ミストのレビュー・感想・評価
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悪魔的脚本
個人評価:4.0
ただのB級パニック映画と思いきや、なんという意地悪な脚本。
虫達や触手の描写は安っぽいが、最後の霧から現れる怪物は迫力があり、ラストに繋がる説得力のある演出であった。
さすがショーシャンクの空にを撮った監督。ただのパニック映画では終わらなかった。
ラストシーン
思い出しても後味の悪さが残る。これは最悪。こういう世の中になっても諦めないで最後まで何とか生きようと思う。ウォーキングデッドメンバーがたくさん出てるのがおもしろい。
皆さんのレビューの意味がよくわかりました
皆さんのレビューを見て「そんなに胸糞悪いの?どんな映画なんだ。」と不思議になってレンタルしました。
長文失礼します。
うーん、正直すごく悲しいというか私の語彙力では表現出来ない悔しさみたいなものがありました。
もし脱出する時に主人公が銃を持って行かなければ…、もしスーパー(コンビニ?)に残っていれば…、もし4人を殺さずもう少し待っていれば…、少しの選択の違いで変わっていたかもしれないのにと思うようなラストでした。
皆さんが''胸糞悪い''と言っていた理由がわかった気がします。
それからその''胸糞悪い''が良い意味でなのか、悪い意味でなのかはそれぞれの捉え方によって違うと思います。
私は良い意味の''胸糞悪い''だったので☆4。
モンスターパニックとしては楽しい
原作未読。
基本的には楽しめたが、気になることがいくつかある。
①デイビッドのキャラクター
霧が発生してスーパーに閉じこもってから妻のことを気にする様子があまりない。
言葉では心配していたり息子の母親を心配するに言葉に反応している場面はあるが、真に迫った行動はしていない。電話も繋がらないし気が気でないくらいでもおかしくないだろうに。夫婦仲は良さそうに見えたが……。その割には後で家を見に行って泣くし。
普通だったら息子をスーパーに預けてでも助けに行ってもいいくらいでは?
危険だし息子が大事だから行けないのはわかるけど試みもしないかね。
②決断が早すぎる
いやあんたら車で逃げてからデカい怪物を見ただけで一回も襲われてないでしょ?むしろスーパー周辺だけ怪物が集まってるのかってくらい静かだったじゃん。
死ぬ決断早すぎない?
つうかあの状況で満場一致で死を選ぶのか?誰か一人くらい意見違ってもおかしくないっしょ。
特に爺さん婆さんはめちゃくちゃ逞しかっただけに違和感がすごい。
あの全く危機も迫ってない状況で大事な息子を撃ち殺すかね。
③小説が映画化される際の問題
小説では描写の間時間が止まっているからだと思うが、登場人物がとにかくボーッとしている。
最初にシャッターを開けるシーンでは、受けの美学でもあるのかっていうくらい一通りタコの攻撃を食らってからシャッターを閉めろ!とか言い出す。
その間二人は叫びながら座ってるだけ。
薬局の中でも一通りクモの攻撃を突っ立って食らってから逃げ出す。
オリーが怪物に襲われるシーンもなぜか突っ立って見上げている。とにかくいちいち小説のように時間が止まる。
最初の夜、虫が来るのに馬鹿みたいに灯りをつけて回る。一応「怪物が侵入したとき等非常時にしか電気をつけるな」という風なエクスキューズは事前にあるけど、それにしても映像で見ると馬鹿にしか見えない。小説では気にならない描写なんだろうけども。
いやそもそも怪物がいるってんだから灯りぐらい消せと。忍べと。
とってつけたような軍人と店員の恋愛描写。キスシーンの直後女は死ぬが、死んだ後も軍人は感情ないのかってくらい取り乱さないし、昔からの恋が実った直後に相手が死んだっていう悲しみと罪悪感から軍の計画をつらつらと話しだす……みたいな展開でもないから、あの恋愛描写必要あるかと思ってしまった。
小説ではしっかり意味のあるように描写されてるのだろうか。
書いてて思ったけど、軍人二人が仲良く首吊るのも謎。罪悪感から自殺っていうけど話の展開のために殺したようにしか見えない。だってやったのは科学者なんでしょ?
