劇場公開日 2012年6月30日

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「【あえて辛口】期待が大きかったせいか、ちょっと物足りない」アメイジング・スパイダーマン 梅薫庵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【あえて辛口】期待が大きかったせいか、ちょっと物足りない

2012年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

今流行の「リブート」

これがどういう定義だか分からないが
前シリーズが「コミカル」なら
今シリーズは「シリアス」
ということか

で、今回のリブート・スパイダーマン
特撮もGJ, ヒーロー自体もクール、
ストーリーもそこそこいいが、
何故か映画にのめりこめない。
おそらく脚本、構成が散漫で冗長、
もっとタイトでも良かったのでは
映画の構成や展開のリズムが、
スパイダーマンのキャラが元々持つリズムと
ズレてしまっている、ような気がした

おそらくそれは、ヒーローとヒロインの
ラブストーリーや彼らの日常の
活劇部分のリンクが
うまくいっていないせいか
例えば、アクション場面での緊張感が
ラブシーンで途切れてしまう
青春ものとしたら及第点かもしれないが
やっぱりこのシリーズでは
それ以上のものを望んでしまう
この点ではライミ版のポップで
明るい物語に徹した前シリーズに軍配が上がる

個々のキャラクターでいえば
悪役に悪としてのカタルシスを
あまり感じないのマイナス
当然、これからシリーズ化されるんだろうし
今回以上の悪役が出てくるのだろうから、
それにしても悪としての度合いが中途半端

逆に主人公ピーター・パーカーを
巡る人々は十二分に魅力がある
なかでもマーティン・シーンと
サリー・フィールズの叔父叔母夫妻
彼らベテランの演技が
ピーターのキャラに深みを与えた
特にシーンがピーターに与える言葉は
彼の精神的支柱になるから、重要
その役をシーンが演じたことが意義深い
結局(声だけだが)最後まで出るし

主役の二人、エマ・ストーンと
アンドリュー・ガーフィールド
ストーンは十分に魅力的
ただし劇中で、父親から
「おまえまだ17だろ」
という台詞があったのには
引いてしまったが
ガーフィールドは
現代のマイケル・J・フォックスになれるか
というところ、だろう

これから大作が続く夏の映画シーズン
ちょっと辛口になってしまったが
期待が大きかったせいか
ちょっと物足りないエンドロール
となってしまった

梅薫庵