ったアクションも見たことのない体験であった。
何度も繰り返しこの映画を観ていると、エイリアンにさまざまな視点で感情移入してしまうのだが、エイリアンに感情移入している自分にも驚いている。ビジュがキモいエイリアンに感情移入させるニールブロムカンプもすごいし、VFX陣もすごいと感じた。
また、説明した通り、あの構成が結構好きで、自分も考えるきっかけになったし、全員が観て深く考えるべき映画だと思う。
こんなに長くなってしまいました。
今作は生涯でもtop5には入ります。今のところは4位ですが。
何回見ても新しい発見もあって、考察しがいもある素晴らしい映画です。
まさにニールブロムカンプにしか作れない映画だと思いました。
SF、エンタメとしては超1流。差別が描き切れず含意は少し物足りない。
SFとしては非常に面白いです。ちょっと「謎液」設定が好都合すぎる気もしますが、それ以外はストーリー、発想、設定、映像などすべて高水準の映画でした。
1人の男と1人のエイリアンの出会いがストーリーの中心になり、ヒューマンドラマを展開します。そのドラマの中、エイリアンの生態や科学水準は語られるというよりもストーリーで読み取れます。非常によく練られた脚本だったと思います。ラストシーンもなかなか内面描写が直接的じゃなくて、じんわり感情にくるような秀逸な終わり方でした。
ただし、です。ヨハネスブルクということはアパルトヘイト、つまり黒人差別のアナロジーという読み取り方をすることができると思いますが、そこのメッセージが中途半端でした。舞台設定、話の要素にとどまっていたかな。そこを期待していた分、ちょっとがっかり感があります。
その点では日本のアニメの類似作「ニーアアンダー7」はこんなに暴力的ではないですが、よほど深い話でした。エンタメ、エイリアンもののSFとしては超1流ですが、含意が少し物足りないかなあ…
ドキュメンタリー風に展開される映画
さまざまな人のインタービューの様子、常にテレビで報道しているかのような作り込みにドキュメンタリーの感覚を持たせてくれる。エイリアンお断りの標識、スラム地区とまるでアパレルヘイトの黒人分離かのようにエイリアンを扱い、当時の社会問題を間接的に伝えてくれる映画
初めは気持ち悪い存在だと思っていたエイリアンに、自分が成りエイリアン親子と関わっていくにつれ、家族を思う気持ちや死んでいった仲間に胸を痛める様子の”人間らしさ”に触れていき次第に変化する主人公の行動が印象的でした
まさかの宇宙人びいき
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ある時UFOがやって来て、地球上空で立ち往生する。
人間が行って突入し、そこで海老みたいな多くの宇宙人と遭遇する。
宇宙人達が攻撃的でなかった事もあり、平和的に保護する形となった。
そして第九地区という地域に住まわせた。海老たちは地球語を話せた。
こうした共存の中、一部の人間は宇宙人の持つ武器に目をつけていた。
政府だか企業だか忘れたが、抜擢された主人公が第九地区を訪れる。
20年以上経ち、海老の数が増え過ぎたので、移住を依頼するためだった。
その時主人公は、海老たちが隠し持っていた謎の黒い液体を見つける。
何かと思っていじっていると体にかかり、手が宇宙人のそれになった。
上述のように一部の人間は宇宙人の強力な武器に興味を持っていたのだが、
DNAの関係で彼らにしか使えないということがわかっていた。
が、今の主人公は人間と海老のDNAの中間の形になっている。ってことは・・・
政府だか会社だか知らんけど、強制的に主人公を監禁して研究対象とした。
主人公の命などどうでも良かった。まさしく人体実験である。
何とか逃げ出した主人公だが指名手配され、行くところもなく海老のもとへ。
そしてそこで、海老たちが密かに帰還計画を立てていたことを知る。
また黒い液体があれば主人公の手も戻るし、海老たちも帰還できる事も知る。
そこで1人の海老と共に人間の研究所に忍び込み、奪還に成功。
第九地区には軍が乗り込んで来たが、海老兵器を使える主人公が迎え撃った。
そして仲間の海老を救い、宇宙船へと送り出した。
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とにかく海老は善良。平和的で義理堅く、無欲。徳が高い。
対照的に、人間の愚かさがクローズアップされまくってる映画。
表向きは保護しながらも、裏ではその武器を奪おうとする汚らしさ。
名目上は共存でも、相手が抵抗しないとわかるとすぐに増長する愚かさ。
でもそれが人間であり、もしこれが現実でもこんな感じになりそう。
権力を持った人間というものは、自分より弱いと思った者を支配したがる。
地球上では動植物がその対象だし、一般市民だって権力者に支配されている。
主人公は急に権力を持ち増長した、支配したがる存在の象徴として描かれる。
人間の醜い部分を全て演じ切る役と思っても良いと思う。
主人公は最初は海老に対して完全に上から目線の態度だった。
だが梯子を外されて危機に陥ると、一転して海老を頼る。
それを許容する海老、という構図。
主人公は海老と協力関係になった中でも裏切るようなマネをするし、
海老がいよいよ殺されそうになった段階でも一度は見捨てる有様。
その後ようやく思い直して助けたんやが、これもある程度打算的。
だって海老の圧倒的な装備を身につけた、ある程度安全な状態での話やもん。
それだけの装備がありながら一度は見捨てるって事の方が身勝手過ぎ。
最後はよくわからない終わり方をした。
海老らは一部が帰還しただけで残りは地球に残って繁殖した。何故?