ラストの後味が語られがちな映画だと思うが、その不条理さというか理不尽さに後味が悪いっていうのではなくて、いやいやもっとできたでしょ?ガソリンなくなる前にいくらでも手に入れるチャンスあったでしょ?ガソリンスタンドに行ってみるとか他の車からとるとかさぁ。できる限りのことやったって言うけどやってねぇじゃん!諦めも早いからそりゃそうなるよ!!おバカ!!っていう後味の悪さ。
まああえて正統派の後味の悪さを挙げるなら、自分を助けてくれないからって「地獄に墜ちろ」と捨て台詞を吐いたウォーキングデッドのキャロル役のおばさんが生き残ってたところ。
自分の都合で危険な中を送ってけって言って断られたら地獄に墜ちろって酷くねぇか……?
宗教おばさんは振り切ってたからむしろ面白キャラクターとして楽しめたけど。ちゃんと死ぬし。
突っ込み所は多々あるけど、ラストの突き放される感じ実は嫌いじゃない。
霧という舞台装置も映像向きで上手く機能してたし、モンスターもいい感じにキモくてよかった。
一番の見所と言ってもいい人々の心理描写もいい。
あの隣人とギスギスしてる感じ、怪物をじれったいくらい信じてくれない感じ、ツナギのやつらの閉鎖的田舎者感とか、コンプレックス感とかおばさんの宗教感とか楽しかった。
楽しかったけどなんか惜しい映画。
霧の奥は沈黙のみ
勝手にスティーヴン・キング特集その25!
いよいよネタが尽きてきたが、これ含めてあと3本書かせていただきます。
今回は賛否両論のラストが物議を呼んだホラー『ミスト』をレビュー。
ネタばれ無しで書くのはたぶん不可能なので、特集初のネタバレ指定。
あと、いつも以上の長文レビューです。スミマセン。
原作は1985年発表の短編集『骸骨乗務員』に収められた中篇『霧』。
(文春文庫から今年『ミスト 短編傑作選』の名で再発行されてます)。
映画版の物語はおおまかに原作通りだが、新たな登場人物や
主人公とアマンダの関係の一部省略などの差異がある。
だがやはり最大の差異は、結末。微かな希望を残して終わる
原作に対し、映画版は原作の結末のその先を描いた形になる。
もうレビューを投稿されなくなってしまわれて久しいのだが、
77さんという実に素敵なレビューを書く方がおられて、その方は
この映画を「色々考えたけど一周回って駄作」と評しておられた。
僕自身は今回4.5という判定を付けさせてもらったわけだが……
あの極めて不愉快なラストをどう受け止めるかは人によって大きく
異なると思うので、駄作と評される方がいるのもやむなし。
いや正直言うと、自分自身も本作の結末が是なのか否なのかと
未だに考えあぐねているくらいだ(そこが-0.5判定分)。
...
本作には奇をてらったカメラワークなどは登場しないし、
主人公デヴィッドの周りからカメラが離れることも少ない。
終盤以外は、音楽らしい音楽もほとんど無く進む。
主人公の周囲の状況を淡々と綴っていくだけの語り口だが、
そのせいか、じりじりと事態が悪化していくにつれて
重苦しくなっていく店内の雰囲気がリアルに伝わってくる。
まず直感的に恐ろしいのは、霧の中に棲む怪物たち。
悪意ある怪物というより、単に人間を捕食できるサイズに
成長した生物という感じで、獲物を捕食するためだけに
もぞもぞと動き続けている感じが非常に気色悪い。
ぎょろりとした目玉はどことなく滑稽にも見えるが、
あの虻(あぶ)などの生理的嫌悪感には思わず顔が引きつるし、
最後に登場する山のように巨大なモンスターがゆっくりと
闊歩する姿は神々しくすらあり、人の世の終わりを
信じさせるだけの圧倒的な存在感を放っていた。
だが、その怪物たち以上に恐ろしく陰湿なのは、
極限状態に置かれ追い詰められた人間たちの狂気だ。
最初はパニックによって見知らぬ人間や元々
仲の悪い相手に攻撃的になる程度の変化だったが、
あのミセス・カーモディの登場ですべてがおかしくなる。
霧は神がもたらした世界の終末であると信じ、人々に恐怖と
服従を刷り込み、挙げ句は贖罪と称して生贄を求め始める。
ミセス・カーモディくらいに不快な悪役というのも
なかなかお目にかかれないのではないか。
次々と人が死んでいく中で彼女だけは生き生きとしている。
彼女は自分が必要とされているという快感に酔っているのだ。だから、
彼女はきっと、最後に自分が死ぬことは勘定に入れていなかったろう。
絶望した人々が都合よく解釈された「神」という手っ取り早い
救済に飛びつき、教祖に祀り上げられた人間がその権力に酔う、
あれこそカルト宗教のモデルケースであり、救われたいという
必死の心がねじ曲げられる様だ。心底ゾッとさせられる。
だが、それらの恐怖や悪意のなかでどうにか我が子や仲間を救おうと
必死に闘ったデヴィッドに対し、訪れる結末のあの無慈悲さ――
...
