「作り手が違えば、もっと面白く出来たはず」デトロイト・メタル・シティ The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)
作り手が違えば、もっと面白く出来たはず
原作はサタニック・エンペラーの辺りまで読んで厭きた…けど、実に映画向きな題材で撮りようによっては凄く面白いモノになると思った。だから観た。
お茶の間で誰かと見る分にはネタも満載で楽しめるだろう。いくつかのシーンで笑いもした。でも、笑えたシチュエーションというのは原作まんまのものであり、映画が生み出したものでは無かった。ロック、パンク、メタル、何れへの理解も敬意もない作り手※は、鈍重なお涙シーンをクソ真面目に長々と撮る有様で、折角の題材を台無し寸前まで持っていっている。特に凡俗な展開とあり得ないミスが目に付く台詞回しの脚本が酷い。ジーン・シモンズの使い方も全然メタルじゃなく音楽映画としては全然ダメ。
松山ケンイチは初見だが、なるほど噂通り。作り手が酷くても彼の演技で最後まで見られる。「クラウザーの中の善なる根岸面」の演技がほとんどだったが、「根岸の中のダークで卑屈なクラウザー面」ももっと見たかった。勿体ない。
※(マーティ・フリードマンの扱いを見りゃ分かる。終映後にくだらないテロップを流す姿勢を見りゃ分かる…この映画見て人をSATSUGAIする奴がいるのか?くだらん責任逃れだ。)
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