「切ない純愛物語」愛を読むひと モリさんの映画レビュー(感想・評価)
切ない純愛物語
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ドイツの作家ベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説「朗読者」を『リトル・ダンサー』、『めぐりあう時間たち』のスティーブン・ダルドリー監督が映画化。『タイタニック』のケイト・ウィンスレットがアカデミー主演女優賞を獲得した作品。2009年度アカデミー賞において作品賞を含む5部門にノミネートされ、主演のケイト・ウィンスレットが主演女優賞を獲得。製作には2008年に他界したアンソニー・ミンゲラとシドニー・ポラックが名を連ね、製作陣も豪華だ。
1958年のドイツ。15歳の少年は21歳も年上の女性(ケイト・ウィンスレット)と関係を持つこととなった。しかし、その女性は突然、姿を消す。それから8年後、法学部の学生となった少年は、偶然、ナチス戦犯として法廷に立つ女性の姿を見ることとなる。
この物語の重要なキーワードは、「愛」、「罪」、そして「秘密」だろう。本作は、出演する俳優が18歳になってから撮影に入ったとのこと。序盤は激しく愛をむさぶる少年と女性のはきわどいシーンが続くが、中盤に入ると物語の雰囲気は一変する。中盤は、ナチスの戦争犯罪が提示され、主人公もそれに悩んでしまう。そして、終盤は年老いた女性と大人になった少年(レイフ・ファインズが演じる)との引き込まれる会話が続く。その過程で、女性の秘密が明らかになる。
また、本作の結末は非常にショッキングだ。人によっては、女性が起こした行動が理解できないこともあるかもしれない。それでも、個人的にはいろいろ考えさせる作品である。
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