「おとぎの国のお姫様はけして怒らない」魔法にかけられて Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
おとぎの国のお姫様はけして怒らない
現実世界からおとぎの国へ行くお話を逆転させて、ディズニーお得意のキャラクターを現代のニューヨークに紛れ込ませての、シニカルな自虐ユーモアを主題とした、ある意味大人のディズニー映画。夢は叶う理想主義が現実では何とも頼りない楽観主義にしか見えない、そのギャップのリアリティが面白い。制作のディズニーにそれを楽しんでいる客観性がある。主演のエミー・アダムズのジゼルのおとぎの国のスタイルと現代ニューヨーク女性のスタイル対比がいい。ロバートと口喧嘩して人間的な愛情が芽生えるところが脚本の良さであり、反対にロバートの婚約者ナンシーがおとぎの国へ導かれる道理も描かれ、ハッピーエンドのディズニー映画になっている。ロバートの法律事務所で離婚訴訟のカップルがジゼルの説得で改心するところは、フランク・キャプラタッチを彷彿とさせる。スーザン・サランドンの魔女役が存在感充分。それとリスのピップが、ジゼルにナリッサ女王の陰謀をボディランゲージで伝えるシーンがケッサク。
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