劇場公開日 2012年6月30日

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「ちょっと違うぞ」アメイジング・スパイダーマン 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ちょっと違うぞ

2012年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 サムライミ版の記憶が新しくて、そっちもグリーン・ゴブリンがださいとかキルティン・ダンストがもっさいなど乗れない要素もなくはなかったけど、青春のほろ苦さや成長物語とても好きなヒーローアクション映画だった。

 出来も悪くないし、最近の映画なのになんで一体リメイクするのだ?という思いは未だにぬぐえないまま見に行った。敵のリザードマンが非常に気持ち悪くて、敵として憎たらしいけど、彼は彼なりの信念を持って一貫してそれを追求する姿勢は天晴れでとてもよかった。ヒーローものやアクション映画でかなり重要な部分の、敵としてとてもよかった。

 問題は主人公だ。果たして変身する必要があるのだろうか。一応カメラ小僧であったり体育会系にいじめられてはいたのだが、立派に立ち向かう根性はあるし、何よりスケボーを校内に持ち込み上手に乗り回すというイケメン要素ありすぎではないか。最も蜘蛛にかまれるべき人物は、いじめっ子に持ち上げられて野菜を食わされていた彼であろうと思った。そのくせDIY能力も高く、キャラに一貫性がなさすぎないだろうか。ダサいばかりでは人気が出ないからそなってしまったのだろうか。

 エマ・ストーンかわいらしいけど、声が低くて非常に萌えづらい。

 しかし、アクションは楽しく、主人公が能力を身に着けてそれを持て余しながらも自由を獲得していく描写は爽快感が素晴らしかった。前シリーズでもあった、コスチュームを自作する場面、ネットを飛ばす機械の自作も楽しかった。青春のホロ苦さも充分に描かれていた。

 とても面白かったけど、モヤモヤする部分も決して小さくはない映画でした。

吉泉知彦