「走魂」奈緒子 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
走魂
初鑑賞
2007年制作2008年公開作品
原作未読
監督と脚本は『ロボコン』『ホームレス中学生』『武士道シックスティーン』の古厩智之
脚本は他に『藁の楯』『永遠の0』『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』『空飛ぶタイヤ』『糸』『太陽は動かない』『護られなかった者たちへ』の林民夫
暗い過去を背負った2人の青春モノ
駅伝に青春をかける雄介と応援する奈緒子
奈緒子が幼少のころ喘息の療養で長崎県波切島に訪れた篠宮家3人
島へ向かう送迎の漁船から海に転落した奈緒子を救った雄介の父・健介は直後の事故で亡くなった
壱岐家に訪れた篠宮家3人は健介の仏壇に手を合わせにやって来たが「父ちゃんを返せ」と奈緒子を詰る息子・雄介
それから高校生になった二人は東京で行われた陸上100メートル選考会で再会するも蟠りは消えてはいなかった
駅伝大会に出場する雄介を応援するため飛行機で単身九州を訪れた奈緒子は飛び入り参加で波切島高校給水係アシスタントに任命される
奈緒子の給水を拒否した雄介は脱水症状で途中棄権してしまう
奈緒子は波切島高校陸上部夏合宿に臨時マネージャーとして参加する
今は亡き三浦春馬とのだめの上野樹里が若い頃に共演した良作
話の内容としては暗めになるはずも駅伝のおかげで熱いのものになった
クライマックスは長崎県高校駅伝大会
キャッチコピー「君のために走る」とあるが決して奈緒子1人のために走るわけではなかった
なぜタイトルが『奈緒子』なのか
2人の過去は掴みのつもりだったのかもしれないが終わってみると触りになっておらずむしろそのエピソードは障りだった
シンプルな駅伝モノにすれば良かったのではないか
奈緒子という余所者が最後まで異質な存在だった
三浦春馬単独主演にマネージャー役の佐津川愛美をヒロインにした方がもっと良かったはず
波切島高校陸上部顧問が長崎弁ではなく関西弁なのは気になった
東北出身の設定なのに関西弁を喋る浜田雅功の映画デビュー作を彷彿させた
陸上部に坊主の息子で佐々木という者がいた
合宿でも日課であろう念仏を唱えていた
チームメイトはそれに寛容だった
なんとなく柳沢慎吾に似ていた
綾野剛が今よりだいぶ精悍な顔つきだった
雄介のチームメイトそれぞれにスポットライトを浴びせているのがいいですね
絵師伝の醍醐味を感じます
なにかといえば世界に通用しないものはダメだと主張する奴はいるけど日本人の多くが好きなら世界ではマイナーでも別にいいじゃんと改めて思いました
自分は鉄オタではないが三浦春馬&綾野剛の走りを応援するかのように並走する緑の路面電車が良い
東京の高校に通う篠宮奈緒子に上野樹里
長崎県波切島高校陸上部下級生の壱岐雄介に三浦春馬
長崎県波切島高校陸上部顧問西浦天宣に笑福亭鶴瓶
波切島高校陸上部マネージャー・吉澤結希に佐津川愛美
長崎県波切島高校陸上部上級生の奥田公靖に柄本時生
九州の他校の駅伝選手・黒田晋に綾野剛
西浦に膵臓癌を宣告する医師・嶋田久作
雄介の母・壱岐和子に奥貫薫
雄介の父・壱岐健介に嶋尾康史
奈緒子の母・篠宮加奈子に山下容莉枝
奈緒子の父・篠宮隆文に光石研