劇場公開日 2012年3月31日

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「ブルータスは誰だ」スーパー・チューズデー 正義を売った日 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ブルータスは誰だ

2023年11月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

大きく掲げられたアメリカ国旗の前で大統領予備選のために演説する知事。その国旗の裏側で言い争う二人の参謀。選挙の表舞台と裏側の駆け引き、そんな政治サスペンスが見られると思っていた。一応、表向きはそれで間違いないが、少し違った見方もできる作品のようだ。

原題の「THE IDES OF MARCH」は3月15日という意味らしい。その日は、カエサルが暗殺された日。
「ブルータス、おまえもか」はアメリカでは親しい人からの裏切りを表す慣用句のようになっているらしい。原作のタイトルからわざわざ変えたのだから製作者からの回りくどいメッセージと捉えていいだろう。
それでは一体、誰が誰を裏切ったのだろう?
一番、誰が誰を信じていただろうか?「おまえもか!」と声を上げたくなるほどに悲しみにくれた人物は誰だっただろうか。
私と妻は意見が割れた。エンディングに何を感じるかでも見解が変わる。
「信念」と「妥協」は印象的なセリフでキーワードでもあるだろうから、一番信念を曲げた人物がカエサルのような気がするけれど、その人物すら観る人によっては違う人物になってしまう。
かなり面白い仕掛けのある作品だと思う。

ジョージ・クルーニーは監督としてはちょっと平凡な人だけど、本作では少しキレのあるところをみせた。
気のきいたタイトル、堅実な構成とカメラ、そして考える余白を持たせたエンディング。いい仕事をしたと思う。良作です。

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つとみ