ダージリン急行のレビュー・感想・評価
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小津安二郎監督の匂いがする
「なんで、父さんの葬儀に来てくれなかったの?」
『行きたくなかったのよ」
なんか、小津安二郎監督の匂いがする。
「過去は戻らないわ」
この言葉がイイね。
今、ハノイからニャチャンまでの寝台車の中で鑑賞。こんな個室の部屋じゃないけどね。
もうすぐ、ニャチャン。
2025年4月4日20時23分着
ベトナムにスキューバやりに来たんだけど、Cカードて言うライセンス持ってくるの忘れた。
どうしよう。
所で、ビル・マレイは?
この後、ビルマへ行けなくなってしまった。被害にあった方にご冥福をお祈りします。
意味不明
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父の死をきっかけに3兄弟が長男の提案でインド旅行に行く。
最初は何かとかみ合わないが、徐々に打ち解けて行く。
で、来るなと言われていたのに、修道院をしている母に会いに行く。
母は温かく迎えてくれたが、相容れないものがあった。
翌朝、母はいなくなってた。
で、帰る。
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次男かな?背の高いおっさんが戦場のピアニストやった。
ストーリーとしては長退屈やった。
おれの最も苦手とする、目的なくダラダラと日常を描く映画だったから。
結局最後、3人揃って旅行かばんを投げ捨て、電車に乗る。
意味がわからへん。急にシュール過ぎるやろ。
財布はちゃんと出しといたんかとか、心配になってしまったよ。
心の救済の旅
言葉で表せないカタルシスを感じる映画。
映像が静かに流れ、情景の美しさや登場人物の心情をよく感じ取れる。
電車の外装・内装どちらもオシャレ!
電車に乗っていなくたって、どのシーンも絵画のように美しい。
「友達になれるかな 兄弟でなく人間として」
中盤、末っ子のジャックがポツリと言った独り言の答えが、セリフとして言われていないけれどラストで表されている。
最後の最後に長男フランシスが最初と同じ言葉を言うが、とても爽やかで心に残る。
いつの間にか自分や人間関係を縛っていたものから解き放たれ、人間として友人となれる過程がとても良い。
挿入される曲がどれも絶妙に良い。
特に、エンドロールの曲は反則レベルで合う。もう明日から曲を聞くたび電車が進む光景を思い出してしまう。
90分ちょっととは思えない内容の濃さ。
何度も味わえる映画。
魔女とアダルトチルドレン
おバカな3兄弟のインド・ダージリン急行の旅へようこそ。
彼らは父親の死を消化するために、それぞれ距離をとっていた。
そんな中、長男・フランシスがバイクで生死をさ迷う大事故をおこす。
死生観が混乱した彼は、家族の絆の復活を霊的な世界に誓った!
フランシスの発案で彼らはダージリン急行で再会した。
立派な大人の筈が・・・薬でハイになり、父の遺品をめぐり大喧嘩。
毒蛇を客室に持ちこみ、終には列車を退去させられた。
フランシスが広い世界中でインドを旅先にえらんだ理由とは?
それは、幼いときから3兄弟が永い間片思いしてきた相手に会うため・・・
憎し魔女たる母は、インドの教会のシスターになっていた。
渇望した優しい母との時間で、彼らは幸せを取戻せるのか?
不完全な彼らはとても魅力的で旅の世界に惹きつけられる。
スピリチュアルな旅の途中で、3兄弟は絆を強固なものにした。
未だに不良品だった母への思いと甘い願いを投棄てて・・・
始終、アジアンな原色の世界観で映像がカッコよい。
葬式の意味
【65点】
旅行映画なのに印象に残る場所があんまりない、というのはちょっと致命的だと思います。何回か移動もあり、その移動先で重要なイベントも起こるのですが、たいていが室内なのが残念です。市場や氾濫した川は、記憶に残らないインドの中のどこかという感じでした。旅先で出会う人間がほとんどいないので、主人公がどこか違う場所へ移動したという実感が希薄です。
と、駄目なところばかりあげましたが勿論いいところもあります。まず何と言っても色鮮やかな映像が美しかったですし、兄弟もそれぞれに魅力があったと思います。また、この監督らしくサングラスやバッグ、蛇、スプレーなどの小物が非常に存在感を持っていました。
物語自体は、遅刻してしまった父の葬式のやり直しがテーマだと思います。そのために彼らは欠席した母親に会いに行く必要があったのです。だから、父の葬式に遅れる原因となったエイドリアン・ブロディ演じる次男は、やはりまた乗り遅れそうになりましたし、オーウェン・ウィルソン演じる長男は、今度こそスケジュールを守ろうと必死なのです。時間通りに運行する列車が移動手段なのもそのためでしょう。彼らが途中でインド人の葬式に参加することになったのも、父の葬式のやり直しというテーマ上必然なのです。
また、三兄弟にはキャラ付けにおいてもそれぞれの役割があったと思います。まず三男ですが、彼の行動は兄弟三人の平均的な気分を反映しています。小説を書いて、葬式のことや帰国後の未来を語ったことは象徴的でした。三兄弟の気持ちがバラバラなときには、自分ひとりだけ航空券を取って帰ろうとする。次に次男は、父の葬式に遺品の車で駆けつけようとして遅刻するなど、非常に父親への執着が強い人物として描かれていました。私が思うに、彼は父親の代理ではないでしょうか。そして長男ですが、母親と再会後に分かることは、彼が非常に母親似だったということです。
つまり、三男が子供、次男が父、長男が母として、三兄弟のやり取りにはかつての家族を焼き直すような隠された意味があるように思えます。だから、三人の和解には兄弟の仲直り以上の意味があったのではないでしょうか。
ところで、再会時、言葉を使わずに伝え合うという母親の言葉のあとで列車内のような映像が流れましたが、どのような意味があったのでしょうか。あれが回想でないことは、次男が砂漠に逃がしたのだろうと推測した毒蛇が、車掌の水槽に入っていたことから明らかです。また、列車に乗り遅れたシーンだけに登場するビル・マーレイを回想したというのもおかしな話です。
だから、あれを強引に解釈するなら、三兄弟と母という家族以外の人間の、(列車のように動き続ける)現在の姿ということになると思います。現在というところがミソで、過去を振り切ったということを表しているのかも知れません。そうすると過去の未練としての母親が消えてしまった理由が分かります。
絵的にもテーマ的にも工夫があるだけに、何か惜しいところのある作品でした。
スピリチュアル・ロードムービー(?)
