劇場公開日 2008年3月14日

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魔法にかけられて : 映画評論・批評

2008年3月11日更新

2008年3月14日より日劇3ほかにてロードショー

戦いの剣に自ら手を伸ばす凛々しさに拍手

冒険の旅から人生を学び、成長していくキャラクターは映画の常道だが、「魔法にかけられて」のジゼルは、その変化の意外性において群を抜いている。何しろ、〈happily ever after〉を約束されたアニメ世界のお姫様が、その幸せなお約束に疑問を呈するのだ。いや、意外と言っては彼女に失礼かもしれない。映画の最初ですでに、彼女はタフで懐が深く、変化を受け入れるキャラを見せてくれているのだから。ニューヨークのアパートで彼女の歌に誘われて現れるのは、アニメの森の小鳥やリスではなく、ゴキブリやドブねずみやハエたち。お姫さまなら気絶しても当然なのに、ジゼルは一瞬驚きはするけれど、すぐに普段どおりの仕事にとりかかる。ディズニー・アニメの名場面を笑いの種に仕込んだ数々のアイデアも素晴らしいが、それはただ笑わせるためだけではなく、人間としてのジゼルの可能性の大きさを描くためのものでもあるのだ。

そんなジゼルだもの、すべての道筋が決められた人生って何なの?と気づき、考えて選び取る道をチョイスするのは時間の問題だった。白馬の王子様を待つのではなく、戦いの剣に自ら手を伸ばす凛々しさに、惜しみない拍手を送りたい。

(森山京子)

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