「大人も子どももおねーさんも」ヤッターマン 山上 朮さんの映画レビュー(感想・評価)
大人も子どももおねーさんも
タイムボカン世代の人が観れば楽しいと思います。
たぶん子どもがみても楽しいと思います。
狭間の世代が観たけど楽しかったです。
テンポの良さが本当に見事。
退屈しない。それでいて情報過多にもならず疲れない。
中だるみや焦れを引き起こしかねない要素(映画のお約束)を、(アニメの)お約束あるいはギャグの名の下にバッサリと切捨てている。
後ろを振り返らず、大胆に場面を切り替えて前に進むエネルギーは凄い。
大人でも楽しめる部分が、ノスタルジーに依存していない。
いや、もちろんノスタルジーもくすぐります。再現するべき、入れるべき要素は(たぶん)もれなく詰め込んでると言っていいのでしょう。
しかし、この面白さはそういう「懐かしさ」だけで語り尽くすことはできない。現在のエンターテイメントとして成立してる。
「子ども向けだけど大人も楽しめる作品」は必ずしも珍しくないですが、その賛辞を得る作品の多くにおいて、「大人も楽しめる」部分というのはセンチメンタリズムだったりします。
が、本作は違う。
子ども向けのバカさの間に巧妙に仕込まれた大人向けのバカさによって、真正面から、バカさを大人も楽しめる。
大人も子どももおねーさんも下らなさを楽しめる作品。
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