マーク・ジェイコブスのスーツケースを大量に抱えた3兄弟のスピリチュアル・ロードムービー(?)。父親の死をきっかけに疎遠になった3兄弟が、インド旅行において絆を取り戻そうとする。この3人のすっとぼけた感じが実に良い。並んで座っているだけでその佇まいに「フフッ」と笑ってしまう。この旅を「スピリチュアル」なものにするため、3人は不思議の国インドで、祈りをささげ、愛を味わい、命を助け、死に直面する。そうして、てんでバラバラだった3人はいつしか絆を強めていくのだ。思想的なテーマが潜んではいるが、本作はオフビートな笑いに包まれている。前述のスーツケースを始めとする、エスニックでキュートな小道具、脇役にいたるまで個性豊かな登場人物、何より“ダージリン急行”の列車そのものがポップでキュートだ。3人の珍道中は、兄弟間のぶつかり合いから、異国(異宗教)におけるカルチャー・ギャップ等々を打ち破り、まさにスピリチュアルなコミュニケーションを形成して行く。父(権力、財力)の象徴であるスーツケースを投げ捨てて列車に飛び乗るラストシーンは、呪縛から解き放たれた兄弟の新しい希望に満ち爽やかだ。
傷のおかげで顔に味わいがでるさ
映画「ダージリン急行」(ウェス・アンダーソン監督)から。
インドを横断する列車の旅に出るホイットマン3兄弟。
長男フランシスは、事故に遭い、顔中包帯だらけで登場する。
作品の間、ほとんど包帯を巻いている。(笑)
場面は忘れたが、次男か、三男が、長男に呟く。
「傷のおかげで顔に味わいがでるさ」
これがなんともタイミングがよく、思わずメモをした。
旅行も、仕事も、人生も、全て予定通りでは面白くない。
予想外の出来事が彼らを襲うから、映画にもなるし、
観ている私たちを楽しませてくれる。
「波乱万丈」というほど、過激な人生でなくてもいいが、
やはり、山あり谷ありの人生のほうが、豊かである。
全てが整ったイケメンもいいけれど、
ほくろ、アザ、そして縫った傷跡やシワなども、
顔に味わいが出るというものだろう。
何も特徴ない顔は、インパクトが弱く、忘れられやすい。
顔に味わいが出る・・って表現、面白かった。
とくに急行感はない。
名画座にて。
私は紅茶が大好きなもので、ダージリンと聞いて、
紅茶でも飲みながら、急行列車で旅をする話なのかと
思っていたら、ムサい3兄弟がインドを旅する話だった^^;
その列車の名前がダージリン急行だったのね…。
実は、W・アンダーソンの作品があまり得意ではないので、
眠くなるんじゃないかと思ったら、やっぱり眠くなった…。
のらりくらりと、いつも独りよがりな描き方なので
笑って…まどろんで…眠って…起きて…笑って…の繰り返し。
それでも最後まで観れてしまうところは、不思議。
最初のショートフィルムは何だろう…?と思ったけれど、
あとでちゃんと本編に繋がって(いるともいえないが)きたので、
なぁ~んだ。と思った…けど、あれは必要だったの?^^;
(ナタPファンは悶絶モノだったかもね…)
冒頭で、お馴染みのB・マーレイが大きな荷物を抱えて走る!
…と、その横を次男が駆け抜ける…!このシーンは大ウケ♪
結局列車に乗れなかったマーレイが、ユーレイのように
立ち尽くすホーム…これだけで彼の存在感は確立されてる^^;
すったもんだを繰り返しつつ、やがて辿り着く先には…。
あら!またもや監督御用達女優のA・ヒューストンさまが!
この母親との再会シーンは…けっこう良かったですけれど。
(O・ウィルソンといい…アンダーソン組とかあるのかしら)
そんな中、いちばん存在感を感じたのは末っ子役の
J・シュワルツマンでした。この人、コッポラ一族なんだ~。
お母さんがロッキーの「エイドリア~ン!」なのですね^^;
余談:「サン・ジャックへの道」のリメイクかと思いました。
(これは濃いめのアールグレイを飲んで観た方がいいかも…)
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