あのラストについて書く前に、ひとつ良いだろうか。
物語を語るタイプの映画というのはたいていの場合、
一種の安全圏といえると自分は考えている。
回答のない無数の選択を迫られる現実世界と違い、
物語内で提示されるものにはすべて意味と役割がある。
そして選択の先には、良かれ悪かれ論理的回答が用意されている。
スクリーンを隔てた先に見えるものだけで事柄が完結するのである。
不確実性だらけの現実から隔絶された、精神的安全圏としての『物語』。
だが、わざわざ「たいてい」と書いたのは、
それを是としない物語が世の中には存在するからだ。
この映画は間違いなくそれで、しかも少しの情け容赦も無い。
安全だと信じていたスクリーンという虚構の窓を突如ぶち破り、
鋳鉄製のハンマーを観客の頭に叩き込んでくるような物語なのだ。
...
あの銃を使うのをもっと躊躇すればよかったのか。
あの銃をそもそも拾わなければよかったのか。
あの道とは逆へと車を進めればよかったのか。
あの店にあと5分長く留まるべきだったのか。
あの狂信者の群れに従えばよかったのか。
いったいどうすれば、あの悲劇を避けられたのか。
結末の後で頭をよぎる無数の選択。
答えは無い。
信者たちはまもなく鳥の群れに喰われたかもしれない。
あの状況で銃を拾わない選択肢などもなかったろう。
最後に登場した母親とともに店を出ていたとしても、
それで主人公たちが助かった保証もない。
起こったことは起こったことでしかない。
だからといってこの物語は、起こった悲劇に対し
「過去を悔やむな」と励ましてさえもくれない。
救いを求めても、返ってくるのは無慈悲な沈黙のみである。
生きる上で、楽な選択など無い。最良の選択も無い。
どれだけまっとうな人間であり続けようと願っても、
どれだけ大切なものを守ろうと必死に努力をしても、
時に世界は、その良心と努力の両方に平然と唾を吐き捨ててくる。
この物語からは、そんな見たくも知りたくもない現実の残忍さが
ずるりとこちら側に浸食してきたような不快感と不安感を覚える。
「世界は残酷だ」なんてもう一千回は聞いてきた言葉だが……
それでもあの結末が、フィクションを超えた重みを伴って
心に圧し掛かってくるのは、そんな理由ではと考えている。
...
キングの別作品『グリーン・マイル』にて、
ある殺人事件の残忍さを書いた後でこんな一節がある。
それを引き起こしているのは神にほかならない。
そしてわたしたち人間が、「わたしには理解できません」
といったところで、神はこう答えるだけだ――「知ったことか」
『ミスト』はフィクションという形を取りながら、現実の
無慈悲さを最大限の力で刻み付ける、負の傑作だと思う。
あの父親はそれでも生きられるだろうか?
人間の良識を信じて生き続けられるだろうか?
そして、あれがもしも自分自身なら?
