バンテージ・ポイントのレビュー・感想・評価
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面白さがつまっている90分
短時間でまとまってます
リメイク・ザ・羅生門スタイル。
一つの出来事を、多視点から捉える、繰り返すという往年のクロサワ映画でいう「羅生門」スタイル。
僕は、このスタイルでは「アモーレスペロス」が秀逸な作品だと思っていましたが、娯楽性においては、この「バンテージポイント」に軍配が上がる。
また、観終えて、真っ先に浮かんだのがここの所続く邦画界のクロサワ映画へのリメイク。
過去の作品をリスペクトするのは間違いではないが、リスペクトに終わらず、追いつき追い越せの精神を忘れてはイカンと思ってます。古典とは、こういう形で発展させなきゃ!と強く思いました。
さてさて本題の映画レビューですが、突っ込もうと言えば突っ込むところはいくらでもあるのですが(テロリストが極悪に徹しきれていないところとかは痛い!!)、欲を言えば、テロリスト側のバックボーンを台詞の説明だけでは終わらせて欲しくなかった。
オープニングからグイグイ引きこむだけに、登場人物へ感情移入しにくく、一傍観者として終始してしまうのが残念なところ。
良い点としては、それぞれのエピソードが、ちょうどいい「おい、もうちょっとこの先を見せてくれよ!!」と言うところで切れており、常に大好きな番組の「次週に続く・・・」みたいな気分を味わえるので鑑賞中の緊張感が高く、エンディングに向けて収束していく際には十分なカタルシスが得られるというサスペンスドラマとしては一級品。
一人で観るもよし、デートムービーにもよし。
(オマケ)
シガニー・ウィーバー出演もエイリアンは出てこないので怖くも無いので◎。
ソニー製品はすごいってこと?
マシュー・フォックスがなんとなく怪しい…っていうのがすぐにわかってしまうので、なんかもうちょっと上手く引っ張ってほしかったところです。
同時刻に別の場所で……というのは「24」を彷彿とさせるので、「24」の映画版もこんな感じになるのかなぁ…などと考えながらみていました。何度も巻き戻しされると飽きてきそうだったんですが、90分とわりと短めなのでほどよい加減かもしれません。カーチェイスは迫力満点。
それにしても、フォレスト・ウィッテカーの役は、結果オーライみたいなところがありますけど、かなり余計なおせっかいな観光客ですね。下手すれば捜査の邪魔になりかねない。あの役はソニーのハンディカムをひたすら宣伝し続けるための役だとしか思えてなりませんでした(笑)
あとはテロリストのリーダーが使っていたPDAみたいなの、なんでもかんでも出来ちゃってスゴイですけど、あれもソニー製品?(笑)
秀逸サスペンス
もう少し長くても良いのでは
アイディアに頼りきりの脚本に問題あり
めっちゃ,おもろい。
ぐいぐいと行く
常にハラハラドキドキ
感無量です・・・(;´Д`)
第一級のサスペンス。
スペイン・サマランカでのテロ撲滅サミットに出席するアシュトンアメリカ大統領が、何者かに狙撃された・・・。同時に、爆発事件も起こり、混乱する現場。一年前に、大統領を守って銃撃を受けたバーンズ警護官が、犯人を追うが・・・。
同じ瞬間を、異なる視点から描き出すリワインドと言う手法をとって、バーンズ他、今回の狙撃に関係する8人の視点・立場から、狙撃の瞬間を描いている。なので、都合、8回狙撃シーンを見ることになるのだが、それぞれの視点・立場での映像を見るごとに、一つ一つのナゾが溶けていくと言う作りになっている。ただ、それが一筋縄ではいかない。誰かの視点・立場での映像では、こちらの人物がメチャメチャ怪しい感じに描き出されてしまうのだが、視点・立場を変えた別の映像では、その怪しい感じは払拭され、また別の疑惑が・・・と言う感じに物語の最後まで、ナゾは残された感じに描かれる。最後まで、目は離せないし、離さないほうがいいでしょうね。
宣伝コピーの「誰も信じるな。何も見逃すな。」というのは言い過ぎの感は否めないが、話が進むにつれ、怪しい人物が色々と現れたり、「ええぇっ!」と思うような、見ているものを裏切るような話(アシュトン大統領の件とか)になっていたりと、サスペンスの王道を行く感じのストーリーではある。これも宣伝コピーの話であるが、”8つの異なる視点"とコピーでは謳っているが、”8つの異なる立場”と言った方がより適切な感じがする。
時間は、90分と短い作品ではあるが、次々に物語が進んでいくので、ちょうど良い長さではないだろうか。あれ以上短いと話にならないし、あれ以上長いと冗長だろう。スペイン風の街中での映像になっているが、実際にはメキシコで撮影したらしい。やっぱり、列車爆破テロを経験したスペインは、この手の映像には敏感になっている? 劇映画としては、十分楽しめる映画です。
奇跡の傑作
心臓疾患をお持ちの方は、決してこの作品を見ないようお薦めしておきます。
スペイン・サラマンカ、マヨール広場で起こるアメリカ大統領の狙撃事件。その事件が起こって、解決するまでのわずか1時間程度に起きるクライシスを描いた作品です。
『24』が24時間を追いかける作品であるのに、こちらは90分に1時間の緊張をいっぱい詰め込んだ作品になっています。『24』ワンシリーズの通しを90分で見たような密度の濃い作品でした。
緊張感は半端なものではありません。
始まってすぐ不意打ちのように大統領が暗殺され、大音響でマヨール広場が爆発。多くの死者を出してしまいます。いきなりの銃音と爆発音に思わずのけぞるくらい驚きました。ここからストーリーは、現場に関わった8名の視点から、事件の顛末を解明していきます。ほぼ10分少々の短い時間の中で、くどいように大統領を紹介する地元市長の演説が繰り返されるので、飽きてくるのではと思われるでしょう。
けれども8回にわたる暗殺シーンをリピートする中で、徐々に真実に向けて、事件に関わってきた人物とその背景を明らかにしていくので飽きがきません。そして8人それぞれのシーンが次のシーンの重要な複線になって、「どうなるの」「そう来たか!」と観客の注意と期待感を逸らさないようになっているのです。
「HEROS」のような群像劇では、立ち上がり登場人物の説明シーンが続き、盛り上がりに欠けます。この作品は、8人のシーンのリピートの中で、だんだん繋がりが見えてきて飽きさせませんでした。スピード感溢れるこの監督の演出はすごいし斬新と思いました。
特にすごいのは、テロ犯人とバーンズのカーチェイスシーンです。スピード感やデンジャラスさは群を抜いており、これまでのカーチェイス作品でベストワンと言っていいでしょう。
ただ惜しいのは、もう少し大統領の身代わりとなって撃たれて、復帰したバーンズの内面にある葛藤や恐怖感を描いて欲しかったです。
あまりの緊張感で、心臓疾患をお持ちの方は、決してこの作品を見ないようお薦めしておきます。
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