「ツリー・オブ・ライフ」ツリー・オブ・ライフ yoyomanmaさんの映画レビュー(感想・評価)
ツリー・オブ・ライフ
この映画で、感じたことを書くのはとても難しいことです。
ツリー・オブ・ライフで描かれていることは、私たちがすでに抱えたり見ている日常とあまりにも近いから。
永遠に続く命の壮大さと、日々の暮らしの中でちっぽけに生きる人間の一生を同じ次元で見ていくというのは、映像になると逆に当たり前すぎるものになってしまうのかもしれません。
ただ、一つだけ言えるのは、この映画の中に登場していた人たち、両親と子供、一人ひとりの心の痛みや与えられた時間を受け入れて生きるということの意味だけは、痛切に私の胸に届いたということです。
自然界では当たり前のことですが、人間の一生も、自分自身のものではなく、命をつなぐための貸し与えられた時間でしかないということを、思い通りにならないままに受け入れることの苦しさは、やはり人間だからだと思うのです。
難しい作品ではありますが、最後まで観た後に、確かな形ある答えではなくとも、私の中に残してくれたものがありました。
そして、このように生身の俳優たちが、挑むように内面をさらけ出して演じてくれることが、映画の魅力であることも思い出させてくれる作品でした。
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