「【シルヴェスター・スタローンの脚本スタンスが、アメリカ愛国主義者からアメリカが積極的関与をしなかった異国少数民族擁護に変容した作品。】」ランボー 最後の戦場 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【シルヴェスター・スタローンの脚本スタンスが、アメリカ愛国主義者からアメリカが積極的関与をしなかった異国少数民族擁護に変容した作品。】
ー 今作公開時、
”派手なアクションが減ったではないか。アメリカと余り関係ない国の問題に焦点を当てて、アメリカ国民の心に響かないではないか。”
と言う意見が多かった。
愚かしながら、私もその意見に与していた。
だが、現在この作品を観ると、故国を愛し、裏切られたジョン・ランボーが故国を見限り、前作のアフガニスタンからアメリカに帰国せずに、東南アジアの独裁国家もしくは混乱している国々を渡り歩いている事が分かる。
ランボーシリーズは、ベトナム戦争に寄与した元グリーンベレーの戦士が新たな生き方に移行した事をこの作品では描いている。
◆感想
・偶々かもしれないが、今作の先見の明に驚く。
微笑みの国、ミャンマー。
アウン・サン・スーチー氏は、父アウン・サン・スーチー将軍の志を引き継ぎ、軍事政権を倒し、”民主的国家”を再構築し、1991年にはノーベル平和賞を受賞している。
・だが、ミャンマーには現在でも、今作の冒頭で虐殺されるカレン族を始め、少数民族が135以上も居住している。
・世界的に、ミャンマー政府の少数民族への非道な扱いが明らかになったのは”民俗としても認められていなかったロヒンギャ”に対するジェノサイドの事実である。
■ジャングルで暮らすランボーはNGOの一団をミャンマーに送り届ける。彼らは軍事政権の弾圧を受けている人々の支援に来たのだが、数日後、軍に拘束されてしまう。
知らせを受けたランボーは救出に派遣された部隊と共に再びミャンマーに向かう…。
<アウン・サン・スーチー氏は、少数民族に対するジェノサイドには関与していなかったと、論を張ったが、彼女は現在も拘束されている。
一時は、ミャンマーの自由化の象徴であった人物が・・。
民族紛争の難しさを、シルヴェスター・スタローンが意図して20年振りに今作を製作したのであれば、今作は大いなる意義があると思った作品である。>
■本作の公開後、本作に出演したという理由でミャンマー人出演者や親族がミャンマー政府に逮捕されたというケースがあったという報道もある・・、と資料にはある。
こんばんは。少し経過してから気付きました。映画見ていられる事が不条理に感じます。しかし、
大変に不謹慎でありますが、原発事故無くて不幸中の幸いと思ってます。
しかし、大変に残念な出来事です。
今年もよろしくお願いします。遅くすみませんでした。