歳を重ねる中で自分の中の本評価も揺れ動くかもしれないが、
それでもこの映画が心を離れることは決してないだろう。
厭な映画である。
<了> ※2018.11初投稿
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余談1:
監督のフランク・ダラボンは『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』でも
キング原作映画化も成功させており、キング自身からの信頼はかなり厚いようだ。
本作に関してもキングは原作の映画化権を1ドルで売ったそうな。1ドルて。
キングは本作のラストが痛く気に入ったらしく、「原作もこう締めるべきだった」
と言ったとか。すみません、先生……僕は原作通りの方が……。
余談2:
原作は傑作ホラーゲーム『サイレントヒル』の元ネタのひとつ
としても知られている。ゲーム内にはキングの別名義にちなんだ
『バックマン・ロード』という通りが登場したりもします。
ミセス・カーモディみたいなヤバいおばさんも登場します。
カーモディさんが好きなら是非プレイしてみてね。(やだ)
説明不足だけど悪くはない
後味の悪さを売りにしたかったのかもしれないけど、「間が悪いなーw」くらいにしか思わなかった。
あと、「なんで異次元生物が蜘蛛や蝿みたいなビジュアルしてんだよ?」「異次元生物は火に弱いの?」とかいろいろ気になるところがあった。
ただ、最後まで見ちゃったからそれなりに面白かったんだと思う。
ネタバレ???
ツッコミどころとかどうでもいいんだよ。
この映画の言いたいことわかんねぇのかよ。
そりゃ、バイオハザードみたいな科学ホラー?
だったらあの霧がなんだったかとか大事なんだよ?、
それがわかんないから最高の胸糞になるんでしょ。
やろうとしている試みは面白い。
アメリカ人ってこんな軟弱なのかっていう映画。まとまりがなく協調性がなく大人じゃない感じが終始イラつきました。
イラつくのでオススメはしません。
オチも絶望感があっていいのですが、バカかとは思いました。
不完全燃焼
ホラーという括りで探しておススメされてたから見たけれど、ホラー的なムードはあまりない。
「エイリアン」シリーズみたいな感じ。
なんていうやつでしょう。SF+スリル?
途中、宗教家みたいな人が弱った大衆巻き込んで騒ぎ始めた所は、良かった。ハッタリ言ったもん勝ち、みたいな社会を感じた。全体的に話は面白い。けれど映像作品としては歩みが遅くて中だるみを感じてしまった。
前情報なにも無しで見たので、ラストはさすがにマジかー、と暗くなったが、
そんなことよりも、軍の実験とか異次元の扉が〜とかが全然ぼんやりしてて、え?そんなトコで終わるの?と。なんか、ずいぶん長く感じてしまう、そんな作品でした。
最悪の映画
文字通り最悪
中学生の頃に一回見た気がした、あの頃はボーッとしてみてたがいま見ると、この映画の凄さを実感する
本当に最悪の事態しか起きなくて救いようのない映画
最高で最悪の胸糞映画でした
いまの技術でリメイクしてほしいなー
怪物は窓硝子が割れない
総合55点 ( ストーリー:50点|キャスト:60点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
変な生き物の作り物感がすごくておもちゃにしか見えず、まるで80年代の映画みたいで恐怖感がない。図体ばかりでかいのに窓硝子1枚破れず人間たちに食料品店を安全地帯として残してしまっている未知の怪物たちには、迫力不足だからもっと鍛えて出直して来いと言いたい。これならば凶暴な熊が襲ってきたほうがまだ怖い。
軍人らしき者もいるのに登場人物でまともな指導力を発揮するものがいなくて、状況を分析しようとか人々をまとめようとする者もいなくて、登場人物の魅力が薄かった。あっさりと混乱して集団発狂するのも、現代ではなくまるで中世のようだった。
そんなわけで観ていて画像の品質の低さと人物の魅力のなさと怪物の迫力の無さにすっかり飽きていた。得にあの宗教おばちゃんには人を苛立たせる効果しかなく不快感しか残らない。
車で脱出してからようやく盛り上がった。どこまでも続く霧の中で不安に包まれる彼らに、大地を踏み鳴らして真上を通過する巨大な怪物が圧倒的な絶望感を与えてくる。哀しく神秘的な聖歌のような音楽が霧の中に響くのが雰囲気を作り出していた。最後の15分くらいだけは良かったのだが、それまでがつまらなくてもうその頃には観る気力が萎えていた。
これならば脱出してからの話にもっと時間をふったほうが良かったのではないか。結局怪物たちのことはそうたいした問題でも無くて、危機における人間の混乱と統制とか生きる努力が主題だったように思う。でもその割りに構成が良くない。
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