「この既視感は何なのか…」チェンジリング うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
この既視感は何なのか…
今まで見ないまま過ごしてきた、イーストウッド作品のいくつかのうちひとつ。
長さを感じさせないストーリーは、丁度いい展開にまとまっているからなのだろう。終わってみれば、深く考えさせられるいつもの余韻に浸る。やっぱり彼の映画は独特の間があり、「何か意味があるに違いない」と思わせる何かがある。
TRUE STORY
ということらしいが、信じられないほどの警察の怠慢と傲岸不遜。連続殺人鬼の不気味さ。行方不明だった息子の秘めたる勇気。それを伝え聞き魂の癒しを得る母親。息子に成りすました少年の謎の動機と、本気で地獄行きを心配する苦悩。
など、「これでもか」というくらい沢山の語るに難しい要素が詰まっている。
少なくとも、友人に「どんな映画?」と聞かれても、ひと言では言い現わすことが出来ない、多面的で、それでいてしっかりと太い幹のストーリーがある。
俳優たちの演技も見ごたえのあるものばかり。アンジェリーナ・ジョリーも、抑制の効いた演技で、苦難を乗り越えていく強い母親を演じている。
それにしても、「なんか見たことがある」気がするんだよなあ。
2020.9.4
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