おろちのレビュー・感想・評価
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【”門前家の女。そして愛の絆。化け物を生むのは人間の執念。”キャー、美人女優ばかり出演しているのに、何でこんなに背筋が寒いのでしょう!】
■粗筋
美しい少女の姿で人間界をさまよう謎の存在・おろち(谷村美月:不老の女優さん1号)。
人間の業が引き起こす悲劇を見続ける彼女は、大女優として名を馳せる母、門前葵(木村佳乃:不老の女優さん2号)を持つ姉妹・門前一草(木村佳乃:2役)と理沙(中越典子)の家政婦となる。
そしておろちは、門前家の女たちは29歳になると美貌が醜く崩れるという運命を知る。
◆感想。<Caution!全然、内容に触れていません!キャー!>
・イヤー、鑑賞後のイヤーな気分が尋常でない作品である。(ホラー映画にとっては、褒め言葉です。)
・女性って怖いなあ・・。(本音。)
・序でにいうと、中越典子さんは着物の似合う女優さんであるが、故に今作の様な怖い役もヒジョーに合う方である。
NHKの「京都人の密かな愉しみ」という京都愛に溢れたドラマとドキュメンタリーとで構成された一連の秀逸なシリーズがあるが、その中のオムニバスで「鉄輪の井」という短編がある。
そこで着物姿で登場するのが、中越典子さんである。美しく哀しい女性を好演されていたものである。
<今作は、楳図かずおさんの同名マンガを脚色したモノだそうであるが、貴方は楳図かずおさんの恐怖漫画でトラウマ級の漫画を知っているかな?
”漂流教室でしょ!”
”ブブー、違います。”
”じゃあ、何よ!”
”そ・れ・は・ね。【赤んぼ少女】だよ!キャー!”
小学低学年の時に、友人から借りて読んでしまったのだが、怖いのなんの。トラウマ級の怖さである。興味のある方は「おろち」と併せてドーゾ。>
成功作。怪談ではない怖い話。
初見。
楳図な気持ち悪さの映像化の一つの成功例。
怪談ではない怖い話に果敢に挑んだ。
ポスト岸田今日子な木村佳乃のキレ演のヤバさ。
美顔の薄皮一枚下を見せられるかの嫌さ。
そして端正でキレの良い構成。
また観る。カルト作。
29歳を過ぎると・・・
わたしは、おろち。
あの美しい姉妹の運命を
見つめていたいと思った。
人間の心の闇を見続ける
謎の美少女 おろち・・
おろちとは、
100年に一度深い眠りに就く
不死身の美少女の名前。
ホラー漫画の巨匠
楳図かずお先生の
傑作漫画を映画化。
「リング」の高橋洋さん脚本で
監督は、「予言」の鶴田法男さん
主演は、
おろち役の谷村美月さん
美しい姉妹役には、
木村佳乃さんと中越典子さん
原作は、18歳になると
美貌が衰えてゆくのですが
映画では、年齢を引き上げ
29歳を過ぎるとに変更されています。
木村佳乃さん
この役をオファーされた時
かなりのプレッシャーが
あったそうですが
門前姉妹の姉を
見事に演じられていました。
そして、
キャストの皆さん
それぞれ、楳図ワールドに
集中されていたのが
よく伝わってきました。
悲しい運命をたどる姉妹の物語。
主題歌「愛をする人・・・」を歌う
柴田淳さんの切ない歌声が
更に胸に沁みました。良い曲です。
ひとつ 個人的な意見ですが
おろち役は、
少しイメージが違ったかなと
すみません。(^^ゞ
でも、谷村さんおろち
可愛らしくて 良かったです。
再編集しました(^^ゞ
ギターの達人、エド山口!
