劇場公開日 2008年1月26日

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テラビシアにかける橋のレビュー・感想・評価

全48件中、41~48件目を表示

5.0こころがいかに錆びついているのか思い知らせる作品です

2008年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

一応ファンタジー映画なのですが、それを目打てに行った人はガッカリするかもしれません。現実の世界と空想の世界が混在していて、あくまで現実の世界が主体の話しだからです。

 主人公の少年ジェスは、学校ではいじめられっ子であり、家庭では心を閉ざしてしまい、父親ともうまくコミュニケーションが取れません。どこかの古い王国の勇者の物語でなく、至ってどこでもいそうな普通の少年が主人公です。
 昔いじめられたり、悲しい子供時代を過ごしたことがある人なら、凄く感情移入できるでしょう。

 孤独なジェスに救いとなるのが、転校してきたレスリーでした。並外れた空想力を生み出すクールで大きい目がとても印象的で、しかも男の子と競争しても勝てる俊足ぶり。心を閉ざしたジェスでも、チャーミングなレスリーに惹かれていったのです。
 2人はだんだん意気投合して森の中に2人だけの秘密基地を作ります。そしてレスリーの空想はだんだん膨らんで、その場所は、心の中で念ずれば全てが現実となる「テラビシア」という王国となったのです。

 王国建国後は、レスリーのイメージが進むほど、空想が現実に取って代わることがけ多くなり、モンスターの襲撃シーンが増えてファンタージー映画っぽくなりました。ただ、どんなに頑張っても、それがレスリーの空想であることが解っているとどうしてもシラけるのですね。その辺が大人になることの悲しさで、純粋に空想を楽しめきれず、本筋の現実社会での二人の視点で、見てしまいます。その辺の感性が、この作品の評価の分かれ目でしょうね。

 二人の学校生活は、相変わらず問題続きでした。でも二人にとって「テラビシア」とは空想の世界に逃げ込むところでなく、心の奥深くを見つめることで心の力を解き放ち、無限となって、現実世界へ生きる活力を還元していくところのように見えました。
 皆さんにも、どこかホッとなれる場所や童心に戻れるスポットがあるはずです。「テラビシア」とはそんな場所なんですね。(じゃあ、キャバクラが「テラビシア」だって(@_@)、ハハハッ~)

 この作品は皆さんの感性、心の力を問うています。
 心の力は、現実にあり皆さんの運命を左右する大きな力を持っています。けれども大人になる中で、現実に敗北させられて、誰も心の力なんぞ信じなくなっています。
 ラストの素晴らしいイマジネーションに触れるとき、こんなことまでイメージできるなんて素敵だと思いませんでしたか?いかに心が現実にあって酸化して、錆びついているのか思い知らせることでしょう。

 「テラビシア」は皆さんのこころの中にあります。レスナーと一緒に「テラビシア」をイメージできたら、それは皆さんの現実の逆境を跳ね返す心の力となります。
 そして子供が見れば、いじめに会ってもこうすれば元気で頑張れるきっかけになることでしょう。でしょう。

●ここから相当にネタバレ編
 「テラビシア」と現実世界の間には小川が流れていました。二人はこの間をロープで渡っていたのです。
 段々、小川の水かさが増した頃、一人で渡っていたレスナーは死んでしまいます。悲しみに暮れるジェス。思わず妹に八つ当たりしてしまいます。
 このときのジェスの父親の言葉が印象的でした。
 「彼女に何かを貰ったろう・・それを大事にしまっておけ・・そうすれば彼女は生き続ける」
 大切な人との別離。それは一時の絶望に陥ります。もう二度と会えません。けれども、何かのきっかけで、心の力を呼び起こせば「永遠」を思い出せるものではないかと思います。ジェスもそれを見つけて、行動を起こします。

 「この橋を渡れば、またきみに会える」というコピーは、ある意味この作品の全てを語っています。
 ジェスの作った橋は、単に妹との仲直りの為だけでなく、この現実の岸と彼岸の永遠の世界を繋ぐ架け橋であったのです。
 きっとジェスは「テラビシア」に来るたび、レスナーと出会い、心の力を取り戻して、素晴らしい絵を描く、画家に育っていくことでしょう。

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流山の小地蔵

4.5予想はできたが、思わず涙

2008年2月16日

泣ける

幸せ

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A.KI.

5.0子供から大人まで、創造力を取り戻せ。

2008年2月12日

泣ける

悲しい

楽しい

成人した4人の子供のいるすれっかからしの50歳の大人でも、胸が熱くなった。家族、学校に何となく疎外感を抱きながら暮らしていた少年の前に、ある日、自由で、明るく、くじけない少女が現れる。お互いの感性にひかれ友人になり、裏山に空想の国を創り、創造の世界で思い切り羽を伸ばす二人。このあたりは、野山で遊んだ記憶もよみがえり、子供心もうずき、爽快だ。しかし悲劇が訪れる。自責の念に閉じこもる彼を救ったのは、家族・父であった。現実を受け入れ、自分の意志を大事に生きていく決心をした少年に昔の姿はなかった。子供から大人まで、できるなら一緒に見て欲しい作品だ。

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cinemax1957

3.0女性向きですね

2008年2月11日
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フリーダ

3.5劇場のあちこちから涙する声が

2008年2月11日
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The Dude

5.0あなたに逢いたい。

2008年2月7日

泣ける

悲しい

楽しい

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ハチコ

4.0情緒的しょぼさ。いい映画よ。

2008年1月31日

泣ける

笑える

幸せ

 映画史に残るしょぼいファンタジー。良い意味でね。そのしょぼさがなんともいえないのだ。いや、良い意味でね。

 まず主人公。額に雷の形の傷跡があったりどこかの王国の王位継承者だった、なんてことはない。クラスに一人はいた昼休みは教室で本を読んで過ごすようなやつ。(リアル福満しげゆき)ちなみにこいつのおやじはターミネーターだ。女の子の方は平凡なキーラ・ナイトレイ激似の中二病患者。だって壊れた車を見ていきなり「これは…ダークシーカーにやられたのね…」なんて言いだす。こっちが恥ずかしくなる。しょぼい。

 ファンタジーっていうものは現実世界と幻想世界をつなぐ存在というものがある。ハリポタなら汽車だし、パンズ・ラビリンスだと秘められた井戸だった。
 でもここでは一本のロープなのだ。ロープで川の向こう岸に渡ったらはい、ファンタジー世界よ。というお手軽さ。しょぼい。

 冒険の目的も「○○を倒せ!」とかいうんじゃない。「無くなった親父の鍵を探せ!」という感じ。(しかも無くしたのは主人公。)しょぼい。でもこの映画のえらいところはそれでファンタジーを描いているところ。

 でもね、泣けちゃうんです。こんな内容ですけど。クライマックスになるにつれてあ、あぁ、ってなっちゃう。ネタバレしないから上手く伝えられないけど「いたるところにいるんだなぁ」とかタイトルの意味とか考えちゃう。
 身近に感じる主人公だからこそ感情が入ってしまう、しょぼくも素晴らしくもある作品でした。

いくら先生が美人だからって一人で美術館行ったらダメよ。

 美人女教師とカイル・クーパーによるタイトルバック映像が見どころ。さすがにカイルはいいセンスだ。

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johnny5814

4.5少年の成長譚/素直に泣ける映画でした

2008年1月30日

泣ける

楽しい

幸せ

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veru
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