「There will be blood」ゼア・ウィル・ビー・ブラッド Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
There will be blood
冒頭シーン。自分だけの力で大地を掘り、命がけで仕事に打ち込み、最初の報酬342ドルを手に入れるダニエル。ここがすべての原点だ。
彼は、自分の欲望を達成させるに足る、必要な能力を十全に備えた男なのだ。欲望はあるが、肝心な能力の足りない人間とは迫力が違う。
彼は宗教を信じない。自分の不文律のルールに従う。自分の領域に入ってきた「敵」への容赦ない攻撃とペナルティ。
そして、強い精神的武装。目的のためなら、たとえ屈辱を受けてもものともしない。
一方、労働もせず、偽善で神を語り、欲望を達成するためには金の無心も厭わなないイーライ。
ラストで二人の積年の決着が付く。
「石油」と「宗教」と「血縁」の呪いが噴出し、題名の「いずれ血に染まるだろう」の意味が胸に迫る。
息子とのシーン。列車の中で赤ちゃんがヒゲを触る場面をはじめ、長いカメラ回しがグッとくる。
息子への丁寧な愛情がにじむ。
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