愛を読むひとのレビュー・感想・評価
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1958年のドイツ、15歳のマイケルは、21歳年上のハンナとベッド...
1958年のドイツ、15歳のマイケルは、21歳年上のハンナとベッドを共にし、彼女に頼まれて本を朗読してあげるようになるが、ある日突然、彼女は姿を消す。時は流れ、戦時中のある罪を問われて投獄されたハンナのために、マイケルは物語を朗読したテープを刑務所に送り続けるが……。
tvkで「愛を読むひと」をやってたので観た。余韻のあるいい映画でし...
tvkで「愛を読むひと」をやってたので観た。余韻のあるいい映画でした。テレビ版はどうやらだいぶカットされてるらしいのでDVDで見直そう。
とってもステキな話だったけど、 原作を読んでたりロマ、文盲について...
とってもステキな話だったけど、
原作を読んでたりロマ、文盲についての知識が
なければハンナの性格や行動があまり納得出来ないと思う
予備知識なしでの鑑賞は魅力半減じゃないかな?
沈黙は金か?くちびる寒しか?三者三様の沈黙。
マイケルは、
黙っていたからハンナを死に追いやり、
黙っていたからロマの女との情交を秘して世間とナチスから自分の命を救った。
ハンナは、
文盲を黙っていたから自分を死に追いやり、逆に文盲を黙っていなかったらそれはそれでロマの出自がばれて結局はガス室行きだった。
どの道死ぬことになっていたハンナだからマイケルを道連れにはすまいと沈黙を守り、そうしてハンナはマイケルを救い得た。
レナ・オリンはハンナの最期を知らされて永く閉ざしていた口を開く。
キリル文字の書かれた錆びた缶が開かれて、その古い菓子缶が無言に語りだす。
私たちは失言を口からこぼして取り返しのつかない失敗をすることもあるのだけれど、語らなかったことによる失敗も本人だけが知っている永遠の責苦だ。
マイケルは娘に語り始める。
赦しと救いは告解するマイケルの口を通して彼の復活を約束するだろう。
きっと必ずや怒涛のように押し寄せる愛の思いがマイケルに嗚咽と微笑みを恢復させるだろう。
キャスト選びが秀逸
明確な答えが出たわけではないけど、余韻が残る作品だった。
特にケイト・ウィンスレットの老いた姿は秀逸。亡くなったばかりのブルーノ・ガンツが出てるのを知らずに観たので嬉しさと悲しみが交差した。他の俳優全て配役が良かった。
ハンナの自害に至る心の動きが欲しかったのが本音だけど、それは前半の失踪の理由と重なる不安からと読み取った。それが違うのであればやはりシナリオの不足だろう。
とあるサイトのレビューに、原作ではハンナがルーマニア出身とあり、映画では触れていないと書かれていて、ルーマニアと言えばロマ族=ジプシーすなわち読み書きが出来なかったとあった。
これまでナチスものの映画を数本観たが、改めて戦争は誰も1mmも幸せにならない。どこまでも虚しい。
素敵な純愛
純愛でありながらもまさかの戦争に悲劇、「アウシュビッツ」の収容施設の看守になる運命の字が書けないしゅやくの女性と15歳という若さの主役の男の純愛。
アウシュビッツの看守をしていた彼女は責任を全て被せられ、無期懲役になり、刑を20年勤め上げ、出所寸前に責任をとるように自殺。
その純愛話を娘に聴かせようとする男。
戦争の悲劇。看守になった彼女は、なりたくてなった訳じゃないのに全責任を被せられ、哀しい映画だった…
もう二度と戦争は起こしてはいけないのにアメリカは軍事力増強、平和条約離脱、中国もまいとしのように軍事費増大。北朝鮮は核ミサイル配備。
馬鹿じゃないの?そんな戦争したけりゃ始めろや!