続編への布石なのか?
宇宙人ものは多く見て来たが、大体は地球を侵略して来るのに、
この映画では地球人側が一方的に悪として描かれてた。
宇宙人側に味方しながら見る作品は始めてやし、新鮮だった。
人間の身勝手さに対する警鐘を鳴らす作品である。
改めて自分のあり方を見つめなおすべきだと思った。
まぁまぁ面白い。ただ体調がいい時に観てください
レンタルしているDVDを早く消化せねばと、病み上がりに視聴しましたが、これは体調の悪い時に観るべきではなかった映画でした。
ところどころ気持ち悪いといったらなんのって。
エイリアンを害虫扱いし小馬鹿にしていた職員が自分がエイリアンに感染してしまうという何とも皮肉な流れ。
それがまたストーリー自体は面白い。
エイリアンからしたら迫害されてたまったもんじゃない話だが、そもそも素行も悪く好戦的で友好的ではないのに地球に勝手に来る方が悪い。
ただでさえ人間が受けつけない見た目をしているのに、そりゃ物を盗んだり自分の利益のために人を56してはヘイトも向くだろう。
[疑問点: 1]
何を言ってるのかも分からんエイリアン語をなぜ人間が理解できる?なぜ意思疎通ができる?エイリアン側もネイティブスピードで話す英語を完全に理解できてるのがすごい。(基礎知識がある地球人なら20年も住めば習得できるのは何となくは分かるが…映画にそこまでつっこむべきではないが)
[疑問点: 2]
エイリアンに感染した原因が司令船を起動させるための燃料がかかったことによってだが、そもそもそこらへんの原理がちょっと曖昧だったと思う。なぜ宇宙船の燃料で?エイリアンの血がかかるとかなら何となくは分かるが。
「故郷の惑星には帰るんじゃない。俺たちはこのテントに住むんだよ」というシーンには考えさせられるものがあった。
この映画はアパルトヘイトが背景にあるらしいが、やはり差別というものは人間の本質にありなかなか切っても切り離せない問題なのだと思う。
肝心の黒い液体を取り戻したシーンではさっさと逃げればいいものを、仲間をやられた姿にボーと立ち尽くすクリストファーには(さっさと動け!ノロマが!)と苛立ちを覚えた。
賢いのかバカなのか分からん。
気のせいなのかもしれんが、だんだんとストレスからか、ヴィカスに10円ハゲが出来ていて細かいところまで作り込んでるなぁと思った。主人公の顔の表情もすごく良い。
腕を治すのに3年かかると言われて怒ったヴィカスがクリストファーを急に殴りだし置いてきぼりにして、勝手に乗って指令船を起動させた時には、血も涙もなくて主人公の性格がヤバすぎて空いた口が塞がらなかった。
こりゃエイリアンも人間とは信頼関係も築けないだろう。
最後は身体を張って守ってくれたとはいえ、こんな薄情な人間の身体を治すためにわざわざまた危険を冒してまで再び地球に戻ってくるメリットは一つもない。
クリストファーは故郷で平和に暮らしていることでしょう。(たぶん)
意図せずコメディのよう
とある惑星からやってきた宇宙飛行船がアフリカの上空に停滞して、エイリアンたちが地球の限られた地区に住む。管理された地区。そこはスラム街と化した。エイリアンを強制移住させようと、管理会社の管理職が出向いていって、エイリアンのエキス?に感染する。
左腕がエイリアンのようになり、さらにエイリアンのように変化していく様は、「ザ・フライ」を彷彿させた。エイリアンを酷く扱い、駆逐していくような管理会社。スラム街に居座るギャング。そうした三つ巴の紛争、銃の撃ち合いが続く。最後はモビルスーツみたいなロボットのようなものが出てきて、、あまりに現実感がなく、意図せずのコメディのよう。深く考えれば、異質なものとの共生、排斥ということなのだろうが。