親子流しなどという珍しい職業。もっと彼らのエピソードを見たかったのは贅沢なことなのでしょうか。目が覚めると、おろちがその娘になっていたというシーンが見事だっただけに、よし子さんの悲しい過去も知りたくなりました。
原作は楳図かずお。これまで映画化された作品の中では完成度が高いような気もするのですが、ホラー映画と言っていいものかどうか迷ってしまう。特殊効果やメイクで観客を驚かせる最近のJホラーとは異なり、女優の演技力に依存した作り方。これで階段落ちのシーンをメインにしたら一流の舞台劇にもなってしまいそうです。個人的には楳図ホラー作品が好きではないのですが、この作品のように“人間が最も怖い”というテーマがあれば面白くなりますね。
ブラックな人間模様を冷静に観察し続け、歳をとらない美少女キャラ“おろち”(谷村美月)。このキャラが古賀新一の『エコエコアザラク』黒井ミサに受け継がれているのだろうと感じてしまいました。ちょっとした能力を発揮するところなんてソックリ。
原作を読んだかどうか記憶になかったのですが、結末が予想できるし、その予想通りにならなければ非常につまらないプロット・・・やっぱり読んでたのかな。そんなストーリー云々より見どころなのは木村佳乃と中越典子の演技対決!直情的な動の演技の木村vs内に秘めた静の演技の中越。
【2008年9月映画館にて】
醜悪 VS 美貌の楳図ワールド
楳図かずお原作の映画化といえば、『漂流教室』(1987)が有名ですが、正直なところ、楳図ワールド(原作のパニック恐怖感)があまり表現されておらず、原作への思い入れも深かったため、非常にがっかりしました。(映画を観たのはずいぶん昔なのに、残念感はずっと胸に残っている)
そんなこともあって、この『おろち』も、ガックリ来るのではないだろうかと心配していましたが、そこそこ楳図な世界がきちんと表現されていて、ちょっとホッとしました。観てよかった。もっと早く観たらよかった。
昭和の富裕層の館の開かずの間のような
誰も入ることが許されない奥の部屋。
得たいの知れない何か(誰か)が棲んでいる
座敷牢のような禁断の場所、
誰にも語ることの出来ない門前家の「秘密」。
木村佳乃といえば、『僕のヤバイ妻』(全9回の2016年の連ドラ)をわりと最近に見ました。文字通り、本当に「ヤバイ」のですが、この『おろち』でも、美が崩れていく女の狂気に支配された心がヤバイぐらい恐ろしく、目ヂカラもすごかったです。木村佳乃の株が自分の中でまたまた上がりました。
楳図かずおは、女性の美に対する執着からくる嫉妬や憎悪などを著した作品が多く、これもその一つ。漫画本の「おろち」を読んだのは、ずっと昔。詳しいストーリーとか忘れていますが、漫画はもっともっと「おどろおどろしい」感じで、動き(ヘビ女が這っているような)があったように思います。
AmazonのKindle本でサンプルを見て、
思い出してきましたぁー!
もう1度、紙の漫画をじっくり読みたくなってきました。
姉妹の演技がすごかったせいか、おろちの谷村美月がやや食われがちで、おろちの「立ち位置」が多少、弱かったかも。おろちは人間世界を傍観する謎の少女なので、あまり人間的であってもよくないので、映像化になると難しいかもしれません。でも、谷村美月は、独特の暗さを表現できる女優さんで、少女のあどけなさも残しており、よかったです。
家政婦として人間世界を観察するという点では、筒井康隆の「家族八景」の七瀬も思い出しました。
あ、それと、山本太郎って、男優だったんだ。笑
.
自宅にて鑑賞。楳図かずおの同名マンガ内『姉妹』と『血』のエピソードが原作。ご贔屓の高橋洋が脚本。日頃、余りマンガは読まないが、本作は昔に読んだ記憶有り。独特の世界観が出ており、西洋館を舞台にした際に有りがちな陳腐さも無い。ただ谷村美月演じる“おろち”は存在が中途半端な狂言回しの印象、原作の様な語部に徹した方が良かったのでは……。木村佳乃の熱演が圧倒的、特にツンデレ母“門前葵”より“一草”の狂乱振りが光る。“理沙”の中越典子の嗤うシーンもソレ迄の印象とガラリッと変り、そのギャップが良かった。60/100点。
・各キャラクター毎にイメージカラーが設定されており、衣裳だけで誰なのか識別出来た。谷村美月 演じる“佳子”の落下シーン、本作と同じ高橋洋脚本の『女優霊('95)』でもよく似たポーズで落ちている。
・鑑賞日:2011年11月7日(月)
女性キャストは良いが
結局は女性の心の中での嫉妬や裏切りが元になっての揉め事。
姉妹の秘密も知ってしまえば「ああ、そうか」となる程度。
別段ホラーでもない。
それよりも借りたDVDが図書館にあったのが一番の衝撃。
楳図先生ー!!
