「理想の政治家に賭けるかどうか」スーパー・チューズデー 正義を売った日 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
理想の政治家に賭けるかどうか
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総合:70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
対立候補の弱点を突き、論点をどこにするか決定し、誰を味方につけるのかそのために何を提供するのか、政策は何か、演説はどうするのか、選挙に勝つには様々なことを進めていかねばならない。そんな選挙戦の技術と汚れた裏舞台を面白く見せてくれるのかと思って期待していたが、選挙の裏舞台といっても対立候補相手ではなく内輪揉めに近い内容だった。
常陽な話だと言われ、何か情報交換や取引だってするかもしれないし対立候補の選挙参謀と面会するのがそんなに良くないとは思わなかったが、会うこと自体も罠になり相手陣営を混乱させる。この人こそはと賭けた一見理想的で爽やかで妻とも上手くいってそうな州知事も、裏ではだらしないところも政治的妥協も見せる。記者はころころと状況に合わせて態度を変える。そして自分を雇っている候補を脅してまで職を得ようとした主人公の最後の能面のような表情が、良い人の少ないこの世界に生きることの厳しさとなって表れているようだ。
理想の政治家に賭けるかどうか、それとも自分の利益を追求するか、賭けた人が理想と異なっていたらどうか、そんなことを問われていた。
選挙に勝つための戦術・技術やそのための人の努力についてもっと見せてほしかった。陣営内の利益で冷淡に人を切る人間関係が話の中心となっていて、興味が削がれた部分がある。また若い実習生が自殺したのも突然で展開が分かり辛い。そこそこ楽しめたが、もっと良くも出来たとも思う。
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