どうしてなんだろう
15歳の坊やが体調不良のところ助けてもらった大人の女性の色気に誘われてしまい、関係が始まり。
読み書きができない彼女は、彼に本を読んでもらうことがとても好きだった。
列車の切符係だった彼女は真面目なので、事務職に昇進の声をかけらる。
が、読み書きができず、それを恥ずかしいと思っていて打ち明けられず、突然仕事を放棄し家を出て彼と離れ離れに。
長い年月の後に再開したのは、彼が法科大学に進学し、勉強の為に行った裁判の傍聴席。
彼女はアウシュビッツの看守をしており、600 人もの囚人を殺した罪に問われていた。
彼女は同罪に問われていた看守達から罪を着せられて、そこで正直に読み書きできないことを打ち明けていれば罪は軽くなったのに、そこでも打ち明けられず無期懲役に。
傍聴していた彼は、そこで彼女のことを打ち明けられたのにそれもできず。
面会に行き、彼女に打ち明けるよう説得もできたのに、それもできず。
結局彼は、助けることができなかった彼女を哀れに思い、刑務所にいる彼女に本の朗読を録音したテープを送り続ける。
彼女はそのテープに励まされ、それを使って読み書きを独学でできるようになり、手紙まで書けるようになる。
でも彼は彼女に一度も手紙の返事も書かず、面会にも行かない。
最後に初めて面会に行ったのは、彼女が出所することになり、身寄りが誰もおらず、彼が住む場所、仕事の面倒をみることになったから。
そして、いよいよ出所の時。彼女は刑務所で自殺を。
彼女は坊やの気持ちを弄んだし。
彼は彼で彼女に対して中途半端な愛を注いだように見える。
感動とか全然感じられず、何で見ちゃったのかなぁと思ってしまった作品。
やっぱりこの時代背景のは苦手‥‥
作中の伏線について考えてみた
1.ハンナが文盲であることを、マイケルが判事に告げなかった理由
ハンナの収容所での行為が「悪ではない」ことを、マイケルが確信できなかったため。大学のゼミで、マイケルは同級生と議論をする。「(ハンナら)元ナチの連中がした残虐行為は、当時の法律に照らせば無罪かもしれない」という教授に対し、同級生は「残虐行為自体が悪だというのに、当時の法律が許せば無罪だなんて、法とはいかに薄っぺらいものか」と激昂する。マイケルはこの同級生に反論ができなかった。マイケルはハンナの無罪を望んではいたが、彼女が「悪をなしていない」という確信を持つことができず、よって彼女を刑務所送りにする。
2.なぜハンナからの手紙に返事を書かなかったか
罪悪感・恐怖感のため。ハンナを収容所送りにした罪悪感から、マイケルは朗読テープをハンナに送り、償いの代わりとする。しかし(他の方も書かれていたが)、この「償い」はマイケルの自己満足。字が書けない筈のハンナから返信をもらったことは想定外で、望んでもいなかっただろう。自分が突き落とした相手(ハンナ)と、また面と向かって会話するなんて、罪悪感が強いほど拒みたくなり、それはハンナに対する恐怖感にも変わる。
3.マイケルが、出所直前のハンナと面会時、冷たい態度をとった理由
マイケルが期待していたようなハンナは、そこにいなかったから。あれだけハンナと(面会でも文面でも)会話することを拒んでいたマイケルだが、刑務所職員から「彼女が頼れるのはあなたしかいない」と言われ、おずおずと面会に向かう。そこでマイケルは「あのときのことをどう思うか」と、収容所における残虐行為に対するハンナの思いを問う。マイケルとしては「過去を悔やみ、改心したハンナ」を期待しただろう。「ハンナの行為は悪」と思って、彼女を刑務所に突き落としたのだから、ハンナが改心してくれれば、彼の行為は報われることになる。というか、そうなってくれれば彼の罪悪感は救われることになる。しかしハンナは「改心しても、人を殺めた事実は変わらない」と、過去を悔いる様子はない。マイケルは絶望し、ここでもハンナを突き放してしまう。「死の行進」を生き抜いたメイザーが言うように、「収容所はなにも与えない」のであり、ハンナは変わっていなかった。
4.なぜハンナは自殺したか。
