スーパー・チューズデー 正義を売った日のレビュー・感想・評価
全30件中、21~30件目を表示
誠実でいたいだけ
ライアン・ゴズリングの無表情は迫力があって良い。
邦題がちょっと残念ですよね~内容を表していない気がします。
選挙活動ではありきたりなネガティブキャンペーン、相手の不利な情報をリークしたり、他の議員に支持を取り付けたり、そんなものは当たり前。それでも知事の信念や理念を信じて、彼の当選の為に全力を尽くすのが、ライアン演じるスティーブです。頭も切れるし、人の説得や求心に長けていて、演説の原稿を任せられたりするほど。
そんな優秀な彼が尊敬して、この人なら世界を変えられると本気で支持していた人は、自分が思っていたような立派な人物ではなかった。若い心はそれだけで裏切られたと感じるものでしょうけど、それを押し殺し、役立とうと懸命に手回しをするのですが……
テーマは、情熱のある若者も社会の洗礼によって冷徹な大人になる、とかそういうことでしょうか。
最初は食い入るように演説を見ていて、心酔しているかのような様子だったのに、最後はチラッとも見ていない。
全く関心を引かないものになってしまった。
その心の変遷を思えば悲しい。
少し、彼女へ向ける感情が説明不足な印象。
好きなの?本気なの?どっちなの!はっきりしなさいよ!
って感じです。
本気か遊びか分からないから、彼女に同情したのか、それとも愛していたから悲しんだのか、もやもやします。
雨の車のシーンは、それは色んな感情が含まれているのでしょうが、
どの感情が一番強かったのか、とはっきりさせればもっと良かったのに。
糾弾のシーンで表すのはどれだろうとワクワクしてしました。
切り捨てられたことへの怒り?それとも失望?それとも彼女への愛情?同情?
しかし、どれかの感情を強く表せばいいのに、彼が選んだのは無表情、です。
意味深です。感情をそいだ様。
選挙に勝つためなら、どんな汚いこともありの世界・・・
タイトルから一目瞭然だが、アメリカ大統領選の話。主人公は、選挙参謀の若きサブだ。どんな内容かと思いきや、想像以上にブラックだった。相手候補のスタッフを引き抜こうとしたり、支持をとりつけるためポストを用意するとか、生き馬の目を抜くような世界。かなりえげつない。それをまたポール・ジアマッティやフィリップ・シーモア・ホフマンなどがいやらしいまでにうまい演技を披露。そんな中、主人公がどうなってしまうのか、最後までハラハラドキドキさせてくれて、おもしろかった。最近絶好調のライアン・ゴズリングがそんな翻弄される主人公役をクールに演じ切って。かっこよかった。却って、大統領役で監督のジョージ・クルーニーの影が薄かった。ちょっとかわいそうかな?
選挙という名のゲーム
ジョージ・クルーニーの監督4作目である。「グッドナイト&グッドラック」は希望に満ちあふれた作品だったがこの作品には不穏な空気が漂う。それぞれ当時のアメリカの世相を反映しているのだ。
ライアン・ゴズリング演じるスティーヴンは希望に燃えている。モリス知事がアメリカを変えると信じて、彼を支えるブレーンとなる。敵対候補のチームに誘われても自分の信念を揺るがせず、それを断る。だがそれは嘘だ。モリス知事への忠誠心(劇中でも問われているが)が揺らいだから、会いに行ったのだ。仮にそういうつもりで無くとも、それはモリス陣営へのマイナスイメージとなる。この事件がきっかけでクビにされたスティーヴンはある行動に出る。
ここから映画は急激に面白くなる。ゴズリングは豹変するスティーヴンを見事に演じている。映画の邦題は「正義を売った日」となっているが、スティーヴンは正義を売った訳じゃない。正義のため、大義のために変わったのだ。政界という泥にまみれた世界に少しずつ染まっていく。まさに政治の暗部を明るみに出した瞬間だ。
