テラビシアにかける橋のレビュー・感想・評価
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劇場のあちこちから涙する声が
少年と少女の孤独な日常、そして悲劇の末の喪失感が、ありがちなハリウッド映画とは全く違う感性で描かれているのが意外だった。クスポという監督の、あくまで少年の等身大の視点を追っている点に好感を持った。撮影のチャップマンの功績もあるだろう。周辺の大人の人物像も含めて、単なる子供の映画の域を超えている。
残念なのはテラビシアをCGで表現しすぎたこと。アクションシークエンスは不要だったし、もっとアナログ技術で想像力を表現しても良かったのではないかな。選曲ももう一つ。
雨の別れ以降は少女の姿を一切出さず、最後のシーンの少年の眼差しに観客の想像の全てを託す。観客の想像の力を信頼してくれる。
…だからこそ、ハデなCGが不要に思えるのだ。もっと王国を想像させて欲しかった。
あなたに逢いたい。
いや~素晴らしい!!本当に素晴らしい作品でした。
内容といい、上映時間といい、いうことないです。拍手!
もしこの作品を、タイトルでSFファンタジー映画だと判断し、
単なる子供作品だろうと、たかをくくる大人世代の皆さん、
ぜひご鑑賞をお薦めします。久しぶりに心が洗われます♪
さすがに国際アンデルセン賞を受賞した児童小説、とあって
その世界観と説得力において抜群の出来なんですが、例えば
秘密基地保持・空想家・マンガ、小説好きなんていう子供時代
を過ごした経験があればよけいに思い入れも深くなるでしょう。
私なんてまさに、夢想・空想・妄想の中で生きてましたから^^;
女姉妹だらけの中でひとり、どうも存在感の薄い主人公の少年、
学校じゃ貧乏人の息子と虐められ、家では我慢ばかりの毎日。
女教師に憧れるごく普通の男の子に、ある日突然できた親友は、
隣の家に引っ越してきた、しかもまた女の子!(爆)
これまた男勝りで活発、駆け足で彼女に負けた主人公は最初
悔しくて彼女を避け続けますが、同じ価値観を持っているのに
共感、だんだんと心を開き、二人で森の王国「テラビシア」を
つくり始める。(もちろん空想の賜物)
この話の素晴らしいところは、あり得ないファンタジーを
そこへ持ってくることでなく、誰もが持っている遠い日の記憶を
自分の中に呼び覚ましてくれるところにあります。
それが楽しい思い出だったり、辛い出来事だったり、
そんな過去を経験してこそ、今の自分があることを実感できる。
名作「スタンド・バイ・ミー」が語る過去の友情が色あせないのは
常に自分の傍にいてくれた(両親や先生以外の)頼れる救世主が
その時の自分の精神上の王国を築き上げることに、多大な力を
与えてくれたから。駆け引きのない、値踏みをしない思いやりは
どうして大人になると、なくなっていってしまうんでしょうねぇ。
テラビシアという空想上の王国は、彼が彼女と友情を育みながら、
成長していく過程に欠かせない場所でした。
誰にも侵入させなかったその場所に橋をかけ、妹を連れて行った
主人公の成長ぶりが眩しくて、嬉しくて、ボロボロ涙が出ました。
ふと、私は今どんな大人なんだろう…と自問してしまったけど^^;
余談ですが、あのT-1000!お父さんになってたなんて!(汗)
(この主役二人&妹は上手いですねぇ♪テラビシア賞をあげたい。)
情緒的しょぼさ。いい映画よ。
映画史に残るしょぼいファンタジー。良い意味でね。そのしょぼさがなんともいえないのだ。いや、良い意味でね。
まず主人公。額に雷の形の傷跡があったりどこかの王国の王位継承者だった、なんてことはない。クラスに一人はいた昼休みは教室で本を読んで過ごすようなやつ。(リアル福満しげゆき)ちなみにこいつのおやじはターミネーターだ。女の子の方は平凡なキーラ・ナイトレイ激似の中二病患者。だって壊れた車を見ていきなり「これは…ダークシーカーにやられたのね…」なんて言いだす。こっちが恥ずかしくなる。しょぼい。
ファンタジーっていうものは現実世界と幻想世界をつなぐ存在というものがある。ハリポタなら汽車だし、パンズ・ラビリンスだと秘められた井戸だった。
でもここでは一本のロープなのだ。ロープで川の向こう岸に渡ったらはい、ファンタジー世界よ。というお手軽さ。しょぼい。
冒険の目的も「○○を倒せ!」とかいうんじゃない。「無くなった親父の鍵を探せ!」という感じ。(しかも無くしたのは主人公。)しょぼい。でもこの映画のえらいところはそれでファンタジーを描いているところ。
でもね、泣けちゃうんです。こんな内容ですけど。クライマックスになるにつれてあ、あぁ、ってなっちゃう。ネタバレしないから上手く伝えられないけど「いたるところにいるんだなぁ」とかタイトルの意味とか考えちゃう。
身近に感じる主人公だからこそ感情が入ってしまう、しょぼくも素晴らしくもある作品でした。
いくら先生が美人だからって一人で美術館行ったらダメよ。
美人女教師とカイル・クーパーによるタイトルバック映像が見どころ。さすがにカイルはいいセンスだ。
少年の成長譚/素直に泣ける映画でした
原作は未読なのであまり偉そうなことはいえないのですが、宣伝文句通り大人も十分に楽しめました。
むしろ、子供よりも大人の方が楽しめるかもしれません。
子供の頃の懐かしさと、大人になると忘れがちな大切なことを思い出させてくれる映画でした。
空想世界の話ばかりかと思いきや(前宣伝等をあまり見ていなかったので、てっきりそれがメインだと思い込んでいたんです)内容はどちらかというときちんと現実を見据えた…地に足のついた人間ドラマの物語。
後半はジェスに感情移入してばっかりで、思わず泣いてしまいました。
様々な人間模様もけしてあやふやなまま終らせず、きちんと綺麗にまとまっていたので個人的にはとてもすっきり。
最後は切ないけれど、胸が温まる良い映画でした。
お子さんに、というよりも、現実に疲れた大人の方に是非オススメしたいと思います。
余談ですが。
――この橋を渡れば、またきみに会える。
映画を観終わった後この文句を聞いたら、思わずじんと胸が熱くなってしまいました。
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