「吸い尽くす」ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
吸い尽くす
冒頭、セリフのないシーンが続く中で不穏な音楽が流れ一人黙々と作業をする男。
採掘現場の大掛かりなセットとリアルで痛いッ!と思わせる事故シーンなど、とにかく何かが起こりそうでハラハラして退屈になることはない。
一攫千金を狙った成り上がり男の浮き沈みを描いているかと思いきや物語の方向性は、全くもって訳が解らなくなりソコがまたイカれていて凄まじい。
P・T・アンダーソンは次作で宗教に縋ろうとする男を描くが、本作では神を否定する男をまるで怪物のように描いているのは気のせいか?
石油を掘るだけではない、人を埋める為にも掘っちゃうD・デイ・ルイスの存在感は逸品。
映画音楽として素晴らしい手腕を発揮するJ・グリーンウッドは無敵すぎる。
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