だが完璧な悪人がいないのもこの映画のミソだ。モリス知事はアメリカを良い方向に変えていくことを信じて疑わない(たとえ不祥事を起こしてもだ)。汚い手を使ってくる相手陣営のスタッフ、予備選の特ダネ欲しさにスティーヴを脅す新聞記者。誰も彼もが自らの信念に基づいて動いているのだ。少なからずアメリカを変えようと。そこにクルーニーの希望が投影されている。
しかしエンディングでピクリとも笑わないスティーヴを見ると不安がぬぐえない。「もう何も信用出来ない」そんな世界に投げかける大きな怒りがここにある。
(2012年4月8日鑑賞)
サバイバル・ゲーム
もっと大統領選の舞台裏のうんちくを描いた話かと思いきや、陰謀渦巻くサスペンス・エンターテイメントとしてハラハラドキドキ見れて、好感。
クリーンな政治を行う。誰もが言うが、結局理想でしかない。
特にクリーンな者ほど政治の闇に汚され、そして生き残る。本物のサバイバルだ。
ライアン・ゴズリング演じるスティーブンの、映画の始まりと終わりの表情と心境の違いがそれを物語り、印象的。
「オーシャンズ11」のような娯楽作から本作のような社会派映画まで手掛けるジョージ・クルーニーの多才振りに改めて感服。本当にハリウッドの頼れる“兄貴”だ。
思ってた以上に見応えある一本だった。
結局、何だったのか
サブタイトル「正義を売った日」?ふざけないでくれ!
ストーリーの展開も単純で、全く盛り上がり場面なし。
ストーリーなんかもう1ひねりも2ひねりもできるのに。
大ドンデン返しを期待したこちらが悪いのか。
救われたとすればフィリップ・シーモア・ホフマンが期待以上であったことくらいか。
この作品でアカデミー助演男優賞にノミネートされたことは知っていたが、「ワンダーランド駅で」「マネー・ボール」ではくだらない役をやらせれていたので多くは期待していなかったのだが良かったよ。
正義なぞ通用しない魔界に囚われた男たち
事実上の大統領選となる民主党予備選の舞台裏を描く。
世論調査で優位なモリス知事の広報官スティーヴン・マイヤーズが主人公だ。
冷静かつ策士であり、細かいところにまでよく気がつく。この若き選挙参謀をライアン・ゴズリングがクールに演じる。
候補者マイク・モリスをジョージ・クルーニー、選挙運動の責任者にあたる選挙マネージャーをフィリップ・シーモア・ホフマン、対抗候補の選挙マネージャーをポール・ジアマッティが演じるなど、顔ぶれは豪華だ。
登場人物がよく整理されているうえ、馴染みの顔が多いので、ストーリーに集中できるのがいい。
話の初期設定は、選挙参謀の二人が二人三脚でモリスを有利に導き、1週間後に迫る選挙(スーパー・チューズデー)に向けて最後の攻防に入ろうとしているところだ。
その大事な時期に広報官スティーヴンがやってはならないタブーを犯してしまう。
これを機に、モリス候補絶対有利の状況が怪しくなる。
選挙に勝つという行為がいかなるものか、その裏側の駆け引きが暴かれていく。そこにはキレイ事ではすまない世界がある。
その攻防は対立する候補者だけに留まらない。それぞれに就いた者のキャリアと将来の命運が懸かっている。
各々が信念に基づき行動しながらも、損得勘定が“モラル”という壁を壊し始めていく。結局、自分が一番可愛いのだ。
忠誠を重んじる味方の参謀責任者、勝つためならどんな手でも使う対抗候補の参謀、そして戦況の変化に心が揺らぎはじめる主人公スティーヴン。はたしてモリス候補に隠された弱点はないのか?
そこに、まとまった票を動かせる大物議員の動きも加わり、その二転三転する攻防が良質なサスペンスとなって、スクリーンから目が離せなくなってしまう。
戦局を大きく変える人物は意外なところに潜んでいるもので、大きな落とし穴の口をぽっかり開いている。
最後に笑うものは誰か?
