「子供に媚びない作りが成功」ヤッターマン マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
子供に媚びない作りが成功
ヘタしたら陳腐な作品で終わってしまう「ヤッターマン」。おカネを出すのがコワくて、ポイントを使って観た。
まずはシネスコサイズにビックリ。日本映画でシネスコは年に数本しかない。
しかものっけから007のオープニングよろしく、大画面と大音響でヤッターマンVSドロンボー一味の攻防第1ラウンドが“みなしごハッチ公”像がある“渋山”駅前を舞台に繰り広げられる。
おもしろい。
日本の漫画やアニメには独特の表現がある。ハリウッドによるアメコミの実写化が多いが、彼らは世界観にこだわるあまり、マンガ特有のノリが描けていない。その点、この作品はキャラクターを存分に際立たせ、原作の持つ雰囲気をウマく出すことに成功している。TV版のお決まりをもじった裏ワザもビシバシだ。
ドロンジョの「やっておしまい!」を英語で言われてもちっとも面白くないではないか! 日本の映画作りもここまで進歩したのだ。これからは、映画化はすべて日本でやるべきだ。
「子供にはわからなくていい」。軽い下ネタがところどころに飛び出し、大人の笑いを誘う。
深田恭子のドロンジョ・・・声にもう少しハリがあったらよかった・・・も、お色気と可愛さをミックスしたいいキャラクターに仕上がっている。
ポスターも、当初はヤッターマンの1号2号だったが、ここにきてドロンボー一味に変わっている。子供よりも大人にアピールする作戦か? なんにせよ、主役よりも悪役のキャラが立った方が映画は面白いと相場が決まっている。
111分という長さからも、通常90分で終わるお子ちゃま映画とは一線を画した三池崇史監督の心意気が伝わってくる。
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