CGすごいし面白かった。
まずこの作品がひと昔前だと言うのに驚いた。最初は取材っぽい撮り方でテンポよく見れる。ただグロ耐性ない人にはキツイ描写の連続😱
確かに主人公は人間的に残念な部分あるけど、個人主義な国ってこんな感じなんかなと。それもあってあんまり感情移入なくサクッと見れる。
エイリアンもそこまで脅威って訳でもなく共存(隔離)生活してたってのも他作品と違うところかな。
エイリアンへの扱いが動物か虫レベルだなと感じた。アパルトヘイトを参考にしてたのなら納得。
どうなるのか気になる展開で最後まで楽しんで見れた。主観では納得行く結末ではなかったけど作品としてはよくできてると思います。
多様性が問われる2020年代の今こそ観るべき作品である
もう13年も前の作品なのか。古臭さはまったくない。今の世の中にある差別問題や多様性がテーマになっていて、時代を先取りしていたんだなと改めて気づいた。
エイリアンを通して描かれる差別と暴力。
予告を見てから鑑賞。
なんとなく、昔見た V の印象が強かったが、全然違う話だった。
見た目に反して (優れた武器を持っていても) 相手を攻撃することなく、
異なる星の生物であることをわきまえ、なるべく、平和に接しようとする姿勢。
どんな粗末な扱いを受けても、バランスを重んじて、生きていく生物。
その一方で、見た目に反して、自分達だけが優れた生物だと思い込み、
非武装な相手に武器を向け、暴言を吐き、感情のまま、相手を殺す。
抵抗しない相手を「下」と考え「モノ」として扱い、実験材料とすることもある。
徹頭徹尾、上から目線の生物。
物語の中では、終始、この違いについて、感じさせる描写がある。
本当の意味で「汚い」のは、どちらのだろう。と考えてしまう。
「心理的な優位性」がもたらす「差別」が存在することを改めて感じざるを得ない。
主人公が自分のために助けてくれた相手を裏切るところがあり、
「人」の強欲さというか、追い込まれたときの人は試される。ということも感じさせる。
ラストのあのワンカット。あえて、何も触れられなかったが、
彼は己の運命を受け入れ、できることを精一杯やっているのだと思いたい。
そして、明日から何か1つでも良いので、善いことをしよう。
少しでも、良い生物でいられるよう行動しよう。と思ってしまう。
中途半端に終わる
ドキュメンタリー風のストーリー。
自己中心的すぎる主人公に少しイライラする。
最後のシーンで「そうなったのか…」となる展開があるが、それ以降どうなったのかよく分からない中途半端なところで終わる。
奥さんは主人公のヴィカスを愛しているようだったが、特に手助けしたりはしないところは残念。
まあ、よかった、
予備知識なく見たけど、ドキュメンタリーチックな映像で話もおもしろく興味深く見られた。
でも、主人公の捜査官?は、序盤、せめてエイリアンのとこに立ち入るのにマスクや手袋などはしていくべきだろう、と。(笑)
エイリアンと言葉も通じてるのが不思議でもあり(笑)、まあ、そこは突っ込まないでおこう。
グロテクスなとこもありつつ、ストーリーはわかるし、「どの人物がどういう立場」ってのもわかって最後までしっかり見られた。
多少長く感じながらも、感傷的、せつない部分もあれど、総じて「まあ、よかった」かな、と。
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