「唸れハルクスマッシュ!!!!」インクレディブル・ハルク クリッターさんの映画レビュー(感想・評価)
唸れハルクスマッシュ!!!!
マーベル・シネマティック・ユニバース第2作目はご存じ超人ハルク。
2003年のアン・リー版ハルクをリブートし、ユニバースに組み込んだのが本作。
大概のアメコミ映画の1作目は主人公がヒーローになるまでのオリジンを丁寧に描くが、本作はそれをバッサリ省略!!
ブルース・バナーがハルクになってしまった過程をOP数分でさらっと流すと言うその思い切りや良し!
アン・リー版ハルクが人間ドラマを重視した「静」ならこの作品はハルク本来のアクションを重視した「動」だ。
ストーリーは主に軍に追われるバナーの逃亡劇だが、ハルク化してしまった時のこの「手に追えない」感や恐怖感は中々に良く、この感じが以降の作品に継承され続けているのも実にいい。(まぁラグナロクでは見事に恐怖感はなくなったけどw)
個人的に最も気に入ってるのがハルク化を止める方法を愛するベティとやっと見つけたにも関わらず、暴れまわるアボミネーションを止めようと自らの運命を受け入れ、ヘリコプターから飛び降り、ヒーローハルクとして戦うシーンだ。
あのシーンにバナーの覚悟と決意が見て取れ、とてもドラマチックで熱い仕上がりになってると思う。
そこからハルクVSアボミネーションの小細工なしのタイマンバトルが始まる訳だが、周りなんか関係ねぇ!!引っ込んでな!!と言わんばかりに拳と拳のぶつかり合いの連続。あの輪ん中に入れるのはアベンジャーズじゃソーぐらいだなw。
挙げ句の果てに掌バチーン!!で炎を吹き飛ばす爆風など、やることなすことすごすぎて笑っちまうぜハルクw。
極めつけはハルクファン感涙の必殺ハルクスマッシュ!!
と言っても力込めて地面割っただけだが、原作の往年の決め台詞がやっと映画でお披露目になったので全然OK。
むしろこの映画に使わずどこで使うんだと言った感じ。
1作目のアイアンマンではアベンジャーズ関連や他作品とのリンクネタは薄かったが、今回は関連ネタが至る所に盛り込んである。
OPシーンでフューリーの名前やシールド、トニーが経営する会社スターク・インダストリーズの名が出てきたり、キャプテン・アメリカを語る上でかかせないスーパー・ソルジャー・プログラムの話が出たり、ハルクが雷に向かって吠えるシーンはいずれ来るソーとの戦いを示してたり、この映画のソフトの特典映像に入ってるOP別Ver.には凍ったキャプテンが出てきたり、ラストにはトニーが普通にご登場したり(これにはびっくりでまたしてもアチャーとなった記憶がある)とかなり興味深い。
あとシビル・ウォーにも出てきたロス将軍がどれだけイカれてるかをこの映画で再確認するのもいいだろう。
関係ないけど惜しむらくは、アン・リー版とこの作品とアベンジャーズでは演じてる役者が全く違うのでアメコミをよく知らない人からすれば、違いが分からないのが痛手か。
アン・リー版は全く関係ないがこのインクレディブル・ハルクはガッツリMCUシリーズなので、勘違いしないように。
ミスター・ブルーはあの後どうなったか、未だに伏線投げっぱなしだしトニーとロス将軍の密会シーンはエンドロール後で良かったんじゃないかとも思うが、まぁそんなことはどうだっていい。
ハルクが存分に暴れてくれただけで本作は十分にファンの期待に応えてくれてる映画だ。
追記
ベティは今頃、何をしてるのだろう。
元気にしてるだろうか。