「色々考えたけど一周回ってやっぱり駄作」ミスト 77さんの映画レビュー(感想・評価)
色々考えたけど一周回ってやっぱり駄作
まず私がホラーをあんまり見慣れてないからかもしれませんが
触手が出てきた時にえっB級なの!?ってなって少し萎えましたw
でも気持ちを切り替えたら見入ってしまったんですが、評価されてるらしい最後の最後で駄作にしてしまったという印象。
鬱エンドとは聞いてましたが、そっかーこういう感じかー。
多分そう聞いてたのも影響してるんでしょうが、それを差し引いて真っさらな状態で観ても多分「すごい映画…!」とはならなかったと思います。
たしかに意外ではあったけどそれだけというか、その意外性もそんなに斬新でも衝撃でもなかったような。2007年の時点でも。
絵に書いたようなハッピーエンドばかりが好きなわけでもないし、
後味悪い救われない話もたまにあってもいいと思うしむしろそれを期待して見たんですが、
あの場合1番のバッドエンドは主人公が洗脳されて息子を差し出す選択をしてしまうことだったと思うので、
悲しい悲しい選択をしてこれから辛い人生が待っている主人公ですが“約束を破った父”よりはいくらか救われる思いすらしました。
あのラストシーンまで私なりに色々とメッセージを感じとっていたのですが、
あのラストにしたことで矛盾が発生した気がします。
本当に怖いのは怪物なんかじゃなく人の心
集団心理
本音と建前
狂信、盲信の危うさ
人間の驕り
見えないもの、見えるもの
こんなようなキーワードを【驕って神を冒涜する(信じない)ことへの警鐘】と【驕って自分が神にでもなったつもりの狂信者への皮肉】を込めつつ伝えたい話なのかな、と思っていたのですが、
ラストシーンは【正義が勝つとは限らない】【どんな状況に陥っても希望を捨ててはいけない】みたいな意味を感じたので
結局なにが言いたかったの?となってしまって。
現実は一秒先だって霧のように見えないんだよって事?
深読みしすぎなだけで元々メッセージなんてないのならあんなに胸糞悪いラストにする必要なんてないし(自殺するにしても実際にはもう少し時間を持て余してからになると思う)、
ただ観客を驚かそうっていうだけならとてもナンセンスだと思いました。
絶望して死に急いでしまったものの最後まで生きるために自分の正義で戦った主人公たちや
集団のリーダーとなって一応みんなの心の支えになってた狂信おばさんは亡くなって、
行動を起こさず流されて、現実逃避の手段として神にすがっていたスーパーの「その他大勢」は生き残る(描写はされてないけどその可能性は高い)。
これが意味するものってなんですか?
なんかカルトにハマってる人が見たら変な風に受け取りそうだし、
「頑張ってもうまくいかない時もある」「運のいい奴もいれば悪い奴もいる」なんて当たり前のことをなんでわざわざ?とも思う。
(それをホラー映画でやったから良かったのかな)
好きな人は好きな映画というくらいならわかるのですが、結構大衆受けしていることにちょっと恐怖すら感じますw
最初の主婦のように「この人が生き残ってあの人が死ぬの!?」っていう「えー!そんな!」だけが醍醐味なら私がこの映画に不向きなだけなんでしょうねw
でも中身がスッカラカンならここまで物議を醸さない気もするし、やっぱり悪趣味だって思ってしまいます。
この映画を見て1番思ったのは人間は例え何回リセットされても宗教を生み出すんだろうなぁって事。
どうしようもなくなった時にだれでもいいから誰かにすがりたくなるのはしょうがないですもんね。
クリスチャンの人たちがこの映画をどう受けとったのかが気になります。
狙撃の副店長が1番の良心でしたw
77さん、お久し振りです!
忘れちゃいませんよ!
ちょいとばかし物陰が好きなだけです(笑)。
やあ、お元気そうで何より。
大分お忙しいようですが、まあモヤモヤし過ぎず、
「観るのが待ち遠しい映画がどしどし増えておるわいガハハハ」
くらいのポジティブシンキングで参りましょ。
何事にせよ、気張らず気負い過ぎず頑張ってくださいね。
こちらも77さんが観たい映画が増えるようチマチマとレビューを重ねときますよ。
ま……3割はホラーorバイオレンス系なのであんまし食指が動かないかも(笑)。
それじゃまた!
共感コメントでも辛辣なツッコミでもどんと来いです!!
……あ、いや、やっぱ後者は控え目で……。
きびなごさん〜!
もう存在忘れられてるかなって思ってたのにそんな嬉しいお言葉まで頂いちゃって(>人<)コメントついたらメールくる設定にしといてよかったぁーなんだか本当に嬉しいですありがとうございます!
しかも、評価が違うのに共感、コメントもらえたっていうのも嬉しいな♪ そういう交歓はとっても貴重だとおもうので。
諸事情で最近映画観られてなくてもやもやです笑 また観だしたら濃ーい絡みをしましょうね☆コメントありがとうございました。
この作品、個人的には4.5くらいの高評価なんですが、共感票入れさせてもらいました。
分かります。低評価の理由に納得です。だって、とんでもなく不愉快なエンディングですもん(笑)。
原作を知る自分としてはその再現度の高さに喜んだのと、
あのラストに「見たくもない現実がずるりとスクリーンから這い出してきた」みたいな戦慄というか
「不条理こそ条理」みたいな諦念を覚えてしまい、ムナクソワルイと感じつつも高評価。
(↑全然説明になってないか)
とはいえ個人的には、わずかな希望を感じさせる小説のラストの方が好きかな。
まあ小説のままをやると尻切れトンボで終わっちゃうんで観客大激怒なんですけどね。
としぱぱさんのコメントに便乗する感じでとしぱぱさんに申し訳無いのですが、
ここのところレビューを見掛けないのでコメントしてしまいました。
77さんのレビューは長めだけど読み易くて、しっかりがっしり自分の言葉を持っていて、
高評価でも低評価でも作り手に敬意を払っている感じ、
なにより映画をディテールまで心底楽しもうとしている感じがすごく好きです。
また気が向いた時にでも、素敵なレビュー、読ませてくださいね。
長々と失礼しました。ではッ!