マイケルが自分を受け入れてくれなかったため。刑務所でも、ハンナはずっとマイケルのことを思っていたのだろう。そうでなければ、わざわざ文字を覚えて、マイケルに手紙を出したりはしない。また面会時、マイケルから「あのときのことをどう思うか?」と問われ、「私たち2人の事?」と返すシーンも、彼女のマイケルへ向かう思いを感じさせる。しかしマイケルに突き放され、彼に受け入れて貰えないと悟ったハンナは、自ら死を選ぶ。まだ2人が出会ったばかりの頃、路面電車の中でマイケルに無視されただけで烈火のごとく怒ってた、激情家のハンナだからこその行動になってしまった。
5.マイケルの贖罪
2度ハンナを突き放し、結果彼女を死に至らせてしまったマイケルは贖罪をする。一つは、ハンナの遺言を実行して、メイザーにお金と「宝石箱」である缶を渡すこと。囚人たちを絶望と無気力・無抵抗に追い込むため彼らの大事なものを看守ハンナは奪っており、その一つがこの缶だった、と私は勝手に考えている。ハンナが為せなかったことを行った。
もう一つは、「ハンナ自身の物語」を朗読すること。様々な物語を愛し、朗読を聞いて時には笑い、時には泣いていたハンナ。その彼女自身のことを物語にして語っていくことが、最大の贖罪だとマイケルは考えたのかもしれない。だからラストの、墓場前で娘に向かってハンナの話をするシーンは、クライマックスとしてふさわしい。
ところで、なぜハンナは有罪判決を受けてまで、自分の文盲を隠そうとしたのだろうか。他の方が書いていたが、原作ではハンナはジプシーであるらしく、だとすると文盲を隠すこと=生きる手段という「習性」が、あの場で出たのかもしれない。一方、原作とストーリーは同じでも、そこに違う意図を製作陣が狙うのは常にある話。映画ではジプシー関連の話は全く出ていなかった。なので「激情家ハンナ」は文盲であることを極端に恥じ、それがばれるくらいなら無期懲役・ナチの汚名の方がマシだと思った、という解釈を私はしている。マイケルとサイクリングに出かけたときに、レストランで隣に座ってた子供に対し、ハンナは怯えているような不可解な視線を送っていたので、幼少期にトラウマがあるのかもしれないが。
文字が読めることがいかに自分を守れるか まっすぐ正直に生きていても...
文字が読めることがいかに自分を守れるか
まっすぐ正直に生きていても
悪意のある人や
自分を守りたい人に陥れられることもある
愛とは
本当に深く
ゆるがないもの
苦しい
ほんとイライラして途中ひたすら空気殴ってました
学校で見たから静かに終わったものの、家で見たら確実に壁に穴開けてましたね
どこでどの選択をしていたとしても、きっとこの2人に完璧な幸せは無いのだろうと思いました
かと言ってこの選択で、この結末が1番2人にとって良かったかというとそれも違う…
何て報われないんだと、もはや出会わなかったほうが幸せだったんじゃないかと思いましたが、2人は出会って一時でも幸せを共有し、本当の愛を見つけたのですね
素敵でも無いし綺麗でも無い、でも惹かれてしまう複雑な愛がとてももどかしかったです
純文学である
時代に翻弄され、流された女性。
そのことに気づくのが少し遅かった、
という話かと。
物語の所々に、彼女は他人任せで、
流れに身を任せて生きていた感じが読み取れる。
自分で本を読んでみよう、考えてみよう、
というチャンスは何回もあったはず。
そうすれば、ナチスには入らなかったかもしれない。
それに気づいたときには既に遅く、
知ってしまうと絶望に襲われ、
ラストに繋がったんだと思う。
戦争という時代に飲み込まれた悲しい不幸な話だ。
この結末は、読めなかった。
戦争・人種差別・時代背景を知れば、もっと深く理解出来る様なので、近い内に原作を読んでみたいと思います。
映画全体の(重苦しさ)が、この作品の重要な、メッセージにも感じます。
ケイトの体当たりな演技は、見応えあります。
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