「疑心暗鬼」シャッター アイランド odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
疑心暗鬼
クリックして本文を読む
ディカプリオが国家的陰謀に立ち向かうサスペンスものと思わせて幻想だったとは、後味の悪い、観客を欺いてなんぼという映画でした。
これほど観客を混乱に陥れる映画は観たことが無い、というよりもっともらしいシーンを並べておいてから否定するのではストーリーテラーとして行き過ぎ、邪道と矜持ある監督は使わなかったのだろう。別にスコセッシ監督を責めるつもりはない、疑似餌に食らいついた魚が馬鹿という釣り師の論理なのでしょう。見事ひっかかってしまいました。
シチュエーションも絶海の孤島、誰も信じられない孤独と閉塞感、映像もBGMも怖がらせ方を熟知している手練れが作っているからホラー映画としても半端ない。
ただ、子供の死体をおぞましい演出の道具に使うのは卑劣極まる、動揺させるためには手段を選ばずといった冷徹さは映画のテーマである人間の狡猾さと暴力性を語る資格すら無いように思える。
コメントする