劇場公開日 2008年8月1日

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「今度は、スッキリ!」インクレディブル・ハルク mori2さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今度は、スッキリ!

2008年7月24日

楽しい

単純

興奮

 心拍数が200を超えると、緑の巨人に変身してしまう科学者の悲哀を描いた、アメコミ「ハルク」の映画化。つい5年ほど前にも、アン・リー監督の手で、「ハルク」として映画化されましたが、どうやら今回の映画化は、『アレは無かったことにして!』というスタンスで作られたようでして…(悲)。かくしてキャスト・スタッフ共、総とっかえとなりました。さあ、果たして出来のほどは如何に?
 アン・リー版の「ハルク」も、吾輩は嫌いではありませんでした。でも何か“モッサリ”してる(映画全体が)なあという思いは、持っておりました。その点、今回のこの映画は凄い!何が凄いかって、わずか2~3分のオープニング・シークエンスの中で、物語の根幹部分(ブルースが事故で放射線を浴びる→巨人に変身するようになる→将軍に狙われる→それから逃れる為に、恋人の前からも姿を消す)が、全て凝縮して描かれているのです!そお、アン・リー版では、上映時間の大半を割いて描いていた場面を…(^^;。いやあ、お見事!これなら本編中で、過去の経緯なんかを説明する手間が一切省けますし、その先のストーリーを進めることにだけ集中できます。だからこの映画は、非常にスピーディーに物語が展開していきます。ちっとも“モッサリ”してません。むしろ“スッキリ!”してます。更には、アン・リー版ではブルースがず~っと悩み続けていて、映画そのものが何となく暗かったのですが、今回はあちこちに笑えるポイントも散りばめられていて(いや、ブルースは悩んでるんですけどね)、“真夏のアクション・ムービー大作”として大いに楽しめる仕上がりになっております。
 最初『エドワード・ノートンが、ハルクを演る』と聞いたとき、『華奢過ぎひんか?』と思った吾輩でしたが、観ていてそんなに違和感は感じませんでした。いや、むしろ“変身前”“変身後”が際立っていてよかったような気がします。あと敵役のティム・ロスの作中での変貌ぶりは、ハルクのそれを上回るモノがありまして、『そこまでやったら、人間じゃねえよ!』と思わずツッコんでしまいました(^^;。強けりゃエエっちゅうもんでもないで!

 で、実はこの映画。最後のシーンにある仕掛けがございまして、これが“次なるプロジェクト”への布石となっておるのです。そう、ある意味この映画は上映時間1時間52分の“壮大なる予告編”という見方も出来ちゃうわけです。これが実は秋に公開される「アイアンマン」とも連動しておりまして、その辺アメリカとは上映順序が逆(アメリカでは「アイアンマン」が先に上映されました)でございますので、秋までよく憶えておいて下さいね。しっかし、これだけ煽ってその“次なるプロジェクト”がポシャったりした日にゃあ…。
暴動ですな(^^;。

mori2