「有能なスティーヴンに引き抜きを仕掛ける敵陣営のダフィ。引き抜きに乗...」スーパー・チューズデー 正義を売った日 supersilentさんの映画レビュー(感想・評価)
有能なスティーヴンに引き抜きを仕掛ける敵陣営のダフィ。引き抜きに乗...
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有能なスティーヴンに引き抜きを仕掛ける敵陣営のダフィ。引き抜きに乗ることなくボスのポールに報告するも、一度の躊躇から生じたミスを許さず、スティーヴンを解雇するポール。恨みから敵陣営に寝返り暴露すると思い悩み死んでしまうインターンの女の子。インターンの死を契機に、その秘密をネタに知事候補を脅し、復帰するスティーヴン。代議員の票を抱える議員に副大統領のポストを用意して抱き込むお土産を持参して、見事に大統領候補の選挙参謀トップに返り咲く。
政治の世界とは、表向きの綺麗事が並んだ演劇に過ぎない。登場人物に夢を語らせ、聴衆にひとときの娯楽を与える。そこで話される言葉にはなんの意味もないし、そこに登場する人物は本当は誰一人としてどこにもいない。あるのはポストを巡って取引されるゲームの結果、生じた幻影があるだけ。
一つ興味深いのは、裏の世界で行われる出来事がそこまで腐っていないこと。インターンと関係を持ったことはともかく、モーリス知事も政治思想はとてもリベラルで筋が通っていて、ただのマネキンではなく、政治家としての資質には信頼するに足るものがある。マネージャーのポールにしても、忠誠心を重んじ、スティーヴンの裏切りも受け入れる政治屋としての度量もある。敵陣営のダフィにしても、タイムズのアイダにしても、決して人間が腐ってるわけではなく、プロとして仕事を全うするプロッフェッショナリズムを持っている。それぞれが懸命にプロとして仕事をしているところに共感もし、またよりリアリティがあるものになっている。
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