楳図マンガの大ファンとしては、映像化されたものをあまり観たくない気持ちが強かったのですが、原作にあるおどろおどろしい雰囲気と上品さが、上手く映像化されていて期待以上でした。
この世で一番恐ろしいのは、「人間の心」とばかりに楳図先生はそれを視覚化しているわけですが、「内面が外見を決定づけてしまう。しかし外見もまた内面を決定づけてしまう」という楳図哲学溢れる作品でした。マンガを読んだ事がない方にも、オススメです。
女心は恐ろしい。
ある年齢になると体中に異様な痣が現れて醜い姿になってしまうという一族。
その一族の恐ろしい運命を「おろち」という少女の視点から描いた作品です。
原作は楳図かずお。だからといって、ビジュアル的に怖がらせるホラーではありません。
何よりも恐ろしいのは、美に執着する女心。
後半のどんでん返しには驚かされました。
メインの3人の女優さんの演技が本当に素晴らしく、惹き込まれます。
原作のイメージに囚われず、ぜひ観てもらいたい作品です。
このどんでん返し、あなたは気付くか?
梅図かずおのマンガを映画化。
門前家には血の秘密があった。
29才になると体中に醜い痣が出来、精神に異常をきたしていく。
29才の母親には双子の娘がいた。
母親は自分がくち始める前に一人前にしようとするが…
時代は飛び、双子の姉妹がその年齢に差し掛かった時、
醜い姿に変貌した母親から妹は出生の秘密を知り、
姉に告げる。
それ以来、姉の性格は一変、妹に辛く当たり散らす。
しかし、
妹はそれでもかいがいしく姉に尽し、ある企てを姉に告げる。
ここから、
さらにいくつかのプロットが用意されていて、
最後にはこの映画の監督に騙された事に気付くでしょう。
そして様々な疑問点が解決すると思います。
一度見るには楽しめる事を、受け合います。
女の美への執念
昭和25年という時代設定なので、なんかちょっと古めかしい感じです。そして”おろち”は生身の人間の姿をしているけれども、人間ではない。ただの傍観者。谷村美月は死にぞこないの青 でも人間ではない役をやっていましたが、今回もまさに、です。そしてそのおろちがストーリーテラーにもなっています。
29歳を過ぎたころから顔や手に現れ始める痣、ですが、痣というよりなんだかタコの吸盤みたいな感じで気持ち悪いです。こんなのが顔に出てきたら確かに怖い・・・。しかし門前家の女は必ずそうやって美貌が崩れ化け物のように朽ち果てていく運命にあり、逃れることはできない。
階上の開けてはいけない部屋。そこには醜く変わってしまった母が閉じ込められていた。”それ”が始まったら最後、門前家の女はその部屋に入れられる。
美しい娘二人、一草と理沙。一草は母・葵の生き写しかのように葵そっくりに育ち、母と同じように女優となった。一方理沙は母の世話をしながら姉・一草を支えるように生きていた。そして葵が死ぬ間際、理沙にある重大な事実を告げる。
これは美しくありたいと願う女の美に対する執着心が起こす悲劇でもあります。ともかく理沙が母親に告げられた重大な事実を一草に告げてからの姉妹のバトル、というか、一草の暴行がすごすぎる。妹の理沙に対して、殴るは、蹴るは、髪は引っ張って引きずるは、物は投げるは・・・。よくそこまで出来るもんだとある意味感心。そしてそれに耐えている理沙が健気なようでもあり、怖くもあり。
確かに祖母や母を見て、自分もああなってしまう運命にあると知っているからこそ、その恐怖と戦わなくてはいけないのはわかる。女だったら誰だってあんな醜い姿にはなりたくないから。だけどそれは誰のせいでもない、彼女達の運命。それを人に当たるというのはお門違いなんですけどね。でも仲間がいれば許せるけど自分だけというのはやっぱり許せないものなのでしょうか。それは嫉妬であり、妬みであり、美への執着であり、執念であり・・・。だけど醜くなったのはその姿よりもその心だったように思います。
つくづく女って怖っと思いましたね。正直ラストへの展開は予想できましたけど、だからこそ本当女は怖い。はっきり言ってこの姉妹、本当狂ってます。相手のことを考える余裕なんてゼロ。自分が一番かわいい。自分が一番大事。あー怖っ。
そんな姉妹を木村佳乃と中越典子が見事に演じてます。ただ谷村美月の”おろち”の存在がなんだか中途半端だったように思いました。目覚めた時に佳子になってたのもちょっとよくわからなかったし。
山本太郎はかなり微妙な感じでした。もっと違う俳優を起用できなかったのかなぁ??女性陣3人がなかなかはまっていただけに残念な感じでした。
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