スティーヴンは正義なぞ通用しない魔界に足を踏み入れていく。
本音と建前
皆さん、こんにちは(いま4月4日3:50頃です)
アメリカの大統領選は長丁場で、あらゆることが
例えば人格批判などは日常茶飯事である。
選挙を取り仕切る参謀役もタフでなけりゃ務まらない。
でも、彼も人の子。時には遊びたくもなる。
そこに現れるのが美人インターンのエヴァン・レイチェル・ウッド。
僕は彼女のファンだから、彼女からの視点で見てしまうと、
ちょっと現実離れしてるかな~と思うところがあった。
若い参謀役のライアンとできてしまうのだが、
その前には大統領とも関係していて、
身ごもっていたという想定なんだな、これが。
それがわかっていながら、当たり前のように若い男と関係する、
ってこと、あるだろうか?もうちょっと悩んでもいいんじゃないか。
そんな微妙な心理が描かれていないような気がしたのだ。
そこを除けば、いろいろなどんでん返しがあって、
おもしろかったのだが。
見終わった時、何だか哀しかった。
政治家の選挙戦において、情報操作の責任者を務める、理想に燃える若いスティーブン。
そんな彼の、政界の汚れた側面に直面していく姿を描くポリティカルサスペンス。
題材が面白いと思った。
良いのか、悪いのか、どっちにでも転がりそうなお顔のライアン・ゴズリングが良い。
それに、フィリップ・シーモア・ホフマンとポール・ジアマッティ。
この人達も、悪くても良くても、不思議じゃない。
そんな、一癖もニ癖もありそうな役者さんが揃った作品。
権力。
人間らしい行動。
それに、裏切り。
お金。
女。
面白かったのだけど、盛り上がりに欠けたかな。
それにしても、大統領といえども、いえ、大統領だからこそ、こんなふうに作られるのだな~、こんなふうに生まれてしまうんだな~と思ったら、何だか哀しかった。
あの女じゃ仕方がない
政治ドラマで政策とか社会に貢献とかそういうのは特に関係なくひたすら下世話な欲望を描いていてむしろすがすがしくすらあった。とにかく、選挙スタッフの女がエロでどうしようもなく、あんな女がいたら現場が乱れるに決まってるし、でも何もかもどうでもよくなるくらいセックスがしたい。
本当に真摯に政治で世界がどう変わるのか、どう変えたいのかそんな政治ドラマが見たかった。
そのサブタイトルって…
政治と金と 駆け引きのお話です。 美男美女の共演で美しいですが、ストーリーは汚れてます。 きっと他国の政治家が観れば「アメリカだから…」なんて言い訳が聞こえてきそう。 場内の観客の中には、「モリスのモデルは クリ○ト○」なんて皮肉る人もいました、、苦笑
今もっとも旬な男、ライアン・ゴズリングの真剣な演技は 緊張感があって良かったけれど、大物俳優(ジョージ・クルーニー&フィリップ・シーモア・ホフマン)を前に ちょっぴり委縮気味(これが M・デイモンならもっとインパクトあったはず) もう少し 感情のメリハリをつけてほしいと思いました。
ヒロイン役のエバン・レイチェル・ウッドも今 注目の女優さん。 演技はわるくないのですが、キャラ設定が どうも安易。 エンディングに近づくにつれて、彼女を無知と見るのか・それとも弱者なのか、政治を学ぼうとする学生と見るなら 情熱を感じ得ず ただただ残念(決して彼女のせいではありません)。
助演キャストに マリサ・トメイとポール・ジアマッティを起用したのは 大正解だと思いました。
しかし、そのサブタイトルって 完全にネタバレじゃありませんか? いくら話が読めるとしてもね、ガッカリしちゃいます。。 大まかな内容は 政治スキャンダルなので難しくもないのですが、セリフが多く 政治用語なども多少解っていないと 私のように途中流れを見失う危険性アリです。 「ジョージ・クルーニーが作った ライアン・ゴズリングのプロモ」という見かたも付け加えておきましょう。 製作総指揮として レオナルド・ディカプリオも連名。 豪華共演という点で 一見の価値ありの3.5評価。 政治のこと・選挙(の裏側)が好きな方には さらにお勧めです。
全30件中、21~30件目を表示