その名にちなんでのレビュー・感想・評価
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あまりに早すぎる名優の死を悼む
私が初めてイルファン・カーンを意識したのがこの映画だった。本作でカーンは青年役から徐々に年を重ね、最後はそれなりの風格漂う一家の主人となっていく。いわばインドからアメリカ、ニューヨークへと移り住む彼とその家族のクロニクル。文化や言葉、家族、世代の間で巻き起こる衝突をちりばめつつも、そこには確かな眼差しと暖かさがあった。何が起ころうとも、この家族ならば乗り越えていけるのではないか。そんな確信めいた思いが私の胸には熱く込み上げていた。それはひとえに父親役イルファン・カーンの、熱心で、真面目で、かたくなで、時に人の良すぎるところもある人柄のなせる業。この主演俳優の存在感は、見る側にとっても「身近な誰か」を思い起こさせる。それこそ自分の父親や祖父や人生の恩人を、彼の姿に重ね合わせてしまう人も多いのではないか。そんなイルファン・カーンが2020年4月に逝った。享年53。あまりにも早い名優の死である。
アメリカに移住したインド人のお話
原作が、ジュンパラヒリさんだったので、借りて鑑賞。
自分に付けられた名前。
成長するにつれて、違和感を覚えるようになる。インド人を親に持つアメリカ生まれの男性。現地で女性と一緒になり、アメリカ式の名前に改名する。
文化に適合するのは、どこの国でも一筋縄にはいかないらしい。
アイデンティティが問われる作品。
アメリカで移民として生きていくこと
「インドからの移民の息子が、自身の名前GoGolの由来に悩む。(ドストエフスキに並ぶ、ロシアの有名な文豪と同じ名前らしいです。しかも、かなりの変人。)紆余曲折の後、自己のアイデンテティを確立する・・・。」というお話です。Namesakeとは「その名にちなんで」という邦題そのもの。アメリカのボストンやNYCなど大学や研究施設のある町には、驚くほどインド人があふれています。ナイアガラの滝に行ったとき、たまたまなんでしょうけど、カフェがほとんどインド人に埋め尽くされていたとき、妻が「ここ、インド?」と言った位です。そんな彼らのバックグランドや苦しみがよくわかる映画でした。秀作。
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