「大統領警護アクション映画ブームの火付け役」バンテージ・ポイント odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
大統領警護アクション映画ブームの火付け役
シークレットサービスの大統領警護アクション映画としてはジェラルド・バトラーのエンド・オブ~シリーズ(エンド・オブ・ホワイトハウス、エンド・オブ・キングダム、エンド・オブ・ステイツなど)があるが本作はその先駆け的な映画。大統領を守って負傷したバーンズ(デニス・クエイド)が現場復帰、またもやテロに襲われるが孤軍奮闘で職務全うというお話。
大統領の狙撃シーンはスペインのマヨール広場の設定、一行の到着から狙撃の後、爆弾まで爆発し逃げ惑う群衆と容疑者の追跡などのシーンを何回も繰り返すとは・・。
3回目あたりから、大勢のエキストラを導入して爆破まで行うのだから一度では元がとれないからかと思い、くどさが鼻につぃて来たのだが視点が変わるので伏線を見逃すまいと見てしまう。
タイトルがバンテージ・ポイント(観点)というだけあって凝ったひき込み方でした。
スペインの許可がとれず実際の撮影はメキシコ、カメラは15台も使ったらしい。そうまでやっておいて本命はホテルとは嵌められました。
敵の本拠地への報復爆撃の許可を求める側近にネガティブな大統領というのも信じがたいハト派です、9.11から7年も経っているしブッシュへのあてつけもあるのでしょう。
実はこの映画、以前に観ていたことに気付いたが派手なアクション・シーンに釣られて再鑑賞、二度目となるとアラも見えてくるので悪しからず・・。
遠隔操作での狙撃や爆破などは「ジャッカルの日(1997)」もどき、カーチェイスも見どころだがスポーツカーでなく平凡なハッチ・バック(オペル・アストラ)にしたのがいいですね、羊の皮を被った狼のごとくタフでした、ただクラッシュしてもエアバッグが出ないのは撮影ミスかしら。
気に入らないのはシークレット・サービスの仲間の裏切り、テロの実行犯が弟を人質にされて手を貸した設定なのに同僚の方は確信犯、シークレットサービスでそんな人選ミスはあり得ないでしょう。視点を変える為に観光客(フォレスト・ウィテカー)のハンディカメラが必要だったのは分かりますが子供まで危険に晒して善い人演出は雑味っぽい、これだけ派手なアクション映画なら直球勝負でも行けたと思いますが色々捻ってみたかったのでしょう。