「推理モノでは無い」シャッター アイランド Mie...さんの映画レビュー(感想・評価)
推理モノでは無い
【映画:(上映時間の関係で)吹替観賞】
まずオープニングで『手の動きや〜に注意して』という感じの文章が出たので、座席に着く前以上に期待してしまったのは悪かったかもしれないですね。
それを見るまでのイメージは「ディカプリオが演じる主人公が相方と共に推理していくものなのだろう」という程度だったのが、その文章を見て、本格ミステリーと呼ばれる推理モノ好きの自分はTV「安楽椅子探偵」並みに観る側が推理できるものなのかと思ってしまい、「模倣犯」を見る時のような期待をし、まさかこんなに変に裏切られる形になるとは思わなかった。
(「シックスセンス」の時のような宣伝ならもっと楽しめたかも…。)
途中から謎解きの「謎」自体が何なのかという謎解きになってしまう始末(笑)
ラストでその謎が明かされるものの、観る前に期待した謎(失踪した女性の行方)を明かすものでは無く、「驚き」を楽しむ映画だったのかという衝撃が…。
相方の銃を抜く際の不慣れさや、主人公に対し序盤から警戒する警備員?達、怪しげな薬等誰が見ても怪しいと気付ける程度に散らばった簡単な謎。
宣伝での「謎解き」という文字やオープニングでの「〜や〜に注意して観て下さい」のような文字が無ければもっと単純に楽しめたと思います。
映画としては本当に映像・音楽共に素晴らしかったですが、ストーリーはというとミステリーを何作か観ている人なら「主人公に何かあるのでは無いか」というくらいの考えはすぐに浮かんでしまうと思うので、もう少し捻りが欲しかったなぁという推理好きの希望が。。
(他映画と被るなぁと書かれている方がたまにいらっしゃいますが、自分は「ナンバー23」が脳裏をよぎりました。)
ただ、「もしかしたら2度目観るともっと細かいところにも何か作られた部分があるのだろうか…」とか、「2度目には『なるほど』」というような楽しみはミステリーにはつきものですが、あまりに他の部分に凝視し過ぎて、全体で楽しめなかった為に2度か3度観たくなる映画でした。
(これが狙いだったら完全にドツボですね…。)
マニアックかもしれないですが、この閉鎖的で全体的な暗さとチラホラと出てくるホラー要素(表現のグロさ)は自分はすごく好みでした。
最後の最後で主人公が相方に漏らす一言も本当によかったです!
レンタルDVDが出たら是非借りたいと思います。